平成21年度 第1回 宮城県図書館協議会 会議録

 

1 日時及び場所

平成21年6月25日(木曜日) 午後1時30分から午後3時30分まで
宮城県図書館 2階研修室

2 出席者

遠藤 幸生 委員
大島 真理 委員
小島 四郎 委員
齋藤 弘子 委員
澤井  清 委員
千葉 啓子 委員
野家 啓一 委員
欠席者 千葉 由香 委員(委任状)
欠席者 平間 啓子 委員(委任状)
欠席者 寺島 英弥 委員(委任状)

3 事務局出席者の職氏名

館長 佐藤 明男
副館長 櫻井 守
企画管理部長 中田 博
資料奉仕部長 高橋 昭夫
企画管理部副参事兼次長 丹野 君信(総括担当兼総務班長)
資料奉仕部次長(総括担当) 大和田 順子
企画協力班次長(班長)荻原 宗夫
調査班主幹(班長)内馬場 みち子
利用サービス班主幹(班長)赤間 弘英
総務班主幹(副班長)高橋 深雪
企画協力班主査  増子 敦子

4 開会・定足数報告

司会者 丹野企画管理部次長(以下,丹野次長)が開会を宣言した後,定足数報告について本日10人中7人の出席により定足数を満たしており会議は成立した旨を報告。

5 委員・職員紹介

中田部長より人事異動により就任された小島委員を紹介し,次に4月に異動のあった本館職員のみ名簿順に紹介した。

6 会長挨拶

○司会者(丹野次長)
開会にあたり、澤井会長よりご挨拶をお願いいたします。
○ 澤井会長
最近の公共図書館の利用者が減少しています。聞くところによると東京あたりでは特に若者の利用率が減少している。そのため従来座席だけの利用を制限していたが近年は解除するなど,図書館に来館してできるだけ利用してもらうために方針を変えているものの,なかなか歯止めがかからず,どこでも対策に苦慮していると聞いています。
一つの理由としては,少子化あるいは関東圏では学校図書館の充実,そしてインターネットの普及も影響しているでしょうが,全国的に図書館の図書購入費の大幅な削減もあげられると思います。日本図書館協会のデータによると,2007年度は都道府県予算が約31億円,10年前のデータは46.5億円程度だったので,約2/3まで落ち込んでいるようです。
本日の第1回会議では,平成20年度の事業実績,利用状況そして平成21年度の予算及び事業計画の報告があるようです。皆様の活発なご意見をお願いしたいと思います。

7 館長挨拶

○丹野次長
次に当館の佐藤館長よりご挨拶申し上げます。
○ 佐藤館長
本日は委員の皆様には,ご多用のところお集まりいただき,誠にありがとうございます。
皆様には,日頃から宮城県図書館の運営につきまして,多くのご支援ご協力をいただき深く感謝しております。
前任の伊達館長の後を受けまして,4月から宮城県図書館長に就任いたしました佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
当協議会につきましては,約60年近くにわたる長い歴史を有し,この間,宮城県図書館におきましては,昭和43年にそれまでの県庁西側から仙台市榴岡へ,そして平成10年には現在地へと新築移転がなされ,この間,当協議会の委員の皆様から多くの貴重なご助言をいただいたことに寄りまして,今日までの充実・発展があったものと認識しております。
県図書館の役割は,言うまでもなく県民の皆様への資料の貸出やレファレンスをはじめとする直接的な利用者サービスと市町村図書館や公民館図書室への支援や連携等の間接的なサービスを広く行き渡るよう努める責務がございます。
このような観点の基におきまして,昨年度までご審議いただき,策定いたしました「宮城県図書館振興基本計画」と,それに基づく「アクションプラン」を着実に実行し,期待される成果をあげていきたいと考えております。
本日は,昨年度の事業実績と今年度の予算及び事業計画につきまして,ご報告を申し上げ,委員の皆様からご意見を伺いながら,より適切に事業を進めて参りたいと考えておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。

8 配付資料の確認(丹野次長)

1 平成21年度第1回宮城県図書館協議会次第
2 平成21年度要覧(資料1)
3 叡智の杜(第6号)
4 宮城県図書館だより「ことばのうみ」(No.30)
5 宮城県図書館協会「協会だより」(No.23)
6 館長講話リーフレット

9 日程説明(丹野次長)

本日の会議は午後3時30分終了予定です。

10 議長選出

澤井会長を選出。

11 傍聴について

傍聴希望者がないことを確認。

12 会議録署名委員の指名

○議長
議長が遠藤委員を指名。

13 議事

○議長
報告事項として「平成20年度の事業実績」について事務局より説明願います。
○事務局(中田企画部長)
資料「平成21年度要覧」に基づき説明。
○議長
只今の説明について,ご質問・ご意見等がございましたらお伺いします。
○齋藤委員
要覧の20頁の「巡回相談事業」(利用するための環境整備)についてですが,地元大崎市の図書館の自習室に以前から大きな熊の剥製が展示してあり,行く度に怖い思いをしています。巡回相談の折に図書館の展示についてのアドバイスなどはしてもらえるものでしょうか。
○事務局(中田企画部長)
巡回相談では,いくつかの共通項目はあるものの,訪問先の各図書館からの相談・要望に対して対応することが多いため,なるべくその場で回答していますが,場合によって回答できないものについては持ち帰って検討し対応するという形で実施しています。ただし,各市町村図書館の方針等があるので,あまり差し出がましいことは控えています。一般の利用者からのご意見として伝達することは可能だと思います。
○小島委員
要望に応じて相談にのっているとのことであるが,県図書館から自主的に出向いているのか。
○事務局(中田企画部長)
当初のいきさつはわからないが,訪問計画は県で企画し,訪問先に相談・要望事項等を用意してもらうスタイルをとっております。
○大島委員
要覧の14頁の生涯学習員が3月末で終了したが,どのような理由からでしょうか。
○事務局(中田企画部長)
予算(人件費)削減によりやむを得ず終了となりました。
○大島委員
開館中はどのような相談を受けていたのでしょうか。
○事務局(大和田資料奉仕部次長)
例えば,「スペイン語の勉強をしたいがどこでどのように学べるか」という質問に対しては,施設や講師等についてその都度相談員が対応し,場合によっては紹介もしていました。
○大島委員
4月からはレファレンスとして受けられるのですか。
○事務局(内馬場調査班長)
要覧の37頁に「生涯学習相談」の件数のデータがあります。学習方法や講座の情報等に関する相談を受けていました。生涯学習室での相談業務の終了に伴い,現在はレファレンスサービスとして対応している状況です。
○遠藤委員
要覧の19及び46頁にある公共図書館等の研修会の受講対象者ですが,せっかくいい研修会を企画されているので,可能であれば学校図書館の職員も受講できないものでしょうか。
○事務局(中田企画部長)
学校図書館との連携も図りたいと考えているので,将来的には視野に入れて検討したいと考えています。
○千葉委員
小中学校の学校図書担当職員も1人で何校かを兼務していたり,非常勤の方も多い。どこでどのような勉強をすればいいかと悩んでいる職員も多く,相談も受けるので,ぜひ検討していただきたい。
○野家委員
要覧18頁に市町村図書館・公民館図書室への協力貸出が前年度比9%増に対して,インターネットやデータベースの利用件数が減少しているのは何故でしょうか。
○事務局(内馬場班長)
携帯電話のモバイル検索や自宅パソコン等の普及により,利用者自身で検索サイト等の利用が増えたことも背景の一つと考えられます。
○小島委員
図書館ホームページのアクセス数はわかりますか。
○櫻井副館長
図書館ホームページは月約4,000件,叡智の杜Webで約1,000件となっております。
○澤井会長
ホームページからアクセスした場合,どのようなデータベースが閲覧できますか。新聞の種類は把握していませんが,河北新報・朝日新聞・日経新聞等では月15,000円程度で使い放題ができるものもあると聞いたことがあるのですが,どの新聞社のデータベースが閲覧できますか。
○事務局(内馬場班長)
ホームページからのアクセスでは,「宮城県内公共図書館総合目録データベース」のほかに「郷土論文目録」,「レファレンス事例集」などを公開しています。また,新聞のデータベースとしては,「河北新報」・「聞蔵(朝日新聞)」・「日経テレコン」について館内設置のパソコンで利用者に提供しています。
○議長
そのほかに質問はありませんか。なければ(2)の平成21年度予算及び事業計画について事務局よりご説明願います。
○事務局(中田部長)
資料(平成21年度要覧)に基づき説明。
○議長
只今の説明についてのご質問・ご意見等がございましたらお伺いします。
○齋藤委員
図書館ボランティアの報酬等は支給されていますか。
○事務局(中田部長)
ボランティアですので,予算化はされておりません。ボランティアの皆さんには日頃より多大なご協力をいただき,とても感謝しております。
○小島委員
要覧27頁にある宮城県公共図書館協議会連合会の内容を教えてください。
○事務局(丹野次長)
県内市町村の図書館協議会同士の情報交換の団体として,年1回会議を招集していますが,本協議会の澤井会長が会長職に就いていただいております。各市町村図書館協議会の代表者に出席していただき,昨年度は仙台市から渡辺礼子副会長が仙台市の会長代理として出席していただきました。
○野家委員
一般図書の中でのベストセラーの収集方針はどのようになっていますか。
○事務局(中田部長)
要覧40頁(1)の2に今年度の資料収集方針が記載されておりますが,6項目を基準に収集していく方針です。
○事務局(橋部長)
今年度に従来の収集方針を見直し,一般利用者からの要望(リクエスト)も取り入れながら,  娯楽物は精選し,差別・暴力・宗教・誹謗中傷のようなものは購入対象から除外し,あくまで教育機関としてふさわしい資料を収集していく方針です。
○澤井会長
地方交付税が国民1人あたり27円(2005年統計)から24.4円以下に減少したこともあり,資料費予算が減少した都道府県は24都道府県あると聞いています。図書館の予算を24.4円の県民数とした場合,配当予算に比べて少なくなっているのではないでしょうか。
○佐藤館長
地方交付税については,現職中に職務関連として携わってもおりましたが,地方交付税の計算基礎は単に単価×県民数なる算定の予算ではなく,まず最初に予算があって県民1人当たりの単価は予算を県民数で割り戻した数値になっています。予算が縮小されれば,当然単価も下がります。
○櫻井副館長
お話の出処は日本図書館協会だと思いますが,おそらく多くの都道府県で地方交付税の水準を下回っているものと思います。地方交付税には色はついておりませんので,それぞれの財政事情により他の用途に充用されることもあります。因みに,本県の平成21年度資料費予算は,昨年度より5%減で済んでおり,影響は小さかった状況です。
○千葉委員
要覧47,48頁に記載されている「親子図書館ツアー」はぜひ県全体に広報していただいて,近隣以外の方にも少しでも多く参加させてほしいと思います。可能であれば,もっと多くの日程を企画するよう工夫してほしいと思います。
○議長
ご意見がないようなので,報告事項については,終了します。その他で何かございますか。
○遠藤委員
県立高校の再編化が進んでいますが,統廃合等により図書館が閉鎖された場合の整理がついていない学校を多く見受けます。古い学校ほど貴重な資料が残っていると思われるので,少しでも後世に残すためにもぜひ図書館で各学校が保管している貴重資料についての調査をしていただきたい。
○事務局(中田部長)
校長会にも協力体制を取れるように働きかけていただき,お互いに相談をしながら進めていけるよう検討したいと考えます。
○齋藤委員
統廃合するとどうしても廃棄される運命にあるものがたくさんあります。私が個人的にお預かりしているもので,「青葉の笛」というカセットテープ等がありますが,現代にそぐわないものは仕方ないけれど,保存が必要なものもたくさんあるはずです。
○事務局(中田部長)
本館の収納スペースが4階の閉架書庫のほか,2,3階の閉架書庫もあわせて130万冊の設定で設計されております。現在約100万冊余を所蔵しておりますので,あと2〜3年で満杯になる計算です。本館の収集方針は,原則としてすべて保存することとしておりますが,所蔵スペースの問題から,近い将来には除籍せざるを得ない資料も出てくるものと考えております。国や他市町村で所蔵しているものは,基本的には除籍する方向になると考えております。「最後の1冊」については,保存する方針で検討しています。
○小島委員
廃棄等の不要本について,県内の学校・公民館等の公共施設で引き取ってもらうように広報することも必要ではないか。ただ捨てるのは「もったいない」ので有効活用するのも一つの得策だと思います。
○千葉委員
最近の新聞に公共図書館の民間委託(指定者管理制度)が仙台市広瀬図書館や岩手県で採用されている記事を読んだが,宮城県ではそのような動向はありますか。
○櫻井副館長
全国3,000館のうち,民間に委託しているのはおよそ200館です。指定管理者制度については,市町村は増加していますが,県立は岩手県のみです。県の図書館は単なる資料貸出等の窓口サービスだけでなく,市町村支援といった特別の使命もあるので,民間委託するにはなかなか困難な部分もありますが,運営手法の選択肢のひとつとして今後の検討課題と考えております。
○議長
事務局からその他何かございますか。
○事務局(丹野次長)
1 次回の協議会開催は10月の中旬を予定しているので,後日日程調整を行う予定です。
2 本日配付の「館長講座」の開催についてのご案内。 「ヤマトの進出とエミシの抵抗からみた みちのくの歴史再発見」と題して, 7〜9月に3回実施予定,第1回は7月25日(土),第2回は8月29日(土),第3回は9月26日(土)。 いずれも午後1時30分から本館2階ホール養賢堂にて開催。ぜひご参加ください。
3 東北放送テレビ「週刊とれたて!みやぎ」で本図書館の様子が放映されますので,時間があれば,ぜひご覧ください。放映日は7月27日(月)19時55分から20時00分までです。
○議長
次回の協議会は10月を目途に開催したいと思いますので,よろしくお願いします。 それでは,本日の意見等を踏まえて,今後の図書館運営に努めていただきたいと思います。 以上をもって議事を終了したします。円滑な議事進行にご協力いただき,ありがとうございました。

14 閉会

丹野次長が閉会を宣言し,会議終了後に現在開催中の特別展について案内する旨を説明し,一切を終了した。

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