平成23年度 第3回 宮城県図書館協議会 会議録

 

1 日時及び場所

平成24年2月23日(木曜日) 午後1時30分から午後3時30分まで
宮城県図書館 2階ホール養賢堂

2 出席者

鵜飼 信好 委員(副会長)
小川 きょう子 委員
奥山 恒義 委員
齋藤 俊子 委員
千葉 和江 委員
横田 隆雄 委員
渡辺 雅昭 委員

3 事務局出席者の職氏名


(図書館関係)
館長 佐藤 明男 (以下,佐藤館長)
副館長 瀧澤 朝夫
企画管理部長 和賀 修治 (以下,和賀部長)
資料奉仕部長 久光 洋一 (以下,久光部長)
企画管理部次長(総括担当兼総務班長) 関 照一 (以下,関次長)
資料奉仕部次長(総括担当) 大和田 順子 
企画協力班次長(班長) 高橋 修 
調査班主幹(班長) 内馬場 みち子 
利用サービス班次長(班長) 佐藤 義郎 
総務班主幹(副班長) 渡邉 雅弘 

4 開会

 関次長が開会を宣言し,本日7名全員の出席により定足数を満たし会議が成立した旨の報告

5 傍聴について

   関次長から,傍聴希望者がないことを確認

6 副会長挨拶

 
 それでは会議に先立ちまして,ご挨拶を申し上げたいと思います。本日は,本年度最後の協議会でございますし,また,我々委員の2年という任期の最後の協議会ということでございます。振り返ってみますと,平成22年度の最初の協議会では図書館事業内容に関するご説明をいただきました。 また,その事業に関する図書館自身のいわゆる自己評価,これにつきまして,協議会委員としての評価をさせていただくという作業を行いました。その後,第2回協議会におきまして,例の貴重資料の移管に関するご報告がありましたが, その後,平成23年度に入りましてから,もっぱらと言いましょうか,移管問題に関しまして,その必要性などについての諸般の事情であるとか,それから,移管反対の請願を受けてからの当局の対応等につきましてご報告をいただく,そういうような場になっておりました。 この間,23年3月のまさに大震災がありまして,当館はじめ,県下の図書館も大きな被害を受けるという状況であります。この第30次協議会を取り巻く情勢というのは,まさに異例の経過をたどったと,そんな具合に総括できるかと思っております。
 協議会を取り巻く情勢と申しましたけれども,国のレベルで申しますと,いわゆる地域主権の拡大を図るために,図書館法の一部改正がございました。協議会委員の任命に関しましては,自治体の条例に委ねる改正があったわけです。 これに関しては後ほど詳しくご報告される予定でございます。申し上げるまでもなく,本来この協議会ですが,図書館の運営に関して意見を述べる場所,機関ということでございます。 この図書館の運営というものは,基本的に「図書館振興基本計画」,これに基づいて運営をされているわけで,その計画内容というのは,当協議会としては本来的な大きな関心事でございます。 この図書館振興基本計画につきましては,我々任期当初の協議会においてご説明いただいておりますとおり,計画の期間が2008年から2012年,つまり平成24年度までの計画でございます。 そういうことで来年度中に見直しを行って,次期計画を立てなければならないということで,現在,当局による検討が始まったところであると伺っております。 この成案ができた暁には,次期31期の協議会のほうに諮問されるというような予定と伺っております。本日は,基本計画の策定方針であるとか,今後の検討の対象となる骨子,いわゆるたたき台につきましてご説明をいただくことになっております。 今後の検討作業の参考としていただくためにも,皆さまからの忌憚のないご意見を承るよう,お願いを申し上げまして,私からの開会のご挨拶とさせていただきます。本日はたいへんご苦労さまでございます。
 

7 館長挨拶

 委員の皆さまには,足元の悪い中ご参集いただき,また,年度末が近づいたたいへんお忙しい中,ご出席をいただきまして誠にありがとうございます。
 振り返ってみますと,本年度は大震災に伴う休館から始まったわけですが,今月になりまして,当館の災害復旧工事がようやく着手されるという段階までこぎつけることができました。
 後ほどご報告申しあげますが,この間に大きく被災した市町村図書館への支援という新たな仕事も増えたわけでございます。 これにつきましても,少しずつではございますが,何とか前に進めることができたものと考えております。
 震災につきましては,今年が復興元年の正念場でございます。職員一同気を引き締めて取り組んで参るつもりでございます。
 このように震災に振り回された1年ではありましたが,明るい話題もありました。一つは片山元総務大臣の発案によります「光をそそぐ交付金」によりまして,震災文庫の創設が可能になったことでございます。
 また,当館は逼迫する県財政のため,当局から経費削減,あるいは民間企業などによるスポンサー制度を強く求められておりました。これは前にもご説明申し上げておりました。 
 しかし,この交付金はそれとは逆の方向を示されましたので,当館のみならず全国の公立図書館にとりましては,文字どおり光をそそぐものであったといえると思います。
 もう一つは,先回の協議会の後に新たに1千万円の予算が当館に配分され,傷みの激しかった「青柳文庫」のマイクロフィルム化を行い, 8百冊の複製本を,(現在も作っているところでございますが)作ることができました。残る分につきましても次年度以降に取り組んで参りたいと考えております。
 次に,震災のため遅れておりました次期図書館振興計画につきましては,素案の段階ではございますが,本日皆さまにやっとお示しすることができたということでございます。 この中身につきましては,後ほどご説明いたしますが,これまでの手法を活かしながら,少しおろそかになっておりました資料の管理に力を注ぐ計画となってございます。
 私からは以上でございますが,よろしくご審議のほど,お願いいたします。
 本日は誠にありがとうございました。

8 配布資料の確認(関次長)

① 平成23年度事業概要・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料1)
② 地震災害復旧工事の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料2)
③ 宮城県図書館協議会設置条例の改正の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料3)
④ 次期図書館振興基本計画の策定方針・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料4)
⑤ 東日本大震災文庫資料目録・・・・・・・・・・(以下,資料5)
⑥ 図書館の復旧・復興支援(南三陸町図書館・名取市図書館)・・・・・(以下,資料6)
⑦ 特別展「絆の証し−東日本大震災文庫展−」リーフレット・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料7)
⑧ 「ことばのうみ」第38号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料8)

 

9 議長選出

   会長職務代理者である鵜飼副会長(以下,議長)を選出。

10 会議録署名委員の指名

   議長が横田委員を指名。

11 議事

○ 議長
 まず,1番目の報告事項として「平成23年度事業実施状況」につきまして,事務局からご説明願います。
○ 和賀部長
 事業概要についてご報告をいたします。資料1をご覧いただきたいと思います。今年度につきましては,先ほどお話がありましたように,3月11日の東日本大震災が起きまして, 休館を余儀なくされたことから,本来の事業が十分に行われなかった,あるいは時期をずらしたということで,この間の十分な事業ができなかったということが,全体として言えるのではないかと思います。
 以下,資料1に基づき説明。
○ 議長
 ただいま,平成23年度事業概要についてご報告をいただきました。ただいまの説明に対して何かご意見,ご質問等ありましたら,お伺いしたいと思います。 今年度は震災のための支援作業等たいへんであったということです。何かございませんでしょうか。
○ 横田委員
 4ページ,子どもの読書活動の推進のための図書セットの貸出ということで,試行期間として,22年度から23年度の2カ年ということですが,市町村ではたいへんうれしい事業なのですが, これを貸し出ししたら,学校からの反響といいますか,どのような喜ばしい結果が出たのか,試行期間ですので,恐らく次の年度に状況によっては継続されると思うのですが, その辺どのような反響があったのかお聞きしたいと思います。 
○ 議長
 貸し出し先からの反響ということでございますが。
○ 久光部長
 図書室の図書の量が十分ではないということで,たいへん助かったと,朝読書とか,調べ学習を行う内容とか,その学校によって要求するものが違いますが, かなり好評でありました。ただ,今のところ郵送費がないので基本的には取りに来ていただくということで今年はやっておりましたので,遠距離になると, 今年あたりは難しかったのかなと。この試行の結果,評判もよいので,来年度も引き続き行うということで考えております。 その時には,少し郵送費が,全額といかないまでも役務費として予算が少しついているような状況ですので,少しずつ拡大していきたいと考えております。
○ 和賀部長
 付け加えますと,「光をそそぐ交付金」で児童書関係を購入しているという話をしましたが, 市町村支援として,学校も含めたセット貸し出しできる冊数を増やすということで,児童書の購入にも力を入れておりますので,ご報告いたします。 
○ 議長
 その他,何かございますか。ないようですので,次の議題に移りたいと思います。  2番目の報告事項として,「地震災害復旧工事の実施予定」につきまして,事務局からご説明願います。
○ 和賀部長
 以下,資料2に基づき説明
 ※次の内容を追加して説明
 工期につきましては,2月3日から3月30日までとなっておりますが,3ヶ月の延長を予定しております。
 請負者につきましては,大和町にあります吉田工務店,施工監理業者につきましては,大蔵建築設計事務所となっております。
 休館日である月曜日にだけ集中的に工事を行えるかというとなかなか難しい状況がありまして, 場合によっては休館措置をとって修復作業に着手しなければならないということで,これについては,次回の打ち合わせ(3月1日)で, おおよその工期(休館等も含む。)の話題がでてくるのではないかと思っております。 
○ 議長
 ただいま,地震災害復旧工事につきまして,ご説明がございました。これにつきまして何か,ご質問等ございましたらお願いします。
 よろしいですか。ないようですので,次に移りたいと思います。
 3番目の報告事項として,「宮城県図書館協議会設置条例の改正の概要」について,事務局からご説明願います。 
○ 和賀部長
 以下,資料3に基づき説明
○ 議長
 図書館協議会の条例による定めに代わるといいましょうか,全面的に実際の任命基準の制定の権限が委譲される形になっているわけでございます。 これにつきまして,何かご質問等ございましたらお願いします。
 解任規定がとれたということがありますが,実質的にはこれまでと同じということですか。
○ 和賀部長
 はい,そうです。追加でお話ししますと新たな基準に基づいた新たな委員の任命ということになりますので,次期委員の任命は4月以降の任命手続きということになりますので, 若干空白期間が生じるということになります。
○ 議長
 施行が4月1日ですから,それ以降の作業になるということです。
 その他,何かございませんか。
 ないようですので,4番目の報告事項として,「次期図書館振興基本計画」につきまして,事務局からご説明願います。
○ 和賀部長 
 現在の宮城県図書館振興基本計画につきましては,先ほどお話があったように,平成20年度から24年度までの5カ年計画で, 24年度が最終年度ということになります。こうしたことから,次期振興計画を立てるということで,本来ならばもっと早く着手すべきだったところですが, 震災の関係もありまして計画の素案を作るのが今の時期になったということでございます。
 以下,資料4に基づき説明
○ 議長
 ただいまのご説明について,皆さまからいろいろな意見があるのではないかと思います。資料の収集関係は従来と変わらないわけですが, 以前公文書館の移管の話があったので,これはどうなったのかなと思いまして,少し関係するようにも思いますので,聞いておきたいと思います。
○ 和賀部長
 公文書館移転につきましては,第1回目の協議会の席でもお話ししまして,十分にわからないということでありました。今回,わかっている状況をご説明いたしますと, 2月20日に工事についての公告をしております。開札日が3月8日と聞いております。図書館のどこを利用するのかということについては,前にもお話ししておりますが, 地域情報発信室と倉庫がメインであります。工事の作業等につきましては,開札後でないと十分な情報が得られませんので,十分ご説明できないところとなっております。
○ 議長
 そうしますと,向こうから蔵書をこちらに運ぶというのはいつ頃なのですか。
○ 和賀部長
 それは工事の開札後,業者が決まりその打ち合わせの中でということで,基本的には3月31日,年度内の工期ということは聞いているのですが, 恐らく復旧工事と同じように期間延長しないと施工できないというふうに考えております。その辺について,具体的にどこまでというのは承知しておりません。
○ 議長
 すいません,ちょっと途切れてしまいました。ただいまのご説明いただきました次期宮城県図書館振興基本計画の策定方針等につきまして, ご意見等ございましたらお願いします。いかがですか。
○ 齋藤委員
 基本計画の内容については,これから具体的に決まっていくのではないかと思うのですが,今わかっている部分だけでもいいので教えていただけたらと思ったのが, 5番の「現有資源を最大活用する図書館」のところで,「先進技術を生かした図書館への試み」という文言があります。 これは次のA3の用紙の中での「ハイブリッドな図書館への試み」というところに対応するのかなと読んだのですが,試みというのは具体的にどういった内容を目指しているのでしょうか, こちらへ来る前に,インターネットで「ハイブリッド図書館」を調べてきたところなのですが,ニューヨークの公共図書館が先進的に行っていると書いてあったのですが, 他の公共図書館では,どういったところでどのような試みが行われていて,宮城県図書館ではどんな内容を目指しているのかなと疑問に思ったので,お聞きしたいなと思いました。
○ 議長
 先進技術を生かした図書館の試みというイメージは,具体的にどのようなことかということです。 
○ 和賀部長
 例えばiPadみたいなものを使って館内でデジタル化された資料を閲覧できるとか,実際に全国で何館かで試行しているところもあるという話を伺っています。 そういったシステム関係,デジタルアーカイブスということで,いろいろ資料をデジタル化したものを公開できるように今後も拡充していくということも検討しております。
○ 齋藤委員
 もう一つお聞きしたいのですが,A3の紙の中に,「県全域の図書館と連携・協力する図書館」②のところに「県内図書館ネットワークの構築」, 三角で「学校・大学図書館等との連携拡大」で「横断検索システム接続館の拡充」とありますが,これにつきましては具体的に,学校というのは,どの辺のところまでを考えているのでしょうか。
○ 議長
 ネットワークの中で学校というのは,どこら辺をイメージしているのかというお話ですが。 
○ 齋藤委員
 学校からすると県図書館とネットワークがつながって,それで活用できるのは本当にありがたいことだなと思うところなのですが,具体的に聞きたいと思います。
○ 和賀部長
 現在,高等学校関係につきましては,専任の司書が配置されておりまして,ほとんどの学校で,書籍等については電子化が進んでいると聞いております。 できれば,そういったデータを横断検索できるような次期図書館システム「NALIS」の更新時期に合わせて検討したいと思っております。 この「NALIS」が次期計画では26年から新しいシステムの更新になりますので,それに合わせて検討したいと考えております。
○ 議長
 26年度からのシステム更新に合わせて考えたいということです。
 その他,何かございませんか。
 ところで,この策定のスケジュールですが,先ほど説明の中で,震災があって半年ほど遅れてしまったというようなお話があったのですが,現計画期間が25年の3月までという話なのですが, 通常,そういう中で,目標として最初からそれをオーバーしてしまう6月というのは,ちょっといかがかなという気はするのだけれども,これはどうにもならないのでしょうか。
○ 和賀部長
 資料4の1枚目の6その他の⑤,「震災復興に向けた生涯学習活動推進のあり方」構想について未定と書いてありますが,この構想が24年の9月くらいには出るのではないかと, そういった生涯活動の推進の中身も踏まえて計画を進めたいということも一つありますし,やはりその着手自体が震災を受けて遅れているという部分もありますし,一般県民からの意見公募も取り入れたいということからして, 半年くらいは遅れてしまうだろうと考えております。
○ 議長
 年次計画というのは,なるべく間をおかないようにやるのが筋なものですから,そこら辺は少し努力目標として,早めに策定できるような形でご努力をいただきたいと思います。
 その他,何かございませんか。
○ 横田委員
 今度,新たな基本計画を策定するということですが,この計画策定に当たって,前の基本計画を見たのですが,理念の中に「22世紀を牽引する叡智の杜づくり」ですか, すばらしい全国発信できるくらいの内容の事業をされているということで,司書の方々あるいは事務職員の皆さまのご苦労もたいへんだったものと思います。この事業内容をみますと, 地図関係や書籍関係,そういうものが公開されていて,レプリカというものですが,初めて目にしたものが多かったということで非常に感銘を受けたところでありまして, これは「22世紀を牽引する」という大きなタイトルとして理念があるわけですが,次期計画ではこれを踏襲してやるのか,さらにはもっと大きな先を考えた事業として,理念を掲げてやっていくものなのかお聞きしたいと思います。
○ 和賀部長
 地図の公開等行っているところですが,これにつきましては,次期素案の中の「郷土資料や震災資料を確実に未来に伝える図書館」の中に②として「貴重資料の計画的な保存管理」, あるいは「地図センター(仮称)構想の検討」ということで,皆さんに閲覧できるような場の設定ができないかも含めて,次期計画では検討していきたいと考えております。
○ 横田委員
 哲学的な話ではないですけれど,目を引くような,計画をするにはいろいろな文言の話にはなるのですが,この計画として,宮城県図書館は全国に誇れるような図書館だと認識しておりますので,先進的な計画となるように期待をしているのです。 「叡智の杜」ですか,事業内容によりますと継続してさらに進めていくということで,予算化もされてだいぶ進めてきたという経過もあるのですが, この「叡智の杜」を理念としてそのまま引き継いでいくのか,あるいはこちらの新しい資料にも次期基本計画の理念で,「震災復興を支え未来を創る開かれた県域中核図書館」というのが揚げられているのですが, 目玉となるような文言の理念といいますか,そういうものを考えているのかどうかお聞きしたいです。
○ 議長
 例えば「叡智の杜づくり」というような,精神的な目標といいましょうか,宮城県図書館の目玉となるような事業構想といいますか,そういうものにつきましては次期どのようにお考えかという質問ですが,いかがでしょうか。
○ 館長
 その理念というものは引き継いで参りたいと思っておりますけれども,その「叡智の杜」というのが,一般の人に聞くと何のことなのですかという,難しくてわからないということが結構あったのです。 わかりやすくて人を惹きつける言葉が何かないのか,ということなのですけれども,実は素案づくりに忙しくて,その先をまだ十分検討しておりません。4月以降にそちらのほうに入ろうかと考えておりました。 今までは,この資料の2ページを見ていただきたいのですが,策定委員会の組織というのは,実は図書館だけで作っておりました。後できあがってから本庁の承認を経てやるというふうになっておりましたが, 今回からは教育庁からも参加していただいて,一緒にやっていくということに変わりました。それから,この中で知事とか教育長のお考えもありましょうから,そういう惹きつけるいい言葉みたいなものを見つけながら, 理念は引き継いでいくことに変わりはないですから,いい言葉を見つけていきたいと考えております。
○ 議長
 よろしいですか。その他,何かございませんでしょうか。
○ 横田委員
 私も今回で委員の任期が終わりということなのですが,ぜひとも図書館の皆様方に事業展開としてお願いしたいことがあります。
 先ほど子ども図書の関係があったのですが,今,県でも生涯学習課が中心となって計画を作って実施をしているということで,市町村でも子どもの読書活動の推進の計画を作って進めております。 非常に情報化が進んだりして忙しい状況の中で,親御さんも仕事が忙しく,特に子どもさんですね,図書に触れる機会が少なくなっている。本当であれば,幼少のころから母親のぬくもりを感じながら, 絵本とか,そういうものを読み聞かせするあたりから,本当は入っていくのがいいのではないかと思っているのですが,小学校に行ってもゲーム機とか,そういうものが子どもたちの遊びの主流で, 本を読む機会がなかなかないようであります。学校で朝の読書活動等行っておられますが,特に子どもさんが社会に出て,やはり社会人としてやっていくためには,私の考えですが, 読書が一番大事だなと思っております。子どものうちから,本に親しむ機会,そういうものを多く作るには読書環境を整えていくことが必要ではないかと思っておりまして, これらを家庭,地域,学校,行政関係の図書館が一体となって行う事業であると思っております。その点,県図書館でも,さきほど申し上げたように子どもの本の増冊をしながら, 読書活動を支えるための展示会もされ,市町村にも本を貸し出ししながら読書支援をされているということで,非常にうれしく思っているところです。
 しかし,もっと県図書館が図書館を指導する図書館として,子どもの読書関係というのを力を入れてもらうような(予算的にもいろいろがんばっていただいておりますが), 文言として力強くいれていただければ,たいへんうれしいなと感じておりますので,よろしくお願いしたいと思います。
○ 議長
 今の話が出ましたので,関連する意見として私からも話をさせてください。
 今日挨拶の中で言いましたが,図書館の自己評価という中で申し上げたのですが,こちらでも子どもを対象にした読み聞かせ会というものをやっていますということで, 図書館法の中ではいわゆる社会教育で得られた成果を発表する場を図書館として提供すべきであるというふうにあるわけですが,当時答えとして出てきたのが, 「ボランティアさんにそういう読み聞かせの場を提供してあげているのです。」というお話がありました。私,それは少しおかしいのではないのかなと,それだけではないよと, 図書館というのは子どもの読書活動の推進に寄与する機関でありますから,それなりの効果のある方法でやらなければいけないのではないか。 そういう意味では,当時読み聞かせのボランティアさんにやっている研修みたいなものがほとんどなかったということがあって,ぜひそれをやるべきですと申し上げたのですが, それはお認めいただいて22年度,23年度とボランティアさんだけではなくて,各市町村の職員も対象としたような講習会を開いていただいたわけです。 その後,実は市町村のご担当の方が来られ,その方から自分のほうでも同じような講習会をやってくれという要望がだいぶあがってきた,というふうに聞いていますし, タイミングの合うものについては,22年度,23年度になって,実際に開いているところもあるのです。仙台市図書館であるとか,あるいは仙台市市民センター, そういったところで同様の講習会を開くというふうになっておりまして,そういう意味では,今,横田委員のおっしゃったいわゆる県図書館としての指導性というのが, はからずですけれども,そんな形でできたというような実績があるわけです。
 ただ,講習の実施中,あるいは実施後にやはりボランティアさんの中には,一つには音読,いわゆる読み聞かせの基礎ですけれども,音読の基礎ができていない方がおられたり, それから自分が読みたい本と,子どもの理解力のギャップに気がつかない,そういうボランティアさんが結構いらっしゃる。結局,一過性の講習だけではなかなかそういう人を指導するわけにはいかないのです。 ですから,やはり,そういう方がやっていると,「せっかく,県の図書館に来たのに何だろう。」ということになるのです。これはどうしても,県下全図書館のトップにあるというイメージがあって, 県民の目線というのはそういう具合になるものですから,これは考えなければいけない。やはりそのようなボランティアさんも継続的に指導していくような,そういう体制をぜひ考えてもらいたい。 というのが私の要望なのですが,実体験からそんなことを痛感しているわけです。
 なかなか読み聞かせというものは,簡単なようで,そうでもなくて,かといって完成された理屈があるわけでもないし,形があるわけでもなし, なかなかたいへんなのだけれども,いずれ,子どもの読書活動推進に役立てたいという想いは一緒ですので,そのあたりは考えてもらいたい。
 児童図書室を設置した当初の県図書館の建設の基本構想の原点に帰って,試行錯誤をしながらで結構ですので,前に向かってそういうことを考えていってもらいたいなというふうに思います。
 私の要望ですので,一つよろしくお願いいたします。
 その他,何かございますか。
○ 奥山委員
 私も同様のことをずっと考えたのですけれども,新しい基本計画の中に,「県内図書館ネットワークの構築」ということで, 「学校・大学図書館等との連携拡大」とありまして,これは望ましいしいことだと思います。
 先ほど高等学校には,全校で司書が配置されているということでしたが,職務は司書でも,身分はいわゆる事務職,司書の訓練・教育を受けている者ではないのです。 突然事務職から司書の仕事を任命された者は,どういうふうにしたらいいのか,たいへん戸惑っているわけなのです。
 そういう中で助けているのは,各学校の司書の仲間です。研究会がありますので,私が会長をしている高校図書館研究会,そういう司書さんが集まって,技術も知識も優れた人がおりますので, その者が自分たちの仲間を育てるという形で引っ張っているわけですけれども,しかし,これも高齢化が進んでおりまして,一番いいのは専門の方にきちんと教えていただくということで, これは2,3年前から県図書館の研修の中に加えていただくということで,たいへんよいことだなというふうに思っております。
 学校には必ず図書館がなければならないと法律では決まっておりますし,それから,12学級以上では司書教諭を置かなくてはいけないとなっておりますけれど,司書教諭がきちんと動いている学校というのは一つもない。 きちんと図書館を管理しているのは司書です。子どもたちの読書指導を行っているのも,これはたいへん困ったことに司書にお願いをしているお寒い状況になっています。
 私かねがね,本の教育力はたいへん大きなものだと思っております。そして読書というのは,その本を読んでいる人間の現状を映す鏡だと思っていて,読んでいる本というのは自分が求めるものなのです。 何か新しい世界を求めている者もいれば,今直面している問題を解決しようとして読んでいる者,そういう者を教育して見つけて,適切な図書を与えるという形で教育していかなければならないのですけれど, 先ほど言ったように訓練もされていない司書を配置してそのままにしておけば,これは学校の図書館はただの貸し本屋になってしまう。
 ですから,県内の高等学校のネットワークである高図研はがんばってやっておりますけれども,どうしてもその全体を育てていく力というまでは私たちは持っていない。 その部分をぜひ,県図書館にお願いをしたいと思いますし,その下にある人材育成のところにある,人事交流,学校図書館司書をしている者も,こちらで勤めさせていただいて, そしてまた現場に戻していただくということで,ますます学校教育の中で図書館司書の果たす役割というのが大きくなりますし,学校図書館の意義というのも大きなものになるだろうと思います。 ぜひ,これはさらに拡大をしていただきたいと思います。高校だけではなく中学校や小学校にも広めていただければなおよろしいのではと思いました。
○ 館長
 私がここに来て感じましたのは,つくづく人材育成の大切さなのです。私どもも悩みを持っています。ここに長く職員が同じところにずっと勤務していると,新しいことを考えないとか, 前やったことの踏襲というふうになってしまったり,これはやはりいくら立派な文言だけの計画を立てたところで,中身が備わっていかないという非常に大きな悩みを持っております。 それで次期計画では,この人材育成のための交流というものをやりたいということでここに掲げているわけでございます。私たちが直接,市町村とか学校とか保育所とかにお邪魔して読み聞かせをやっておりますと, 体がいくつあっても足りません。そうではなくて,やっていただく方々をここで研修していただく講習会をやる,そういうことはもっとできるわけですから,そういうものを通じて,県がコーディネートしてやっていかなければと思っていました。
 人事交流ですね。市町村との交流,それからここですと宮城大学とか,そういうところとの交流もできますので,できるだけ交流して,同じところにずっと長くいることのないようにしたいというふうに考えておりました。 答えになっているかどうかわかりませんが,ご要望の点につきましては,ぜひ,取り入れていきたいと考えておりました。
 こちらが要望されるだけではなく,大和町の横田委員さんにぜひお願いしたいのですが,黒川郡の町村では一つも図書館を持っておりません。町に今,工場誘致でどんどん人も入ってきております。正直に申しまして,それでいいのかなと。 ぜひ,図書館を作っていただきたいです。何回かお話するのですが,考えてはいるのだとは思いますが,なかなか進まない。例えば,富谷町ですと,次に市を目指しているので,その時にやるというのですけれど,5万人もいる町ですから, やはり図書館は大事で必要だというふうに,ぜひ,議会の方々なりにお伝えいただいて住民にとって魅力のある町というのは,やはり図書館が必要なのですよということを何回でも勧めていただきたいのです。
 一つこういう話がありました。旧南郷町ですが,美里町と合併しました。南郷町の人たちは非常に喜んだのは図書館ができたこと。つまり,美里町は前の旧小牛田町の時から,非常に図書館に力を入れていたわけです。 そういうのがそっくりそのまま南郷町にも提供されたということで非常に喜んでいる。そういうことがありますので,黒川郡の町の方々も,ぜひ,工場がたくさん来てうちに住んでくださいという魅力の一つのためにも, 図書館作りをよろしくお願いしたいと思います。
○ 横田委員
 たいへんありがとうございます。私も5,6年前から図書館にして欲しいという話はだいぶしていました。県図書館からも各図書館の条例など,いろいろな資料をいただいたりしながら,図書館にしなさいというご指導をいただいておりました。 郡内の公民館が集まった時には,その話もするのですが,規模が小さい中でどうかということになります。司書もいないところでしたので,蔵書を増やしながら,司書・嘱託を新たに設けたりして,中味を充実して, 規模を大きくして実際の図書館にもっていきたいという思いもありました。
 他の人の意見を聞くと,大和町の近くには立派な県図書館があるのではないかとか,こっちに来たほうが早いとか,そういう話になってしまいます。学校の図書室にも蔵書数を相当予算を使って増やしています。 学校司書さんとかもですね,そういう面では充実はされているのですが。
 しかしながら,まだまだ職員とか関係者が努力しなければならないことだなと,まさに望まれているものだなと思っておりますので,ご意見をいただき,たいへんありがとうございます。
○ 渡辺委員
 質問とか要望ではなく,協議会の皆さんへの問いかけということにもなるのですが,この基本計画の策定委員会が1月25日にできて,案ではなく理念という形でここで出され,だけどこれに基づいて基本計画が作られていくものと理解すべきだと思います。 日程にもありますとおり,協議会への説明ということで,この理念が受け入れられたということで,次期協議会への諮問という形で移行をしていくのだろうと思います。
 今回この協議会の一番の問題として,澤井会長がお辞めになるきっかけとなった貴重資料の移管の問題に関して,白紙に戻したという県教育庁の見解はあるのですが,これをみますと,「貴重資料の計画的な保存管理」ということで新たに加わり, 一番目にその劣化状況の確認ということがあって,白紙になったものが再び計画の中で盛り込まれてくるのではないかというふうに,私は感じております。 それは今次協議会がうんぬんする話ではないのだと思います。次期協議会が話し合うことだと思います。ただこの協議会は,今回の澤井会長がお辞めになった一件でどのような意見を出したのかということが, 県議会の文教警察委員会の中では,反対は一人であった,他は皆賛成である,というような県教育長の答弁となっております。ただ私,欠席もあり,全部把握しているわけではないのですが, この協議会で意見を言い合ったということはなかったのではないかなというふうに理解しております。
 ですから,次期協議会へのどのくらいのメッセージになるのか存じ上げませんが,ここでもしでき得るならば,協議会として,教育長が白紙にしましたよという話を是とするのか,あるいは,いやそうではなくて, 県の図書館がはじめにあった移管の方針でいいのだというお考えの方もいらっしゃると思うのですが,それはある程度オープンにして,明らかにして次回に引き継いでいくのがいいのかなと思います。 なぜそういうことを考えるのかといいますと,歴代の協議会長さんたちが請願に名を連ねていたという事実,それで,ある協議会長さんはまた様々な活動をして,今の協議会は何をしているんだというような, 私などには聞こえるのですが,それに答える意味もあって,それぞれ個人によって委員によっても様々で,それであっても,意見をそれぞれ表明しておけばよいのかなと考えるのですが,いかがでしょうか。
○ 議長
 ただいま,渡辺委員から貴重資料移管問題について,協議会の委員として意見を述べておくべきではないかというご意見があったわけですし,前回の協議会の中では検討委員,検討会を設けて,その中でやっていくのだけれども, 今は論点整理をしていると,そういうような段階であるとのご報告だったわけですが,そういう過程でも協議会としてどのように考えるのかと,意見を述べておくべきではないのか,というご意見があったわけです。 この間,前回齋藤委員から検討会には協議会の意見は反映されるのかというご意見があったわけですが,齋藤委員はいかがですか。
○ 齋藤委員
 協議会の委員としての任期が今回で最後ということで,改めてここまでの記録を私も読んでみたところです。それで,振り返ってみると,その貴重資料の移管問題について説明を受けた時は,それはもう前提として行いますと, ただ報告という形でお話を聞いたなという印象だったものですから,渡辺委員さんがおっしゃったように,反対が一人であとは特段の意見もなかったということではなくて, そこで特にそれについて反対だとか,賛成だとかいったような意見の求められ方はしなかったなと,ということで,私はその時,特段話をしなかったので, では賛成だったのかと言われると,実は頭をひねってしまうところなのです。
 それで11万点の資料を東北歴史博物館に移管というお話でしたけれども,正直申し上げてその11万点の中に,ある程度何万点か紙芝居があって,というお話はいただきましたけれども, その中に具体的にどういった貴重な資料が入っているかとか,正直わからないところがあると思うので,私はもう一回資料の中身であるとか,いろいろな資料が図書館に寄贈された経緯などがあるかと思いますので, 再度はっきりする必要があるのではないかなと思っております。
 それから保存の件で燻蒸であるとか,温度とか湿度とかいろいろな説明をいただきましたけれども,正直申し上げて,専門的な知識も持ち合わせていないので, それが果たして妥当なのかというと,ごめんなさい,わからないのです。ですから,そういった点については,前に有識者に集まっていただいて専門的な見地で検討していただくという話がありましたので, そういったところでしっかり検討した上で,再度考えていく必要があるのではないかなと,私個人は思っているところです。
○ 議長
 確かに,判断するのにも材料がたくさんないとできない話ですから,そういう材料は限られた状況ではあるのだけれども, いずれ,今現在論点整理をされているという状況でありますので,その中に,あるいは加味される点もあるかもしれませんが,横田委員は何か,論点に関してご意見ありますか。
○ 横田委員
 前回,論点整理ということで,私もお話した経緯があります。その後もいろいろな資料とか見せていただいて,この図書館を建設するに当たってのくだりから書物を読んだりしながらきたのですが, 図書館の持っている重要資料を展示保存する部屋を作ったり,そういう話がその時点からされていたのです。その際,専門家の先生方にもいろいろな意見を聞きながらやってきたということで,かなり,重要書類等指定の取り扱いで, さらに文化財の指定をしながら,それを保存管理する方向できたのですが,今回こういう形でいろいろな意見が出て来るということは,これまでの経緯がうまくまとまった形で展開されたのではなく,それぞれ先生方によって意見が出されていたりして, 賛成反対あったのですが,これまで県議会あるいは報道機関それぞれの学識のある方々の意見とか,あまりに多く出てしまったのではないかなと感じております。  そういうことから,原点に戻って考えていただきたいという話をしたのですが,協議会でその都度話をしてもまた,メンバーも代わるし,今も齋藤委員がおっしゃったように, その途中途中のいろんな経過とか,内容をよく把握して協議すればいいのですが,そこまでは至っていないし,また代わってしまうということになります。 次回委員さんが代わられても,また同じような話が継続して出て来るということにもなりますので,この協議会としても,もう少し詳しく,これまでの経緯を話して引き継ぎといいますか, また,後から同じような騒ぎにならないように,会長さんがまとめて次の人たちに話されるよう,ぜひともお願いしたいという気持ちでおります。会長さんには迷惑をかけるのですが,また協議会を開いて論議をするわけでもないし, ここの方々にまた集まってというのも難しいと思いますので,そこら辺のところをお願いしたいなと思っております。
○ 議長
 各委員からのご意見は,議事録という形で引き継ぎされるわけですから,そこら辺のところはよろしいと思います。今現在までのお話しを踏まえて,小川委員はいかがお考えでしょうか。
○ 小川委員
 私も最初図書館からご説明をいただいた時に,移管するというような形での説明だったので,保存の仕方について専門家でもなく,知識もありませんので,東北歴史博物館に移管したほうが, 例えば,温度・湿度の管理状態にしましても,よりよく,後世に残していけるのかなと思いましたので,そういった説明を受けたことで,私としても知識がなかったものですから, 博物館に移管したほうがいいのかなと,説明を受けて思うことしかできませんでした。
 皆さんのおっしゃるとおり,次期協議会の方々も,今まで図書館からいろいろお話されてきたことの経緯を踏まえて詳しく説明をしていただくとか,図書館だけの意見ではなく, 他の方々から出た意見とか賛否両論いろいろなことを詳しくご説明していただいて,次期協議会に持っていっていただければいいのかなと思います。
○ 議長
 次期協議会の方々に,十分な判断材料を提供していただくということです。千葉委員はいかがですか。
○ 千葉委員
 私も一番最初に受けた時には,これは決まったものとして報告を受けたものと思っておりました。うちの石巻図書館にも学芸員が二人おりまして, うちのほうにも貴重な古い資料があって毎年6月ぐらいに文化センターに持っていって曝書をやっているのです。その時学芸員とも話したのですけれども, だったら県の図書館にも学芸員をおいたらいいのではないか,となったのですけれども,それはそれで,やはり図書館の役割もあるので,もし全部貴重な資料を博物館に持って行くと, 好きな時に見せていただくのはなかなか無理なのかなと考えたりもして,私の頭の中ではどちらがいいのかはわからないのですけれども, これから論点整理で検討するということで,そこの中でどういうふうな持っていきかたをしていけばいいのかを考えていただければよいのかなと思っております。
○ 議長
 図書館と博物館の役割に基づいて,そこら辺の整理をしてやっていただきたいということです。奥山委員お願いします。
○ 奥山委員
 やはりこの協議会の機能というものをきちんと果たすべきだったろうと思います。会長が反対だと言って,退席をしてしまう,あれはどうかと思っております。 やはり私たちは何の説明も受けていなかったわけです。自分の意見だけを述べて話もさせないで,そして行ってしまったということは,この協議会が,その後機能を果たさなくなってしまった原因だろうと思っております。 私はそういう意味では,会長の意見はよくわかりますし,そういうことを強く発言するということもわかりますけれども,最後までそれを貫いて,きちっとした論議をこの中でやって欲しかった。 それで専門家の意見が必要であるとか,客観的なデータが必要であるということを俎上に載せて欲しかった。それがないままに,今は全部場外で話をしている状態になっている。 その延長に,私たちだけが意見はどうだったのですかと求められる,それは困るのではないかなと,各委員は困るだろうと思っております。
 ですから,あの時にボタンの掛け違いが起きてしまったのが,ここまで問題が解決されないままに長引いてしまった原因だろうと思っております。 私はあの時は,県民の財産だからきちんと保管されなければならない。それにはどうしたらいいのかというところで考えるべきで,もし博物館ではそれができて, 図書館ができないのであれば,それも仕方がないというふうなことを言ったと記憶しております。ですから,図書館にやはりどうしても置くものであるならば, 図書館にもそれなりに保管し,きちんと所蔵していくだけの施設というものを用意しなければならないだろうというふうにそれも考えております。 ですから,どっちに置くの問題ではなくて,どうすれば我々の時代ですっかり駄目にしないで永続的に受け継いでいくかということを,考えていかなくてはいけないだろうと思っております。以上です。
○ 議長
 渡辺委員は個人的にはどうお考えですか。
○ 渡辺委員
 私はたぶんこの中で一番素人なものですから,本もあまり読みませんし,新聞ぐらいしか読みませんから,あまり自分の考えというのはないのですが,私の思っている県の行政,国でもそうなのですが, 専門家とこれだけ鮮明に対立してしまうということは,有り得ないことだというふうに私は思います。つまり,妥協といえば悪いのですが,Aという考えとBという考えがあって,その中の落とし所を探って進めていくというのが, 私がこれまで考えてきた行政のあり方です。これは,澤井先生にあとでお聞きすると,何の相談もなく一言で決めたことだということで言われた,それは有り得ないということで前の日にあったらしいのですが, 私はそのような行政であって欲しくはないというふうに思っております。
 ですので,さきほど齋藤先生がおっしゃっていたように,資料ごとにそれは11万点のうちここにあるべきものなのか,あるいは博物館で展示すべきものなのか, という吟味をしていただいて,それを公表していただく,さらにはその際に寄贈者の方なり利用者の意見を聞いて,その最大公約的なところを探っていく, という作業が必要なのではないかと思います。さらに技術的なこと,乾燥状態とか,保存状態,燻蒸のあり方などは全くわかりませんので,その辺は専門家の意見を付けていただいて, 見えるように公開していただいて,その決定を共に図り,その決定までに県民の意見を聞く。というようなことがあって初めて,行政,あるいは県の決定というものがなされるべきではないのかなというふうに考えております。
○ 議長
 一つの意志決定過程をきちんと考えてやるべきだということであります。その他,何か言い忘れたことなどありましたらお願いしたいのですが。特にございませんでしょうか。
 私もほとんど皆さんが述べられた意見と同様でありまして,ただ,全く個人的には,この図書館がかなり従来から依って立ってきた古書籍ですね,この類というのは,この図書館にとって相当に特別な価値のあるものなのだろうというふうに思います。 その辺については,先ほど11万点のうちの中身を吟味されるべきだという話がありましたが,その吟味の対象として,特別に斟酌されるものではなかろうかという気がしております。 保存の関係も,100年単位の保存,そういう時間的レベルで考えるか,今日明日のレベルで考えるかということがありますので,ここら辺も,先ほどから出ている専門家の意見を集約される中で, 最大公約数的な結論を導き出して,そこの中で判断していくべきなのかなという感じでは考えておりますし,先ほどのいわゆる図書館と博物館の役割論,そういうふうな所も十分に利用者のことも考えながら検討をしていただきたい, ということになろうかと思います。
 そんなこんなをぜひとも検討会議の中で十分に議論されて,まさに最大公約数になると思うのですが,結論を導きだしていただければなと,そういうことで,次期の協議会にも引き継ぎをしていただかなければなと思う次第です。
 これについては,そんなところでよろしいでしょうか。
 そのようなことで,4つめの報告事項に関して,他に何か申し上げることございましたらお願いしたいと思いますが,特にございませんでしょうか。時間にもなってまいりましたものですから,ではこれで議長の議題の一切を閉めたいと思いますがよろしいですか。
 それでは以上を持ちまして,議事を終了をいたします。円滑な議事進行にご協力をいただきましてありがとうございました。

12 閉会

関次長が閉会を宣言し,一切を終了した。

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