平成20年度 第2回 宮城県図書館協議会 会議録

 

1 日時及び場所

平成20年12月18日(木曜日) 午後1時30分から午後3時30分まで
宮城県図書館 2階研修室

2 出席者

大島 真理 委員
齋藤 弘子 委員
佐藤 敏国 委員
澤井  清 委員
千葉 啓子 委員
寺島 英弥 委員
野家 啓一 委員
平間 啓子 委員
欠席者 遠藤 幸生 委員(委任状)
欠席者 千葉 由香 委員(委任状)

3 事務局出席者の職氏名

館長 伊達 宗弘
副館長 櫻井 守
企画管理部長 大森 紀和
資料奉仕部長 橋 昭夫
企画管理部副参事兼次長 丹野 君信(総括担当兼総務班長)
資料奉仕部次長(総括担当) 菅原 泰博
企画協力班主幹(班長)大和田 順子
調査班主任主査(班長)内馬場 みち子
利用サービス班次長(班長)渡邊 明彦
総務班主幹(副班長)高橋 深雪
企画協力班主査(副班長) 野澤 郁晃

4 開会・定足数報告

司会者 丹野企画管理部次長(以下,丹野次長)が開会を宣言した後,定足数報告について本日10人中8人の出席により定足数を満たしており会議は成立した旨を報告。

5 委員・職員紹介

大森企画管理部長(以下,大森部長)より前回欠席された佐藤委員,寺島委員2名について紹介した。

6 配付資料の確認(丹野次長)

1本日の会議資料
2宮城県図書館振興基本計画行動計画(案)
3利用者アンケートの結果(2に付属資料で昨年11月に実施したもの)
4FAX送信票(2の付属資料)
5「ことばのうみ」(第28号 平成20年7月発行)
6「はっぴいさんぽう」(東北大学付属図書館との合同企画展の図録)
7「若宮丸の義太夫と佐平」(NPO法人みなとしほがまで本館所蔵の塩釜市内の児童向けに発行したもの)

7 日程説明(丹野次長)

本日の会議の終了予定時間(15時30分)及び会議終了後希望する委員の方に館内をご案内する旨を説明。

8 会長挨拶(澤井会長)

第1回目の会議から6ヶ月が過ぎようとしています。この半年の間に思いもよらないアメリカから端を発した経済恐慌。それに伴い世界中の景気が悪くなり、我が国に於いてもその煽りを受けて職を失った人々が増え、社会問題になっています。
図書館を取り巻く環境も、近年自治体の財政が赤字となり、図書館の財源も苦しくなり、このことは今後も厳しい状況であると考えております。
さて、公共図書館のコンセプトでありますけれども、従来の無料で本を読める場所から生活の場、情報提供の場と変わってきております。このため、公共図書館におきましては住民の様々な情報要求を掘り起こし、どこまで利用者の要求に応えられるかを考えていかなければならないと思います。
本日の協議事項であります「宮城県図書館振興基本計画に基づく行動計画(案)」は行政評価の一環といたしまして県民のための県図書館のあり方を問う重要な課題であります。活発なご意見をいただければ幸いです。

9 館長挨拶(伊達館長)

お忙しい中お集まりいただきまして有難うございます。周囲の雑木林の葉も落ち、しかし、一方では冬蕨の最盛期であり、また狐の剃刀も青々と太陽の光を浴びております。会長さんの挨拶にもありましたが、ここ数ヶ月の政治を取り巻く環境は大変厳しく、そうした中で図書館を取り巻く環境もさらに厳しくなっております。
しかし、予算が削減されればされる程、図書館職員の資質を向上させながらサービスの低下を防ぎたい。そのために様々な試みを行っているところであります。
こうした中で「22世紀を牽引する叡智の杜づくり」をテーマに事業を進めているところですが、これは次世代を担う若者達に自信と誇りを持って語れる郷土や日本の歴史・文化をしっかり伝えておくことこそが堂々と世界で生きていけるのではないかということで、図書館では事業を進めているところであります。 本日はこの基本計画のアクションプランについて様々なご意見をいただきたいと存じます。時間は限られておりますが、どうぞ忌憚のないご意見を頂戴したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

10 議長選出(司会者:丹野次長)

澤井会長を選出。

11 傍聴について(議長:澤井会長)

傍聴希望者がないことを確認。

12 会議録署名委員の指名(議長:澤井会長)

○議長
平間委員を指名。

13 議事

○議長
議事に入りますが,本日は報告事項,協議事項の順に進めます。はじめに「平成20年度の展示会等」について事務局から説明願います。
○ 大森部長
それでは,平成20年度の展示会等についてご報告させていただきます。以下,別紙資料について説明あり。内容の主な項目は,
1平成20年度 東北大学附属図書館/宮城県図書館合同企画展「はっぴい さんぽう〜和算の世界〜」
2特別展「叡智の杜から−仙台藩校・養賢堂の和算書と洋学書−」
3「みやぎ県民大学開放講座」
4「生涯学習アラカルト講座」
○ 議長
只今の説明について,ご質問・ご意見等がございましたらお伺いします。
○ 野家委員
先ほどご紹介いただきました,宮城県図書館と東北大学付属図書館とで合同企画で行いました「はっぴい さんぽう」は,お陰様でいい企画展が開催できました。一昨年はメディアテークをお借りして「江戸の遊び」を開催し,今回2度目になります。資料の保存等いろんな意味で参考になりました。宮城県図書館の皆様にはご協力をいただき,この場を借りて厚くお礼を申し上げます。
○ 議長
その他ございませんか。
○ 千葉啓子委員
「はっぴい さんぽう」について,子ども向けの部分を拝見いたしましたが,大人が見てもおもしろい内容でした。おやりになった方々の反応はいかがだったのでしょうか。
○ 高橋部長
来場者の方のアンケートを集計した結果では,「非常に役立った」「とてもわかりやすかった」 「江戸時代の生活の様子がよくわかった」という感想のほかに「実物を手にしてみたかった」, 「もっとPRをした方がよい」という前向きなご意見もいただきました。
○ 議長
その他ございませんか。 ご質問がないようですので,続きまして「宮城県図書館振興基本計画に基づく行動計画(案)」について事務局から説明願います。
○ 野澤副班長
それでは,昨年作成した基本計画について,個々に具体的なプランについてご説明します。以下,別紙資料について説明あり。内容の主な項目は,
1生涯学習に役立つ図書館。
2情報の拠点としての図書館。
3次世代を育成する図書館。
4行動計画(アクションプラン)の進行管理について。
以上の説明について,何かご質問・ご意見等がございましたらお伺いします。
○ 平間委員
3月まで白石市図書館に勤務しておりまして,昨年度は市町村支援といろいろ支援していただきました。昨年度「本の修理の仕方」について受講した市職員が,今年度は講師になって実践している事例もあるので,この事業はぜひ今後も継続して支援していただきたいです。 また,次世代を育成する「郷土資料」について,例えば,郷土のことを執筆したものを自費出版した人が地元の図書館には寄贈するだけでなく,県図書館にも寄贈してもらうように「お願い」や「寄贈の方法」を市町村図書館や一般の人にもっとPRをした方がよいのではないでしょうか。
○ 野澤副班長
寄贈のお願いはしていますが、寄贈の方法をPRすることにつきましては,課題として検討していきたいと思います。
○ 平間委員
確かに収納する場所の関係もあるとは思いますが,「どこまで資料として収集するか」等の 基準を決めていかないと,せっかく寄贈しても受けられないのでは支障があるので,ある程度の収集方針を決めていく必要があるのではないでしょうか。
○ 大島委員
選書方針や選書の基準についても詳しく教えてほしいです。
○ 野澤副班長
資料収集方針については,現在館内で検討し煮詰めているところでもあります。まず目的として,「全ての宮城県民が目的に合わせた知識や情報を入手して,生活の向上・地域社会の発展に貢献し,広く文化的な営みをを持つための欠かせない施設として存在する。また,本館に収蔵される叡智の集積を全国に発信し,かつ,未来へ伝える責務を担う。」です。  これらの大きな目的に沿って,細かい基準を持ち資料を収集しております。
○ 大島委員
例えば,郷土資料に関して明確にわかるような資料がないでしょうか。
○ 内馬場班長
『要覧』の2頁に「宮城県図書館資料収集方針」が掲載されております。郷土資料(宮城資料)については次の3本柱があります。
1宮城県及び旧仙台藩領関係地域に関する資料。
2宮城県人の著作物(大槻文彦,吉野作造等)。
3宮城県内で発行された著作物や行政資料等。
これらの資料について重点的かつ網羅的に収集することになっています。 郷土資料については,基本的に『館内での閲覧』ということでご利用いただいておりますが,例えば俳句や短歌集等のように,資料によっては保存用の郷土資料に加えて,貸出用の図書を用意して,ご自宅でゆっくり読んでいただけるような方法も行っています。
○ 議長
よろしいでしょうか。たくさんありますので,順序に沿ってご質問願います。始めに生涯学習については何かご質問ございますか。
○ 千葉委員
ボランティアについてですが,暫く前に「ボランティアの卒業式をしましたよ」という記事を拝見しました。多くの人にボランティアの体験をしてほしいということで,一旦卒業式をするんだよということでしたが,せっかく身につけたいろいろな経験や人のつながりを卒業式で終わらせずに卒業後にも生かせる方法(例えばボランティア同士の組織)としてはないのでしょうか。
○ 澤井委員
今,若い人達はほとんど携帯電話でインターネット検索するようですが,現在,岩手や秋田県では図書館の資料検索や予約が携帯電話でも出来るようだが,宮城県では可能ですか。
○ 野澤副班長
その件については,現在どこまで範囲を広げるか等も含めて検討しているところです。実施に向かって安全な状態で始めるために情報を集めているところです。
○ 佐藤委員
行動計画には直接関係ない話で恐縮ですが,県図書館で昨年度から閉館日をやめてからの大きな違いはありましたか。
○ 野澤副班長
特に目立った変化は感じませんが,利用しやすい図書館という意味では,県民(利用者)が感じるサービス拡大とはちょっと違った面があるかもしれません。
○ 伊達館長
確か去年の7月頃に一通の「知事へのメッセージ」を機に11月から第1金曜日の休館日がなくなりました。それまでは休館日に館内の書庫整理やプロジェクトを進めることができたが,人員も予算の補充もなく開館せざるを得なかったため,職員には負担がかかっています。
○ 佐藤委員
お尋ねしたかったのは,第1金曜日を開館したことによって,館と利用者では観点が異なると言うことでしたが,利用者の反応はどうでしたか。
○ 野澤副班長
その点につき,直接利用者から聞きとりを行ったわけではないので,詳しくはわかりません。ただ、基本的には,限られた職員の人数と厳しい予算の中でどれだけの直接サービスが出来るかが課題としては捉えてます。地域的に7〜8割は仙台市(主に泉・青葉区)民が利用しています。確かに開館時間の延長や開館日を増やす直接サービスも大事だと思うが,県の図書館として限られた中で出来ることはそれだけではないように思います。
○ 佐藤委員
直接の改善の意義はなかったということですね。わかりました。
○ 野家委員
館内案内にはいろいろ工夫されていることとは思いますが,生涯学習とりわけ高齢者によくわかる表示はどのようにしていますか。この図書館は横に長い構造をしているので,初めてここに来た時にこの会議室にたどり着くのに苦労した記憶があるのですが,ある程度遠くからでもわかりやすいとありがたい。気づかずに行き過ぎてしまうこともあるので,構造に即した表示のしかたを工夫されてはいかがかなと思いました。
○ 野澤副班長
ご指摘のとおり,実は館内表示も本館の課題のひとつであります。今後資料の並び方の表示も含めて検討してまいります。
○ 澤井会長
岩手県立図書館に行った時に気づいたのですが,確か三省堂さんの発案だと思いますが,約100のキーワードがありまして,キーワードから書架に案内する方式をもう少し詳しくした案内で岩手県立図書館が採用していました。確かにOPACがあれば探しやすいのかもしれませんが,そういう工夫をしている館もあります。 次に情報の拠点としての図書館についてはいかがでしょうか。
○ 齋藤委員
もしかしたら,その他の時にお話しすることかもしれませんが,少し前にショッキングな事件が世の中を騒がせまして,今日の会議で職員の方にお聞きしたいと思って参りました。 資料の閲覧の件ですが,宅配員に為りすまして凶悪な事件が発生したわけですが,県・市町村問わず個人情報の取扱いについてはどのようになっているか,ニュースによると図書館によっては個人情報等の提供凍結をしているところもあると聞いているので,貴館での具体的な方策があればお聞かせください。
○ 高橋部長
それでは、例の元厚生労働省職員に関する件につきましてご説明いたします。去る12月8日または9日の河北新聞或いは11日の毎日新聞の報道に関しての本館の対応等につきましては,中央の官公庁関係の所蔵資料ですが,旧労働省の職員録(S56・57・60)3冊です。この資料の取扱いについては変更いたしました。具体的には今まで閲覧及び複写について許可していたものを現在休止しております。その他旧労働省関係の職員の個人情報に関するレファレンスも提供しないでいる状況です。
また,この3冊に関しては他の図書館への協力貸出も12月3日から停止しております。
 図書館の持つ資料の有効活用という理念を尊重しつつ,また一方では個人情報を保護することから事件の重大性を考慮し,それと11月26日付けで厚生労働省からも同省の職員の関係資料の取扱いについて配慮を要請されていること,また,11月20日から国立国会図書館でも当分の措置として閲覧を停止していることを考慮いたしまして,旧厚労省の関係資料の閲覧・複写等を当分の間停止しております。
 その他,個人情報の記載のある「職員録」等は現在閉架で管理しておりますが,これらを閲覧希望する場合は閲覧券に利用カードの番号及び氏名・住所等を記入し提出していただく,複写希望する場合は複写申請書を提出してもらい,氏名・住所等を確認するなど,通常の利用手続きで対応しております。
 その他宮城県・仙台市職員等の個人情報が記載されている職員録等の資料についても,11月12日から同様の措置をとっております。これは,資料の発行者等である宮城県及び仙台市より個人情報等を特定できる資料の閲覧・貸出等についての配慮を依頼されていること,先ほどお話しした旧厚生労働省の関係で措置をとったことに鑑みて,暫定的な措置として利用を中止しているところです。
なお,これを決定するにあたり,内閣府の方から12月5日付けで「政府関係者への攻撃等に関する危機管理体制」について通知があり,関係者の氏名・住所が記載されているものの取扱いについて配慮するよう要請がございました。これらを含め,暫定的な措置ですが,今後個人情報の取扱いについては関係者とその必要性などを検討していきたいと考えております。
○ 野澤副班長
ほかに情報拠点関係でご質問はありますか。
○ 大島委員
「資料編」の統計の欄に「団体貸出」についての統計がないが,県では実施していないのですか。たとえば,小学校への貸し出しなどは含めたほうが良いと思います。
○ 野澤副班長
「個人貸出」に含んでいて,「団体貸出」として独立して統計はとっていないのが現状です。なお統計項目は全国的に統一していないのが現状ではあります。ただ,そのような統計をとることは可能ですので今後検討していきます。
○ 内馬場班長
補足してご説明いたします。サービスの対象が市町村図書館や公民館図書室であれば,団体に対して資料の貸出を行うということになりますが,本館では「協力貸出」又は「相互貸借」という項目で統計をとっております。
「団体貸出」というのは,「セット貸出」にあたる貸出方法のことです。本館も,例えば100冊をセットにして公民館等に貸出しを行っていた時期がありました。現在は宮城県図書館の資料を利用したい場合は,市町村図書館等を通して1冊毎に検索が可能になりましたので,県民の各々の要望にお応えできる「協力貸出」に貸出方式が変わっています。現在は年間延べ2万冊以上貸し出しております。
○ 大島委員
「協力貸出」等に係る送料はどうなっていますか。年間どのくらいかかっているものですか。
○ 平間委員
以前は県内の各図書館に職員の方が直接車で配送して貸し出していたんですよね。
○ 野澤副班長
そうですね。以前は県内の各図書館に職員が直接配送していましたが,平成18年度から運送会社による宅配方式に変更しています。単価については契約の担当者がおりませんので,実際の金額までは不明ですが,送料は全額県で負担しています。最近は年間約23,000〜24,000冊ほど貸出を行っております。
○ 澤井会長
「調査研究に役立つ機能の充実」の中で,データベース化した情報提供をホームページでされているようですが,例えば,来年から始まる裁判員制度に関するものは掲載されていますか。
○ 内馬場班長
今のご質問の情報提供については,判例体系や論文目録提供等,公開用オンラインデータベースを整備し,わかりやすく紹介できるようにしております。
企業情報につきましては平成10年度の新館開館時から,また地元の河北新報社の河北新報記事データベースについても,オンラインで無料提供しています。
○ 佐藤委員
先ほどお話のあった「県図書館の役割・市町村図書館の役割」に関連するのですが,今検討している内容をもう少し具体的に提示してはどうでしょうか。「図書館情報ネットワークシステムの整備」においても、「障がい者サービスの充実」においても,着目していることをもう少し明確化する必要があるのではないかと思います。例えば「障がい者サービス」の郵送サービスにしても自治体によって異なるサービスを県全体でどこまでカバーできるものか,例えばネットワークに入っていない市町村の利用者がサービスを受けたい場合の対処の方法等,予算も絡んでくるのですぐにはむずかしいとは思いますが、特に「県内の最後の1冊」については明確な表現にしていただきたいと思います。
○ 平間委員
郵送での貸出サービスは県民誰でも無料ということですが,自治体によっては有料のところもあるはずですよね。それから,私も3月に図書館を転勤したので心残りに思っていることがあるのですが,佐藤さんも言われたのですが,確か館長研修会で「県内最後の1冊」について県図書館の方針について説明された時にもう少し要望すべきだったと思いました。
○ 野澤副班長
その件につきましては,前提として保管スペースの関係も大きいのですが,資料のストックは重要で県がイニシアチブを持つべきだと充分承知しています。これが最後の一冊であれば、基準等もそうですが「誰が判断するのか」「どこで保管するのか」を,例えば県や市町村で分担して保管するにしても様々なやり方があり,相当大きな課題であります。このことにつきましては,今後,調査等を行いながら時間をかけて市町村と協議をして決めていく課題だと考えております。
それでは,「次世代を育成する図書館について」何かご意見はありますか。
○ 千葉委員
学校図書館小学校にセットで貸出をしていることもあるかと思いますが,特に小規模の小学校の図書館については自立していない学校が多くて,今惨憺たる状況です。担当者も教職員ではなく,学校によっては保護者が臨時的に勤めている学校は貸出カードの整理もおぼつかなくて,「セットで届くのは大変ありがたいけど,実際どうしたら良いか持て余してしまう場合もある」と聞きます。せめて「貸し出しの際に目録やダイジェスト版みたいな資料があると子どもたちにも勧めやすいのにね」という意見もあります。小さい学校は図書館のない学校もあるので,「今月は県図書館から本が届くんだよ」と待っている子どもはたくさんいること。「貸出期間がもう少し長ければもっとありがたい」という学校もありますので,ぜひご検討ください。
○ 野澤副班長
はい。この事業についてはとても大切で,これからも継続して続けていく予定です。ただいまご指摘いただいた点につきましては,今後の参考にさせていただきたき,改善できるよう検討していきたいと思います。
○ 澤井会長
図書館の知的財産の活用についてですが,山形県立図書館では,県人コーナーを展示室・ホームページ上に設けていますが,県図書館でもバーチャルな偉人館コーナーをホームページ上に開設できませんか。
○ 野澤副班長
そのようなものはございませんが,当館のホームページでは,「叡智の杜Web」で当館の貴重資料が見られるようになっております。
○ 野家副会長
先日企画展示した「和算」の関係で実物を観たいという要望があったと思うが,せめてレプリカで対応できれば良いが,レプリカも作製には予算が伴うので難しい点もあると思うが,「坤輿万国全図」なんかは要望があれば,貸し出して触ることも可能なんですよね。今後も貴重なものはぜひレプリカにして展示してもらえるとありがたい。
○ 平間委員
貴重資料も本物だと萎縮してしまうが,レプリカだと気軽に観て触ることが出来るので,魅力的ですよね。
○ 野澤副班長
そうですね。県立学校や県内市町村図書館などへ貸し出しするともに,当館の展示室でも公開しております。今後のレプリカ作製につきましては,予算の関係が厳しくなっておりますので,地道に作製する形になるかと思います。
○ 寺島委員
メールマガジンが発行されると聞いたのですが,内容はどうなりますか。
○ 野澤副班長
それは,これから始めるところでありまして,今のところ,図書館の催しものや新刊資料の紹介等の図書館のいろいろな情報を希望した方に向けて発信する予定です。
○ 澤井会長
自宅にいながら図書館のことがわかるのはいいと思います。それは,今後ホームページでわかるのですよね。
○ 野澤副班長
はい,インターネット上になる予定です。
○ 寺島委員
自費出版はどれだけ収集していますか。購入する書籍との割合はどのぐらいですか。
○ 野澤副班長
全部は把握しておりません。すべて全部集めているとは言い切れませんが,ご本人より寄贈されている分はいただいております。購入する書籍との正確な割合は不明です。
○ 寺島委員
中には大変貴重なものもありますよね。八木山にセトさんという方が個人で自費出版の図書館を開設されていらっしゃる。戦争体験等の非常に貴重な自費出版の本を所蔵されているのを以前に取材したことがありますが,県の図書館では,例えばレファレンスの一環として個人の図書館等に照会することはありますか。
○ 野澤副班長
特定のつながりのみを重視していませんが,業務上照会することはあると思います。
○ 平間委員
資料にある「利用者アンケート」を依頼したのは,来館者だけですか。
○ 野澤副班長
はい。本来であれば,県民全体からデータが取れれば良いのですが,今のところ,当館の来館者に限られます。今後は市町村図書館の利用者にも調査依頼できるように検討していきたいです。
○ 平間委員
図書館に勤務している時は毎回広報物が届いていたが,市役所に戻ってからは目にする機会が減った気がするのですが,広報物を配布する所は限定されているのでしょうか。県立の高校には配布されていると聞いたのですが,ホームページが普及しているものの,見る人は限られていると思うので,県の広報のように一般家庭にも必ず配布するように範囲を広げることは出来ないのであれば,記事だけでも「県政だより」等に掲載できないでしょうか。
○ 野澤副班長
発行部数の関係もありますが,確かにPR不足の部分の面もあるかと思いますので,その点についても検討したいと思います。
○ 櫻井副館長
県の広報誌「県政だより」については,仙台市の広報誌はあまり変わらないようだが,近年は特に予算の関係もあってだんだん紙面も減ってきて,毎月各課から集まった情報を取捨精選して掲載されていると思います。本館としては,今後は住民の方々が知りたい情報を市町村の広報紙に載せたいと今考えているところです。そのためにはどちらの担当にお願いすればいいのでしょうか。やはり教育委員会を通した方がよいのでしょうか。
○ 平間委員
それは良い考えだと思います。管轄は教育委員会でしょうが,掲載できる制限等もあると思いますが,記事の掲載依頼についてはそれぞれの市町村に広報担当部署があると思うので直接照会されてはいかがでしょう。
○ 千葉委員
例えば,県美術館では郵送料を負担すると個人でも一年分の企画展等の案内をもらえるようなのですが,図書館でもできないでしょうか。一般県民がみんなメールマガジンやホームページで情報を得られるわけではないので,印刷物じゃないとわからない人もたくさんいると思います。仮に有料だとしても,そういうサービスがあれば希望する人はいるはずだと思うのですが。
○ 櫻井副館長
「ことばのうみ」については,市町村の図書館や公民館の図書室にも配布されているはずですが。
○ 千葉委員
そこ(図書館等)まで行けない人も多いと思うのですが。
○ 野澤副班長
新しいアイデアと思いますので,今後,検討させていただきます。
○ 議長
他にご質問がないようですので,次に「その他」として事務局から何かありましたらお願いします。
○ 野澤副班長
それでは,数多くのご意見ありがとうございました。早速,館内で検討してみて,少しでも皆さんのご意見を反映できるよう,本日見ていただいた行動計画案を生涯学習課とも相談してよりよいものにしていきたいと思います。
なお,会議終了後にも何かご意見・ご提案等がございましたら,平成21年1月7日(水)までにお配りしたFAX送信票又はメールによりご送付いただければ幸いです。
その結果については,3回目の協議会の前に今回の検討結果を送付いたします。それを踏まえて次回再検討していただく予定です。
本日は貴重なご意見ありがとうございました。
○ 議長
ほかにご意見等がないようですので,以上をもって議事を終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。

14 閉会

丹野次長が閉会を宣言し,次回3月開催予定及び会議終了後に現在開催中の特別展について案内する旨を説明し,一切を終了した。

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