第31次 第2回 宮城県図書館協議会 会議録

 

1 日時及び場所

平成24年9月14日(金曜日) 午後1時30分から午後4時00分まで
宮城県図書館 2階研修室

2 出席者

伊藤 益義 委員
鵜飼 信好 委員(副会長)
佐々木 壽德 委員
菅井 美枝子 委員
寺島 英毅 委員(会長)
早坂 信子 委員
細谷 みつる 委員
渡辺 雅昭 委員

3 事務局出席者の職氏名


(教育庁関係)
生涯学習課長 西村 晃一(以下,西村課長)
生涯学習課生涯学習振興班課長補佐(班長) 菊地 武彦

(図書館関係)
館長 髙橋 仁(以下,髙橋館長)
副館長 加藤 睦男(以下,加藤副館長)
企画管理部長 和賀 修治(以下,和賀部長)
資料奉仕部長 村上 礼子
企画管理部副参事兼次長(総括担当) 関 照一(以下,関次長)
資料奉仕部次長(総括担当兼震災文庫整備チームリーダー) 大和田 順子
企画協力班次長(班長) 高橋 修
調査班主幹(班長) 吉田 浩之
利用サービス班次長(班長) 下山 邦彦
総務班主幹(班長) 渡邉 雅弘

4 傍聴について

関副参事から,傍聴希望者がないことを確認

5 開会

関副参事が開会に先立ち,齋藤俊子委員から事前に欠席の連絡があった旨報告
関副参事が開会を宣言し,本日8名の委員の出席により定足数を満たし会議が成立した旨の報告

6 会長挨拶

 皆さんこんにちは。連日,大変な暑さが続いております。マスコミによりますと,今シーズンは42日間猛暑日ということになります。 その暑い中,第2回宮城県図書館協議会にご出席いただきました,苦労様でございます。
 今日の協議会は,宮城県図書館振興基本計画(案)についてと,文化財資料等の移管に係る論点について,いろいろ協議していただくことにしております。内容的には,非常に重要で盛りだくさんでございます。
 率直なご意見をいただいて,なおかつ,円滑に協議が進みますようお願い申しあげまして,私からの挨拶といたします。今日は,よろしくお願いいたします。

7 髙橋館長挨拶

 改めまして,皆さんこんにちは。本日は,大変暑い中を皆様にはご出席いただきまして,誠にありがとうございます。
 前回の第1回の協議会は,ここが工事中ということで,県庁で行わせていただきました。
 お陰をもちまして,本館の災害復旧工事も予定どおり7月3日に終了し,再オープンにこぎつけました。また,再オープンを記念しまして「3.11漫画家の祈りと激励展」ということで, 寄贈いただいた漫画家の皆様に描いていただいた色紙を展示したところでございます。「東日本大震災文庫展Ⅱ」と銘打ちまして開催しましたが,大変多くの県民の方々にご覧をいただきました。 これも,盛会のうちに終えることができたところでございます。ご覧いただいた皆様には,漫画家の皆様からの熱い,そして心温まる作品とメッセージを見ていただいて,励まされ,勇気づけられたものと思います。
 その後,9月7日(金)からは,「復興の道標-東日本大震災文庫展Ⅲ-」といたしまして,震災後の県内の産業や生活における復旧,復興に向けた取組の様子を紹介するとともに, 本館が1か月にわたって工事休館中に行った県内公共図書館等への支援に行っております様子などを紹介しております。本日,協議会終了後にご案内する予定と考えております。  
 さて,第1回協議会におきましては,次期図書館振興基本計画の理念及び施策骨子の(素案)についてご説明させていただきました。その後,皆様からは,それに対しまして, さまざまな視点から多くの貴重なご意見をたくさん頂戴したところでございます。誠にありがとうございました。
 そういったご意見を踏まえまして,次期基本計画の理念につきましては,8月31日に開催した基本計画策定委員会において決定しております。
 施策骨子(素案)につきましては,これも,ご意見を踏まえまして,大幅に見直しを行いまして骨子(案)といたしました。素案から少し進めた形で本日は,理念と施策骨子(案)についてご報告させていただきます。 また,今回反映できなかった部分につきましては,今後策定する行動計画等において,参考とさせていただきたいと考えております。
 併せて,本日は,図書館振興基本計画(案)をお示しさせていただきます。この計画(案)につきましては,当館の司書を中心としまして, 「これからの県図書館はどういうふうにすすめていくべきか」という視点で全員で真剣に考え,知恵を出して,議論,検討を重ねて取りまとめたものです。 各委員の皆様には,社会を取り巻く環境が日々変化していく中で,今後の県図書館のあり方も踏まえて,さまざまな視点からこの(案)についても,ご意見を頂戴しますようよろしくお願い申し上げます。
 もうひとつ,本日は文化財資料等の移管問題について,前回,論点整理したものをご報告させていただきましたけれども,この論点整理の結果を踏まえて,本日は直接,資料がどういった所に収蔵されているかを含め, ご覧をいただきながら,ご意見を頂戴できればと考えております。
 どうか忌憚のないご意見を頂戴できますようお願い申し上げまして,挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。

8 配布資料の確認と日程(関副参事)

① 会議次第
② 次期基本計画の理念・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料1)
③ 次期基本計画の策定骨子(案)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料2)
④ 宮城県図書館振興基本計画(案)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料3)
⑤ 「次期基本計画の理念(素案)」に係る図書館協議会委員の意見一覧,「次期基本計画の策定骨子(素案)」に係る図書館協議会委員の意見一覧・・・・・・・・・・(以下,資料4)
⑥ 宮城県図書館所蔵文化財等の移管に係る論点整理の結果について・・・・・・・・・・・(以下,資料5)
参考資料として
① 特別展「復興の道標-東日本大震災文庫展III-」リーフレット
② 「ことばのうみ」第41号

 なお,本日の日程ですが,会議終了後に特別展「復興の道標-東日本大震災文庫展III-」をご案内いたしますので,終了は午後4時頃までを予定しております。

 

9 議長選出

図書館協議会条例第6条により会長に議長をお願いします。これよりの進行は,寺島会長にお願いします。

10 会議録署名委員の指名

   議長が佐々木壽德委員を指名。

11 議事

○ 議長
 それでは,議事にはいります。はじめに,(1)報告事項①「宮城県図書館振興基本計画の理念・施策骨子(案)について」,事務局から説明お願いします。
○ 和賀部長
 以下,資料1,2に基づき説明
○ 議長
 ただ今の説明について,ご質問,ご意見等がございましたら,お伺いしたいと思います。なお,資料4でいろいろ皆さんの方から意見を頂戴しておりますので, 事務局では,これをできるだけ基本計画の理念の中に取り入れて,まとめたということだと思います。その辺も含めていただいた上で,ご自由にご意見をいただきたいと思います。
○ 鵜飼委員
 次の基本計画のところで,協議の時間がありますので,そちらでの話になろうかと思いますが,資料2の次期計画案「施策の展開」のところで, 前回お示しいただいた内容から大幅に変わっている訳ですね。これについては,各委員からの意見に「このように変えるべきだ。」という意見がなかったように私は見ておりますが, これについては,「理念」なり「県図書館の使命と業務の基本方向」というものが先にあって,それに施策がぶら下がるという形で考えるというのが通常のパターンなのだろうと思うのですが, その辺のところで少し,私としては何かそぐわないというか,そんな気がしているものですから,その点につきましては,次の協議事項の中で述べさせていただきたいと思いますが, これに関する意見としては,私からそういうことがありますということだけをお伝えしたいと思います。 
○ 議長
 他にございませんか。
○ 伊藤委員
 関連しますけれども,今,意見という形でしたが,私は質問という形でお聞きしたいと思うのですが,前の素案の方では,理念と施策,計画素案とが項目的に整合性があったと思われるのですが, それが,何か,大幅に変わってしまって,理念でせっかく定まった内容が,計画の中で,当然細かなところでは出てくるのでしょうけれども,大きな体系として,せっかく, 使命と業務の基本方向というのが4つ出ているのに,それが埋もれてしまっている感じがするので,どうして,こんな大幅な変更になったのか。その辺の理由とか,お示ししていただきたいと思います。
○ 議長
 それは,意見の中で佐々木委員から出されているのも,何かそういう同様のお考えが出されている。実は,私もいろいろその辺で悩んだのです。 というのは,例えば,宮城県の総合計画。こういう時には,10年くらい経過して新しい総合的な,県政の発展から,医療から,福祉から,産業振興から,全部包含した計画の場合には, 知事の意向の中で,理念が前と,ガラっと変わったりする場合があるのですが,図書館の運営とかサービスの計画ですから,理念まで含めて,5年ごとにガラガラ変わるというのは,少し私も理解するのに大変だったのですが, 宮城県図書館は宮城県図書館の理念があって,私はこれはそんなに5年,10年で変わるものではないのだろうと思う。それで5年ごとの基本計画を作っておけば,宮城県図書館の理念,不変とは言いませんが, ある程度,長期にわたって宮城県図書館の基本となる理念というか,その理念に基づいて5年ごとの基本方針だとか基本計画とか,継続していくのが普通なのではないのかなと考えてみたりもしたのですが, その辺も含めてご意見をいただいた方がよいのかと思いますのでよろしくお願いします。
○ 和賀部長
 前回お示しました理念と骨子ですが,理念を具体の施策展開するために,どうすれば委員さん方にイメージしてもらえるかということで,骨子(案)をお示したところです。 今回,委員さん方の意見を踏まえ,理念を再度構築し直しました。後で説明することになるのですが,基本計画を作成するにあたりまして,改めて,今委員さん方が言っておられました本来図書館の目指すところなどを, もう一度ワーキンググループのメンバーにより練り直していただきました。そうして出来上がったのが,後で示します基本計画(案)です。それに基づいて,実際に施策展開していく時に導き出されたのが, ここに示した3つの取組です。「資料・情報を充実させる取組」,「図書館を使う人々・支える人々への取組」,「サービス基盤を強化する取組」の3点です。 それに,今回は3・11を踏まえて「震災復興への取組」を別出しで4つの取組という形で切り直しております。そういう訳で,前回示した案と全く変わってしまっているというご意見は当然あるのですが, 実際に行う中身としましては,表現は違っても,施策取組については,急に変更しているということではないので,その辺はご理解いただきたいと思います。
○ 議長
 よろしいでしょうか。 
○ 鵜飼委員
 基本計画の中身に先に進んでしまったので,言いますけれども,基本計画の中身自体はこれ自体だけを見れば大変立派な内容であると思いますし,よく整理されたものだと私は感じますが, ここで基本計画の理念の中で「県図書館の使命と業務の基本方向」,言ってみれば,これが縦軸で整理された内容だとすると,この基本計画は改めて横軸に沿って整理し直している,そういうものなのですね。 県民目線ではわかりにくい。せっかく,こういう縦軸に整理をしたのですから,この縦軸の流れに沿って,施策が書いてある方が県民目線ではわかりやすい訳ですね。それを,せっかく整理されたものを, ガラガラポンして横軸に編み直して,確かにこれだけを見れば非常に立派な内容であるということなのですが,ここから始まるとなると,どうも整合性が取れない,そういう見方になってしまうということで, できれば,私はこの基本計画の中に,ここの理念はここで言っているとおり「図書館法に基づいて」でもけっこうですけれども,「業務の基本方向」の中身に沿った形で,基本計画の施策をぶら下げていただいた方が, 恐らく県民としては,わかりやすいのではないだろうかという気がいたします。そのようなことで,先ほど意見という形で述べさせてもらったのですが,どうもそういう点では,せっかく,ここで基本方向がありながら, 基本計画にいきますと,言ってみれば,「県図書館の役割」はいいとしても,「計画の基軸となるもの」・・・せっかく「業務の基本方向」という形できちっとまとまっているのに・・・「基軸となるもの」という異質なものが出てきて, その次に,「計画の基本的な考え方から施策の展開に至る概念図」というところでは,一切,「業務の基本方向」が出てこない。これは,ちょっと整合性に全く欠けているのではないかというふうに思うので, そこは,ぜひ,見直してもらいたいと考えております。議事の(2)で言おうと思ったのですが,話が進んでしまったので,申し上げますけれども,そういうことになります。
○ 伊藤委員
 私も全く鵜飼委員さんと同感でして,基本計画そのもの資料3を見させてもらっても,せっかく資料1で決めた理念の特に大きなⅡで,この部分がどういうふうに基本計画の中で活かされているのかなかなか分かりづらい。 そのあたり,もう少し鵜飼委員さんが言うように,わかりやすい体系というか構築にした方がよろしいのではないかと,私も思いました。これは意見です。 
○ 和賀部長
 理念につきましては,今後,一般県民に公表される資料ではなく,あくまでも公表される資料は「基本計画」とそれに基づく「行動計画」(アクションプラン)となり,前回と同じような2つの冊子という形で予定しております。 理念につきましては,考え方なりをまとめる形で整理をさせていただきまして,そこから部分的に,内容は基本計画の施策の展開の中で取り入れていけるように計画立てをしているところです。 全てを網羅しているかというと,そうでないところもあるかも知れませんが,今後,行動計画の中で取り入れて行きたいと考えております。
○ 鵜飼委員
 今の説明なのですが,現計画はいわゆる基本理念といいますか,業務の基本方向といいますか,そういうものと整合性がとれた形でできております。ですから,要するに今回は今の計画とは考え方を違わせるということになっていく訳ですね。 「それはなぜなのか。」ということになっていく訳なので,少なくともその辺の整合性がとれるような形にしないと。(ここに示されたのは)逆に,「理念は理念,基本方向は基本方向で, それはそれでいいとして,図書館内部の基本計画はこうなのです。これに,意見ください。」ということになってしまっていると思うので,ちょっと,それはいかがなものか,という感じがするのです。
○ 加藤副館長
 もともと前の計画は平成19年に作られたもので,それまでは図書館基本計画というものは存在せず,毎年度,県の図書館基本方針ということで定めていたのですが,それを基本計画という形で大まかなものを取りまとめたのですが, 今回,大幅に見直しという形になっているのですが,一つの背景といたしましては,平成13年に図書館法第18条に基づいた「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」というものがあるのですが, これが今回,改正されることになっております。それに伴って,今回文科省でパブリックコメントとして出されており,それが10月くらいに定まるということになるのですが,その中で市町村図書館もいっしょですが, 県立図書館については,「当該図書館の事業の実施等に関する基本的な運営の方針を策定し,公表するよう努めるものとする。」という規定が入ってまいります。また併せて, 「図書館サービスその他図書館の運営に関する適切な指標を選定し,事業年度ごとに,当該事業年度の事業計画を策定し,公表するよう努めるものとする。」という規定が設けられることになります。
 先ほど,「「図書館サービスの質的向上」と「図書館ネットワーク体制の充実」について,「計画の基軸となるもの」の中に入っていることに違和感がある。」とのお話をいただきましたが,今後の基本方針に基づいて展開する事業の評価の際の基軸として, 何をもってくるかというようなことで,今後を見据えた形で入れております。前回の理念のところでは,こういうところまでは,お話しできませんでしたし,また,理念を踏まえて,当館のワーキンググループで理念を捉えた上で,単に運営方針としての基本方針を決定するということで, 今回,基本計画(案)を作ったものですので,そこの理念と,今回の基本計画(案)の間には乖離があるように見えるのですが,今後の評価とか展開する事業の取組について,一つ一つの達成度を見るもの, ということも念頭において,具体的な展開という形でこういう基本計画の作りにしたということです。逆に言えば,もともとは図書館のサービス計画という経営計画の方の図書館振興基本計画の「計画策定にあたって」ということで, 一番最初にあるのですけれども,そこに書いていますように,「図書館で働く側の目指すことを明らかにしてより適切な県民サービスを」ということで,確かに県図書館に取り組む側の視線でまとめたので, 鵜飼委員さんがおっしゃられるように県民目線でまとめたものではないので,そういう意味では少し分かりづらいのかなと思います。
○ 鵜飼委員 
 内容的にはよくわかります。言ってみれば,ここに示された基本計画というのは,図書館が業務を推進していく上での,いわば業務推進計画という,そういうような意味合いが非常に強いというように私はお見受けしました。 これはこれでよいのだが,通常であれば,例えば,この基本計画の策定の趣旨はおいておいて,「基本的な考え方」というところに,いろいろ委員さんが意見として述べた次期基本計画の理念なり, 業務の基本方向なりといったものが示されて,それに基づいた形で施策の展開というものを記載していくという,そういうまとめかたをするのが恐らくオーソドックスなやり方なのではなかろうか。 そうすれば県民としては非常にわかりやすいし,今,ここに例えば「県全域の図書館サービスを支える図書館」を目指すのだというのがあれば,さて,これにぶら下がる施策というものはどういうことなのだろうか。 そういう見方ができる訳なのですね。しかしながら,この基本計画を見ると,そういう見方ができない訳です。改めてそれは,どこに書いてあるのだろうと探さなければならない。それは,少し問題ではないか。 ということで,そうであれば,この基本方向に沿った形で,現計画にある施策そのものを組み替えしてお示しすれば良いだけではないか,と私は思うのです。
 基本計画まで行っていないところですみません。切れないものですから。
○ 髙橋館長
 ただ今,こちらの方から説明をさせていただきましたけれども,確かに委員のおっしゃるとおり「業務の基本方向」という部分がきれいにまとまっているものですから,それを第3章に「計画の基軸となるもの」ということで大きく示しています。 その前のところに,まず,「基本方向」というようなことで,ここに一度納めて,その上でそれを進める上での基軸があって,それを具体的に展開すると,第4章,7ページ以降になるというような形でお示しするとご理解いただきやすいかなというふうに, 今お話を伺いながらまとめてみました。そういった方向で引っ張らせていただいて,ご趣旨は良く理解できましたので,もう少しこの基本計画(案)の中に委員の意見を反映するように努力したいと思います。ありがとうございます。 
○ 議長
 その辺,少し文章表現上も含めて,配慮していただければと思います。乖離があるなというふうにみえるところをきちんと繋いでいただきたい。私はそれでずいぶんいいものになるのではないかと思います。
 はい,早坂委員。
○ 早坂委員
 今のご発言と同じようなことを申し上げる予定でしたので結構です。
○ 議長
 他に意見はありませんか。無ければ,次に進めさせていただきます。理念と施策骨子(案)について,その中で基本計画も含めていろいろご意見をいただいてしまいました。 それで,2番目の予定であった,振興基本計画(案)について,何か言いたいことがあれば意見を出していただいて,無ければ次に移らせていただきたいと思います。 
○ 鵜飼委員
 意見ではなく質問です。
 5ページの「図書館サービスの質的向上」という部分で,「宮城県図書館が展開するサービスは,すべからく市町村図書館への支援・連携に反映されるべきであると考えます。」という表現があるのですが,かみ砕いて,どういう意味なのかお伺いしたいのですが。
○ 加藤副館長
 「すべからく市町村図書館への支援・連携に反映されるべきであると考えます。」というのは,基本的に市町村の住民であっても宮城県民でありますので,県民にあまねくサービスが行き渡るためには, 当然,宮城県図書館が行う直接サービスでは限りがありますので,そこは市町村図書館との連携のもとに,やっていくべきであるということが基本にあります。本館で行う直接サービス,間接サービスも含めて全てについて, 市町村図書館との支援・連携とのもとで反映されて,県民があまねく県図書館のサービスを共有できる形にすべきとの思いを込めて,このような表現になりました。分かりにくいということであれば,表現を改めてこういう趣旨が分かるようにしたいと思います。
○ 鵜飼委員
 内容は,分かりました。
○ 早坂委員
 4ページの「宮城県図書館の役割」のところで,上から6行目「宮城県図書館は,図書館のための図書館として,図書館協力の最高の先進館を目指さなければなりません。」とあるのですが, こういう表現には,違和感を覚えます。こうことをやりました,その結果,先進館と認められました,という順序だろうと。細かいことですが,特に,先進館を目指して何かをするということはないのではないでしょうか。 
○ 和賀部長
 先進館とは,全体の先ということではなくて,市町村に提供できるような役に立つ情報をいち早くお示ししたりとか,そういったものを県内どこでもだれでもが使えるよう,先進的に取り組んでいくべきということで先進館と言っています。
○ 早坂委員
 目指す内容は,今おっしゃられたことなのですね。おそらく現在,日本中の都道府県立図書館は,こういったWeb社会の中において,どういった図書館がこれから生き残るのかということで,各館様々な方向で試行錯誤されていると思うのです。 ですから,宮城県はこういう形で,こういう図書館を目指しますということが,少しでも示せれば良いのですが,ひたすら先進館を目指すとはどういうことなのか,なかなか分かりにくい気がします。何が先進館なのかが,皆目分からない状態なのですから。少し気になりました。 
○ 和賀部長
 今回,震災を受けて,市町村支援に出かけた訳ですが,各図書館以外での団体との連携と支援を仲介したりとか,或いはボランティアさんを市町村に派遣したりとか,そういったことで,これまで以上に市町村との連携が密になってきている。 それによって,図書館に期待される部分が良くなってきているというのが,実際であり現実です。
○ 髙橋館長
 少し表現が強すぎる感じがします。もう少し検討させてください。
○ 渡辺委員
 行政の用語に慣れていなくて,先ほど鵜飼委員がお話のとおり,なかなか理解できなかったので,今からお話しすることは,少しダブルかもしれませんがお許しください。 4ページ,5ページの「使命」と「役割」と「基軸となるもの」とあるのですが,「使命」と「役割」を分けて考えて県民に提示した時,分かるかなと思うのですが,まあ,それは二つに分けて「使命」を果たすための「役割」ということであれば分かります。 その上で「基軸となるもの」というのは,「役割」そのものではないか,と私は思います。つまり,「使命を果たす為には,サービスの質的向上をしなければならない,ネットワークも充実させなければならない,それが図書館の役割ですよ。」 という以上のことではないと思うのに,なぜここで第3章があるのか。中学生を対象に新聞を作っている私としては,理解しかねます。たぶん誰も分からないのではないかと思います。
 もう一つ,「図書館サービスの質的向上」というところで,少し屁理屈になりますが,「より質的な意味で充実した図書館サービスであることが求められています。」当たり前ですよね。 図書館サービスが,そのサービスする側が,劣るサービスをやろうとして仕事している人は誰もいないのではないかと思うのです。
 もう一つ,「行うサービス」「展開するサービス」,「行う」と「展開」と,質的に違うものがあるのでしょうか。少し疑問に思ったので。喧嘩を売っているようで恐縮ですけれど,言葉尻を捕らえてすみませんが,そういう疑問を感じます。
 それと,もう一つ言うと,第2番目「展開するサービス」のところで,「すべからく市町村図書館への支援・連携に反映されるべきである」とすると,「連携」というのは,たぶん「ネットワーク」ととても近い言葉であって, 「連携」するのだなという時に,次に「ネットワーク体制の充実」と項目建てて書かれると,更に戸惑ってしまうというところがあります。私はそう思いました。
○ 議長
 今のようなご意見をいただきました。推敲,まとめる際にご検討願います。
○ 加藤副館長
 硬い表現はかなりありますので,ここはもう少し検討いたします。
○ 髙橋館長
 大変貴重なご意見ありがとうございます。どうしても行政が書くと,分かりづらい表現になってしまうようで,今ご指摘のように,あえて書かなくて良いのではないかというご指摘, それから先ほど,基軸の中にあった「すべからく」という文言,そういったことを考え合わせますと,4ページ,5ページのところは,かなり大幅に書き直しをさせていただきたいというふうに思います。 併せて,書きぶりについて,やはり分かりやすい書きぶり,それからどういう視点,誰の視点で書くのかというところ,少し重い感じがするところが,私自身改めて読んでみるとあるものですから,そこら辺も含めて, 我々図書館に勤務する者が,しっかりとこういった計画でやろうという気持ちが伝わるような文章にしていきたいと思います。
○ 議長
 各位みんなその点は同じ考えだろうと思いますので,ひとつよろしくお願いいたします。他にございませんか。無ければ,基本計画の方はこれで終わらせていただきます。
○ 和賀部長
 基本計画(案)に対しまして,先ほどからご意見だけでまだ十分説明しきれないとか,或いは次の行動計画(アクションプラン)を現在作成中なのですが,このことをぜひ取り組んで欲しいという内容も含めて, ご意見をいただきたいと思います。皆様の机上に封筒を用意しておりまして,その中に各様式を入れておりますので,そこに記載をしていただいて,できれば今月中に発送をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○ 議長
 それはそれで,よろしくお願いいたします。
 次に,文化財資料等の移管に係る論点について,事務局から説明願います。
○ 西村課長
 (資料5)
 前回,図書館協議会におきまして,図書館所蔵文化財資料等の移管に係るこれまでの経緯であるとか,平成23年12月以降に関係機関の職員により検討を行ってまいりました図書館や博物館の法的な位置付け, それとともに移管に係る論点整理の結果について,ただ今お手元に配布している,前回これはご覧いただいたわけですが,資料5に基づきましてご説明したところでございます。その論点整理の結果につきましては, 委員の皆様からご意見をいただきたいと考えておりますけれども,その前に,図書館における文化財資料等の保管の現状,これを委員の皆様に直接ご覧いただいた上でご議論いただきたいと思います。 今,お配りした資料は現在図書館が所蔵している文化財資料の11万1500点のものでして,絵画,工芸品,古文書,歴史資料,新聞等々があります。これらをご覧いただきたいと思います。
 それでは,貴重品閉架書庫に移動していただきまして資料や保管状況をご覧いただき,その後この場にお戻りいただいた後,お時間がありましたら,保管状況等に係るご感想であるとか,ご意見をお聞かせいただければと思います。
 なお,論点整理の結果につきまして,次回の図書館協議会におきまして,各論点においてご意見を取りまとめていただきたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。
○ 議長
 保管場所として,この場で議論になっていたところでありまして,どういう資料がどういうふうに保管されているのか,一般の人は入れない場所も含めて,現地でいろいろ説明を受けて, 意見交換するための判断材料にさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
 ※ 現場へ移動・見学
 ※ 会場に戻り着席
○ 議長
 それでは,今見ていただいた貴重品閉架書庫内の保管状況等その他でご感想とかご意見がございましたらお願いします。
 私も昔の話をしますと,平成4年に県の最後の社会福祉課長で,平成5年に初代の生涯学習課長をやっておりました。その時に図書館の建設ということを決めた訳ですが,他の都道府県で比較的新しい県立図書館とか何回か見て回りました。 今日見た貴重書庫とか,宮城県の方がはるかに立派です。広さも十分広くて,他の図書館ではそんなに広くない。そういう意味では,これからまだまだ図書館の職員には仕事がいっぱいあるな, 課題がいっぱいあるな,ご苦労様という印象を持ちました。これから,あのような「伊達文庫」とか「青柳文庫」とか利活用も含めていろいろ考えていかなければならないのかなという感想を持ちました。
 皆さんの方で何かありましたらお願いします。
 無ければ, 先ほど事務局から「論点整理の結果」について報告いただきましたが,次の協議会で皆さんのご意見を承って,何とか貴重な図書の歴史博物館への移管問題について,ある程度まとまった考えを皆さんの方から発表して, できればご意見の取りまとめができるようにと考えておりますので,よろしくお願いいたします。
 事務局から,その他で何かございますか。
○ 事務局
 特にありません。
○ 議長
 それでは,以上をもちまして一切の議事を終了いたします。円滑な議事進行にご協力いただきありがとうございました。

12 閉会

関副参事が閉会を宣言し,終了した。なお,終了後,特別展「復興の道標―東日本大震災文庫展III―」を案内した。

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