第57号(2011年11月30日号)

目次

護良親王の石巻伝説について

<質問>

護良親王の石巻伝説(護良親王が幽閉されていた時に実は殺されておらず、亡くなるまで石巻にかくまわれていた。親王をまつり建てられたのが「一皇子神社」であるという伝説)に関する資料はありますか。

 

<回答>

1 護良親王の石巻伝説について

以下の資料に記述がありました。ただし,文中の「淵辺」「渕辺」の表記については原文のままです。

資料1 石巻市史編さん委員会編. 『石巻の歴史 第1巻』石巻市史編さん委員会(石巻市, 1996年)

pp.511-513「多福院板碑と葛西氏」の項

「(前略)淵辺氏をめぐる伝承とは、この淵辺氏は牡鹿湊の領主で、「御所入」の付近にある「淵辺屋敷」という地が淵辺氏の居館であった。淵辺義博は、護良親王から子の弥四郎が命を助けられたこともあって、親王の恩義に深く感じていた。そこで実は、親王を殺さず、ひそかに鎌倉を逃れて牡鹿湊の地をお隠れの里とした。その地が「御所入」であった。(中略)しかし、親王は永い間土牢に閉じ込められていたため健康を害し、建武二年十一月に湊の地でなくなり、塚をつくって葬った。後年この小祠を建て親王をまつった。それが「一皇子神社」である。(後略)」

 

資料2 『石巻まるごと歴史探訪』石垣 宏[ほか](ヨークベニマル, 2000年)

pp.48-49「護良親王伝説と一皇子神社」の項

「(前略)石巻に残る護良親王伝説では、殺害を命じられた渕辺義博は、恐れ多いと考えて自分の領地(相模原市)に一時匿まい、部下として渕辺・日野・日下・平塚・福原・遠山・高橋ら七名と共に船で牡鹿湊につき、桜川の河口から上陸、南朝方の葛西氏に保護されたとみられます。再起を機したのですが、病を得て、正平元年(一三四六)に亡くなったのです。この護良親王を祀ったのが一皇子神社です。(後略)」

 

資料3「奥羽観蹟聞老志」巻之九 牡鹿郡のうち「吉野先帝ノ御墓」の項

『仙台叢書 第15巻』(宝文堂出版販売, 1972年)pp.373-375 所収

 

資料4「奥羽観蹟聞老志」補修篇巻之九 牡鹿郡のうち「御所ノ曲隈」の項

『仙台叢書 第16巻』(宝文堂出版販売, 1972年)pp.321-322所収

資料3・4は「奥羽観蹟聞老志」の翻刻(活字本)となっています。底本と解題は巻頭に収録されています。

 

※「奥羽観蹟聞老志」について

資料5『日本歴史地名大系 4 宮城県の地名』(平凡社, 1987年)

p.721「奥羽観蹟聞老志」の項に以下の記述があります。

「奥羽観蹟聞老志 20巻20冊 佐久間洞巌著 成立享保4年 写本宮城県図書館ほか

解説 四代藩主綱村の命により作成された地誌。領内をくまなく踏査し、宝永四年その草稿を焼失するが、なお書継いだ。名蹟・故事・社寺などを和歌・物語・伝説などによって浮彫にし、単なる地誌的記述に終わらず、領内の歴史・伝承や文化的遺産を明らかにしようとしている。藩撰地誌の嚆矢。活字本 仙台叢書別巻三・四」

 

<回答日>

2011/8/24

 

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沖縄県を舞台とした小説について

<質問>

沖縄県を舞台とした小説を探しています。

 

<回答>

1 沖縄に関する文学作品について

 

資料1『ふるさと文学館 第54巻』ぎょうせい, 1994

第54巻「沖縄」

「亀甲墓 実験方言をもつある風土記」大城立裕著 ほか58作品が収録されています。

 

資料2 沖縄文学全集編集委員会編『沖縄文学全集 第6巻』国書刊行会, 1993

『沖縄文学全集』全20巻のうち,第6巻から第9巻は「小説I~IV」となっています。

「鶴岡という男」山城正忠著ほか63点の作品が収録されています。

 

資料3 森岡 健二『沖縄の文学』東海大学出版会, 1971

沖縄の文学について解説があり,巻末には年表・文献目録・言語資料・索引等があります。

 

資料4 仲程 昌徳『沖縄の文学』沖縄タイムス社, 1991

東京で刊行された文芸雑誌を対象に,昭和2(1927)年から昭和20(1945)年までの間の沖縄出身者による詩・小説・エッセー等について解説が収録されています。

 

<回答日>

2011/8/30

 

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