平成22年度 第2回 宮城県図書館協議会 会議録
1 日時及び場所
- 平成23年2月18日(金曜日) 午後1時30分から午後3時30分まで
- 宮城県図書館 2階研修室
2 出席者
- 鵜飼 信好 委員(副会長)
小川 きょう子 委員
奥山 恒義 委員
澤井 清 委員(会長)
千葉 和江 委員
横田 隆雄 委員
渡辺 雅昭 委員
3 事務局出席者の職氏名
- 館長 佐藤明男 (以下,佐藤館長)
副館長 櫻井 守 (以下,櫻井副館長)
企画管理部長 中田 博 (以下,中田部長)
資料奉仕部長 久光 洋一 (以下,久光部長)
企画管理部次長(総括担当兼総務班長) 関 照一 (以下,関次長)
資料奉仕部次長(総括担当) 大和田 順子 (以下,大和田次長)
企画協力班次長(班長) 荻原 宗夫 (以下,荻原班長)
調査班主幹(班長) 内馬場 みち子(以下,内馬場班長)
利用サービス班主幹(班長) 赤間 弘英(以下,赤間班長)
企画協力班主事 中鉢 恵子
4 開会
- 関次長が当初案内していた次第に一部変更があることを説明した後,開会を宣言し,本日8人中7人の出席により定足数を満たしているので会議は成立した旨を報告。
5 会長挨拶
- 近年の公共図書館をめぐる情勢ですが,明るいニュースとしまして,平成22年度国の補正予算で「地域活性化交付金」が新たに創設されました「地域活性化交付金」の一部として,これまで住民生活に光が当てられなかった分野に対する地方の取り組みを支援する趣旨で,「住民生活に光をそそぐ交付金」として一千億円が計上され,この中に「知の地域づくり」が掲げられ,図書館の活用が盛り込まれました。
内閣府の説明によると,図書館司書の確保,図書の充実,図書館施設の改築・増築等による地域の拠点作りに対する支援を具体的な対象事業として挙げています。また,図書館司書の確保に必要な人件費も対象とされています。交付金補助の件については,日本図書館協会を通じて全国都道府県の図書館にFAXで通知されたということです。
また,学校図書館協議会と全国の図書館推進会議の連盟は,都道府県知事や教育長に対して,学校図書館の整備・充実の立案及び実施を行うよう要望を出しています。
なお,この交付金は現総務大臣・片山氏の発案ですが,片山大臣は自治省勤務時代から図書館に大変興味を持たれており,三重県の市立図書館や日本有数の公共図書館といわれている千葉県浦安市立図書館等を見学したり,鳥取県知事時代も図書館を重視し職員と直接話し合ったりするなど,我々図書館関係者にとって大変ありがたい存在です。
単年度予算ではありますが,公共図書館にとって明るいニュースではなかったかと思います。この平成23年度の地方財政計画で,「光をそそぐ交付金」として都道府県に50億円,市町村に250億円の計300億円が見込まれている模様です。
さて,本日の次第ですが,1点目は「平成22年度の事業実施状況」,2点目は「宮城県図書館自己評価」,3点目は「宮城県図書館文化財資料等の移管」,4点目は「宮城県公文書館の移転」,その他として「電子書籍」についてです。3点目の「宮城県図書館文化財資料等の移管」については,重要な問題なので注目していきたいと思います。皆さまの活発なご意見をお願いしたいと思います。
6 館長挨拶
- 大変お忙しい中ご出席いただきまして,誠にありがとうございます。
始めに,昨年当館職員が私生活上のこととはいえ不祥事を起こし,県民の皆さまの不信感を買いましたこと,責任者として心からお詫びを申し上げます。今後は二度とこのようなことがないよう努めてまいりたいと思います。
本日の会議に先立ち,私から4点についてお話させていただきます。
1点目は,蔵書点検に伴う休館日の短縮についてです。この課題は昨年度からの継続案件ですが,昨年度は1日短縮して13日間で実施しました。今年は,開架書架の点検は毎年,閉架書架については職員だけが立ち入る場所なので本の動きが少ないということで5年に1回というルールを立てた結果,7日間で終えることができました。 点検後の検討会ではこの方式でよいという結論に至ったため,来年度からの3年間は7日間で,4年後は13日間で実施することにしたものです。
2点目は文化財資料等の移管についてです。この問題は,宮城県美術館(以下,美術館)と東北歴史博物館(以下,歴博)ができた時からの継続案件でございます。当館では10万点を超える文化財資料等を所蔵しておりますが,昔は美術館も博物館も無かったため,美術品を含む文化財資料等についても全て図書館が郷土資料として受け入れてきた経緯がございます。 これまで当館が所蔵してきたもののうち,一定の価値があるものと認められる美術品は,昭和55年に美術館に移管しております。残された課題は,一般に貸出しをしていない研究等にのみ利用されてきた文化財資料等の問題です。これについては,以前から博物館に引き継げないかということが課題として残されておりました。 今般,県教委が主導して検討を重ねた結果,保存・保管,文化財指定,研究活用,一般公開等々,いずれの観点からも図書館より博物館が行う方が適切であると判断され,歴博に移管する結論に達したものです。これについては昨年中に県教委が決定し,移管に係る予算は現在県議会で審議されております。
3点目は,本年度第1回協議会でも触れましたが,図書館管理業務の大半をあらかじめ指定した民間団体に委託すること,すなわち地方自治法にいう「指定管理者制度の導入」についてでございます。人件費の抑制が狙いですが,この制度については方向性が間もなく定まる見込みなので, 次回5月に開催を予定しております協議会に出させていただきたいと思います。
4点目は,これは最近になって県教委から下ろされた課題ですが,図書館資料の購入に資する一手法として,民間の支援を導入することが出来ないか,つまり「スポンサー制度」を導入することが出来ないかということについてです。この狙いは資料購入予算の削減ですが, この件についても成案が間もなく固まる見込みと聞いていますので,5月の協議会に出させていただきます。
このように,県財政が逼迫している状況で県当局から矢継ぎ早に予算削減案が提案されてきておりますが,これらの意見は今までにないくらい図書館運営に非常に大きな影響を与えるものです。慎重に審議して対応しないと後々大変なことになりかねませんので,次回のご意見も伺いながら,どうするか検討させていただきたいと思います。
私からは以上でございますが,ご審議のほど,よろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。
7 配布資料の確認(関次長)
- (1)平成22年度宮城県図書館協議会会議資料
- 平成22年度事業実施状況について ……(以下,資料1)
- 宮城県図書館の自己評価について ……(以下,資料2)
- 宮城県図書館所蔵の文化財資料等の移管について ……(以下,資料3)
- 電子書籍について ……(以下,資料4)
(3)1.特別展「宮城に眠る玉手箱〜のぞいてみよう児童資料の世界〜」リーフレット
2.特別展「時代(とき)を読む〜雑誌と歩んだ130年〜」リーフレット(前回開催分)
8 議長選出
- 澤井会長(以下,議長)を選出。
9 傍聴について
- 傍聴希望者がないことを確認。
10 会議録署名委員の指名
- 議長が小川委員を指名。
11 議事
- ○ 議長
- 報告事項として1「平成22年度の事業実施状況」について事務局より説明願います。
- ○ 事務局(中田部長)
- 資料1に基づき説明。
- ○ 議長
- ただいまの説明について,ご質問・ご意見等がございましたらお伺いします。
- ○ 奥山委員
- 「特別展等の開催」の説明の中に「算額」の分がなかったようです。確か「江戸時代の算額」について展示してあったのを拝見して,数学科の教員に授業に活用するように話したのですが,展示ではなかったのですか。
- ○ 中田部長
- 算額については一部展示させていただきましたが,規模が小さかったため説明を省略させていただいたところです。P6記載の県民大学の第一回目「工夫するとおもしろい。分析すると何かが見える。‐算数と数学の違いと九九の不思議‐」を開催した際に,当館資料奉仕部長が講座の中で紹介させていただいた資料を,特別展「時代をよむ‐雑誌と歩んだ130年‐」開催時にギャラリーに展示いたしました。
- ○ 議長
- ほかにご質問がないようですので,次に2の「宮城県図書館の自己評価」について事務局よりご説明願います。
- ○ 中田部長
- 資料2に基づき説明。
- ○ 議長
- ただいまの説明についてのご質問・ご意見等がございましたらお伺いします。
(特になし)
それではご意見がないようなので,3「宮城県図書館文化財資料等の移管について」事務局から説明願います。 - ○ 櫻井副館長
- 資料3に基づき説明した後,
移管後においても,これまでの成果を生かして作成した展示用レプリカ及び閲覧用複製本等については,ひき続き本館で有効に活用していく旨補足。 - ○ 議長
- ただいまの説明についてのご質問・ご意見等がございましたらお伺いします。
- ○ 鵜飼副会長
- レプリカと複製本は図書館で保管されるということですが,それ以外の文化財資料等は全て歴博に移管されるということですか。
- ○ 櫻井副館長
- そのとおりです。P12・13,特にP13のマイクロフィルムについては榴ヶ岡(旧館)時代に作成してきたものですが,これもあわせて移管することになりました。平成16年以降集中的に作成してきたレプリカ・複製本はこちらに残し,引き続き有効な活用を図っていく考えです。
- ○ 鵜飼副会長
- レプリカや複製本はどの程度活用したのですか。
- ○ 櫻井副館長
- レプリカについては15タイトル170点ほど,閲覧用複製本については約2,500タイトル約7,000冊ございます。本当はもっと作成したかったのですが,冊子を分解すると劣化がひどく,資料によっては台無しになってしまう資料も多かったため,分解しても元に戻る資料を中心に複製本を作成してきました。
- ○ 鵜飼副会長
- 移管後,歴博ではどういった形で利活用されるのでしょうか。計画はあるのですか。
- ○ 櫻井副館長
- 現段階で歴博から伺っているところでは,まず来年度は整理,しっかりと博物館資料としてのデータ整理を行う予定のようです。そのうえで平成24年度からいろいろな展示を調査研究と並行しながら企画する予定のようです。例えば,特別展示室において仙台市博物館と連携した「伊達至宝展」などといったものを検討中とのことです。また,テーマ展示も1,2,3とございまして,青柳文庫や養賢堂文庫等の各文庫展といったもの、あるいは江戸時代の絵図コレクションの展示等を考えているということです。
- ○ 奥山委員
- 図書館で行う調査研究より博物館での方がさらに成果が出るということでしょうか。
- ○ 櫻井副館長
- そのとおりです。図書館では調査研究よりは資料の目録整理程度に留まってしまいますが,歴博ではより専門的な学芸員の視点で,資料の歴史的価値の評価まで更に踏み込んだ調査研究を行えるということです。
- ○ 奥山委員
- 私も貴重な資料は見せていただきましたが,図書館ではこれをどういう風に活用していくのかとあまりの数の多さに驚いたものです。その時も歴博にあった方がいいのかなあと思いました。ただ,今後歴博に移管された後の,これまでの進めてきた「叡智の杜」事業は今後どうなりますか。
- ○ 櫻井副館長
- 「叡智の杜」事業については,貴重資料専門調査・修理保存事業及び次世代を育成する事業として,これまで展開してきました。次世代育成事業としては貴重資料の修復保存と併せてレプリカ等を作成して学校現場等への貸出し等を行ってきましたほか「こどもの本の展示会」や学校支援も含めておりますので,これら事業は今後とも継続していきたいと考えております。
- ○ 議長
- ほかにご意見はありませんか。なければ私の方からも申し上げます。
この件については,疑問を感じたので,実は昨日,佐藤館長にお会いし,直接移管についての館長の考えを伺いました。協議事項に取り上げてもらえないものかとお願いしましたが,館長は「これは図書館の枠を超えた県教委の決定事項である。私としても現在の所蔵資料の保存状況を考えると図書館にとってもベストな選択である。」と考えているとのことでした。このため協議事項にはならないとのことでした。
図書館のコンセプトとして,「叡智の杜」事業については,毎年発行されている要覧の冒頭には,「平成21年度は宮城県図書館振興基本計画及びその具体的な方向性を示した行動計画(アクションプラン)に基づき,情報拠点としての図書館の機能を強化し,地域文化を保護・育成・活用する『22世紀を牽引する叡智の杜づくり』を進め,県民の皆様のより充実した生涯学習を支援するため, 計画に掲げる各種の事業を展開し利用者のサービス向上に努めました」と記載されています。基本計画・行動計画については,今まで協議会と図書館とで時間をかけて協議したことでもあります。今回の件はそれと大きくかけ離れておりますし,図書館のホームページにも「平成16年度から『22世紀を牽引する叡智の杜づくり』に取り組んでいます。この事業では,宮城県図書館の貴重資料を保存・修復するとともに, そのデジタルデータを活用してレプリカの制作やWebサイトでの画像公開に取り組むものです。」と掲載されています。
それなのに,これまで図書館が約100年かけて集めた膨大で貴重なコレクション,すなわち「図書館の知的財産」である貴重資料を単に資料の保存環境の問題や保存修復に係る予算削減を理由に博物館に移管するのはおかしいのではないか。予算がないのなら,館長の任務として予算を考え出して工夫されるべきではないかと申し上げました。
図書館の機能として,県レベルの図書館ではだいたい資料の保存・修復というものはきちんと考えられています。「痛んだから渡す」ということではちょっと納得できません。図書館の組織図にも調査係として資料の保存・修復担当と書いてあるのに「予算がないからできない」とおっしゃる。予算措置の一例として,金額は不明ですが,以前ここでも貴重な資料を文部科学省から助成金をもらっていたこともあります。 先程お話しした片山大臣の発案で,助成金制度ができたということで図書館にも(通知が)来ているはずです。補修についても館長さんから教育委員会にご尽力いただきたいとお話ししたのですが,「そのような予算はない」とのことで,お話になりませんでした。
参考までに他県の取り組みを申しますと,例えば,徳川家の旧蔵書については,「葵文庫」は静岡県立中央図書館に所蔵され,広く一般に公開するためデジタル化されていますし,「尾張文庫」については,資料は名古屋市蓬左(ほうさ)文庫で,美術品については徳川美術館,とそれぞれ持ち分をわきまえた保管をしています。 「南葵(なんき)文庫」については,東京麻布で公開されておりましたが,東大図書館が関東大震災で全焼したことに伴い,同図書館へ寄贈されました。しかし,一括管理ではなく分割保管された上,目録も紛失し,現物が見当たらないなど,移管後に問題が生じています。
博物館で展示するのは立体的な造形物が中心であり,展示の範囲についても収蔵物全てではなく,学芸員の得意または専門分野に特化した資料を展示する傾向があるため閉鎖性があります。原則全ての資料を公開している図書館とは違い,公開性にも欠けます。やはり,貴重資料の保存・提供ということから考えると図書館で保存するのが理想的であると思います。
以上の考えを昨日館長にお伝えしましたが,「貴重資料は図書館だけの財産ではなく,県民の財産であり,大事なのは資料を長く保存することであり,図書館のものと固執すべきではない。」と聞き入れていただけませんでした。私は館長のそのようなお考えを伺い,会長を務められないと考えました。私は今日ここで辞めさせていただきたいと思います。協議会の皆様には大変お世話になりました。 - ○ 奥山委員
- 会長さんのご意見もごもっともだとは思いますが,私はやはり県民の視点に立って「どこに保管するのが一番ふさわしいか」を考え発言しました。本当に県民から見て「どこに置いて,そしてどういう風な形で文化財と向き合う機会があればいいのか」と考えると,私はそう思ったということです。それで,これまで図書館にそういう財産を保管していたということは,先ほど館長からお話があったように,これまで歴博や美術館がなかった時代に図書館がそれらを全部引き受けなければいけなかったということだろうという風に承知したのですが, だんだん施設や体勢が整ってきたのであれば,専門の施設で保管するのが良いと思います。
以前,岩手県立博物館を見学した際,当時まだ美術館がなかったために有名な美術品が(岩手県立)博物館に展示されていたのを見て,大変違和感を覚えた記憶があります。どうして美術館を建てないのだろうと思ったものです。今は県立美術館ができて移管できたようですが,やはり,「県民の財産」としてどの場所にあって,どういう形で「県民の財産」というものを鑑賞してもらえるかということを考えて,私はこれまで博物館でやるべき仕事を図書館で行なってきたことに対してご苦労様という風に申し上げてですね。 ここに置けば,ここの財産として誇れるものですけれども,ここは忍びがたきを忍んでですね,お渡しせざるを得ないのかなと思います。会長にはこのまま職務を続けていただけないでしょうか。 - ○ 議長(澤井会長)
- いや,ここにあるのは,貴重な本なのですよ。皆さん。博物館ではケースを通して見るとか展示を通して見ることしかできません。その点,図書館の場合は手にとることができますし,そのために図書館はあるわけです。図書館と博物館は違うわけですよ。移管されてしまうとどうなるかわからないわけです。館長が代われば今までやってきたことがご破算という話です。物があっても何も公開されない。 学芸員は自分の興味のあるものだけ出して,後は何があるか一切わからない。あっても先程の「南葵文庫」のように,現物そのものが紛失することも有り得ます。ですから,そのようなお考えにはついていけないのです。
ほかに何かご意見はございますか。ほかにご質問・ご意見がないようですので,4の宮城県公文書館の移転について説明願います。 - ○ 中田部長
- 資料はございません。現在榴ヶ岡にあります公文書館ですが,所蔵スペースに限界があると判断され,昨年協議の結果,当館2階の地域情報発信室に閲覧・事務室を設置,1階倉庫を改装し,移転する予定です。平成23年度中に改装工事を行ない,平成24年度の開館を目指します。当館の業務には支障のないようにしたいと考えております。
- ○ 議長
- 何かご意見はございますか。
ご質問・ご意見がないようですので,報告事項についてはこれで終わりたいと思います。ここで議長を副会長と交代いたします。副会長よろしくお願いいたします。(議長,退席) - ○ 鵜飼副会長(以下,議長)
- それでは議長を交代いたします。
(2)その他1.「電子書籍について」事務局より説明願います。 - ○ 久光部長
- 資料4に基づき説明。
- ○ 議長
- 今朝の朝刊の川柳に「指舐めてページをめくるアイパッド」と掲載されていました。いずれ検討が必要な時期が来るので,ぜひ忌憚のないご意見をいただきたいと思います。
- ○ 渡辺委員
- 今,伊集院静さんに小説を依頼しているのですが,電子書籍のためのレーベルを立ち上げたいとお話がありました。以前,瀬名秀明さんと対談した内容は既に電子書籍として発売されています。私個人としては,公共図書館で電子書籍を読めるようにすべき,ということについては疑問です。ダウンロードの際に著作権料を図書館と利用者のどちらが負担するのでしょうか。公共図書館は無料で資料を公開しているので,電子書籍代も図書館が負担しなければならないでしょう。
電子書籍のコンテンツ自体は紙媒体より安く利用しやすいのですが,それはあくまでパーソナルユーズの話です。図書館が何千・何万人の利用者のために負担することになれば,大変なことになります。 - ○ 千葉委員
- 石巻市では,やっと市内のネットワークシステムが繋がりつつあるところで,電子書籍の対応までは検討が進んでいません。利用者自体もまだまだ先の話だと思っている方が多いようです。資料費は年々減額されているし,「住民生活に光をそそぐ交付金」で500万円ほど予算化されているものの,なかなか難しいものがあります。
- ○ 横田委員
- 大和町でも情報提供は必要だと思いますが,電子書籍についてはまだ検討には至っていません。
- ○ 奥山委員
- 個人ではアイパッド(iPad)は発売日に購入し,現在活用しています。多くの書籍データがあり,自分専用の図書館を持って歩いているようです。そういう意味では「いつでもどこでも」の時代になったなと実感しますが,知識・知恵を自分の中に形作るときに,「本」という紙媒体が果たしてきた役割は大きいと思います。アイパッドに溢れているのは単なる大量生産,大量消費される情報で,「泡」のように儚げなく感じます。
最近,文科省で小中学生の授業に個別に活用させる話も耳にしますが,「知能の発達」という点から考えても記憶として残りにくいと思うので,大人が個人的に使うのならともかく,教育の世界にそのようなものを持ち込むことは,人の未来に良い影響を与えるのかは疑問です。 - ○ 小川委員
- 色麻町では,小中一貫校の1階に町の図書室を組み込むことを検討していますが,まだMY-NETにも加入できていない状況です。
例えば,子どもに読ませる本は子どもと一緒に本を手にとって,中身を見て,触れて選びたいと思うので,私個人としては電子書籍化することはあまり好ましくないと感じます。 - ○ 議長
- 電子書籍は確かに便利ではありますが,不安要素が大きい部分もあると思います。使い方を誤るとデータが一瞬にして消えてしまうこともありますしね。
ほかにご質問・ご意見がないようですので,以上をもって議事を終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。
12 閉会
- 関次長が閉会を宣言し,一切を終了した。