第6号(2009年6月30日号)

目次

親切はなぜ親を切ると書く

<質問>

親切はなぜ親を切ると書くのか。

 

<回答>

もともとは「深切」。「切」には「ねんごろに」という意味がある。

 

<回答プロセス>

『新明解漢和辞典』には「正しくは深切」とある。『日本国語大辞典』には「『日葡辞書』の訳語は現在の『親切』にあたるが『フカイタイセツ』とあるので表記は『深切』であったと考えられる」とある。

 

<参考資料>

『新明解漢和辞典』(長沢 規矩也 三省堂 1991)

『日本国語大辞典』(小学館 2001)

 

<回答日>

2005/12/28

 

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大名行列「下に、下に」

<質問>

参勤交代時の大名行列で「下に、下に」と先導の者が掛け声をかけたことになっているが、全大名がそうしたのか。一日に進む距離から考えるとむずかしいのではないか。

 

<回答>

大名による違いではないが、全行程で声をかけていたのではなく、通行区間によって「下に」の声をかけて歩く場所が決まっていた。

 

<回答プロセス>

『参勤交代道中記』p.102「行列は道中を常に「下ニイ」(「下に居まっせえ」)の警蹕の声と共に、歩調を整え整然と進んでいた訳ではない。野間では鎗を肩にかけ、隊伍を崩して気楽で自由な足取りになった。(中略)しかし、大きな宿場や要衝の場所にある宿場、城下、関所などを通る時は、「行列を建てる」と言って警蹕の声と共に、乱していた隊形を整え、笠は被り直し、足並みを揃え、騎馬の定位置にいる士は騎乗し、肩にかけていた鎗を立てた。」
『ビジュアル・ワイド江戸時代館』pp.68-69「このようなときの行列の本隊には、武士なら蹲踞、百姓・町民なら土下座する必要があった。参勤の道中は、他藩の領地を通行することになる。そのため、その地の領主に挨拶をしたり、領主からねぎらいの使者がきたりする。道中でも、江戸と同様の社交が繰り広げられていたのである。」

 

<参考資料>

『大名と旗本の暮らし』(平井聖 学研 2000)

『ビジュアル・ワイド江戸時代館』(小学館 2002)

『参勤交代道中記』(忠田敏男 平凡社 2003)

 

<回答日>

2005/12/28

 

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