平成18年度 第1回 宮城県図書館協議会 会議録

 

1 日時及び場所

平成18年6月6日(火曜日) 午後1時15分から午後3時00分まで
宮城県図書館 2階研修室

2 出席者

出席者 石田 義光 委員、秋月 治 委員、遠藤 幸生 委員、齋藤 弘子 委員、埣浦 功夫 委員、関口 怜子 委員、二瓶 瑠璃子委員、野家 啓一 委員、渡辺 好子 委員
欠席者 永野 為和 委員(委任状)

3 事務局出席者の職氏名

館長 伊達 宗弘、副館長 堀村 廣雄、企画管理部長 飯川 皓、資料奉仕部長 大林 茂、企画管理部次長 長尾 徳治、資料奉仕部次長 菅原 泰博、利用サービス班長 渡邊 明彦、調査班長 安川 潔、企画協力班長 内馬場 みち子、主幹 菊地 喜和子、主査 野澤 郁晃

4 開会

 司会者長尾企画管理部次長が本日の協議会は定足数を満たしたので、有効に成立した旨を告げ開会を宣言した。

5 挨拶

○伊達館長
 第28次の図書館協議会委員の皆様には、来年までの2年間の任期ですが、どうぞよろしくお願いいたします。この建物は、平成10年に紫山にオープンし9年目になります。明治14年に開館しており、山口県図書館等と同じく全国でも歴史のある図書館の一つです。私どもここに働く者は、できるだけ心豊かなものを県民の皆様方に提供したいと考えております。図書館では現在「22世紀を牽引する叡智の杜づくり」をテーマに事業を行っております。ご存知のように私たちを取り巻く環境は、大変殺伐とし閉塞感も漂っております。そうした中で大切なのは、次代を担う人々に自身と誇りを持って語れる文化をしっかりと伝えることではないかと思います。過日は、知事に1時間程の時間をとっていただいて、説明し理解を頂いて参りました。新しいことに沢山チャレンジしているところですので、どうぞ忌憚のないご意見をお寄せいただければ大変ありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

6 会長選出

 全員一致で石田義光委員を会長に永野為和委員を副会長に選出決定。

7 会長挨拶

 2年程前から協議会委員をしております。今回は再任ですが、新人のつもりでつとめて参ります。今回からの新たな委員の方々をお迎えして、今日は、年3回あるうちの今年度第1回目の協議会になります。今日の議題は、すでに頂いておりました資料の議事にありますように、昨年度の事業について報告をいただき、また、平成18年度の事業につきましては、叡智の杜・プロジェクト等を含め盛りだくさんな内容の説明をいただけると思いますが、活発な、忌憚のないご意見を頂きたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

8 議長選出

 石田会長を選出

9 傍聴について

 傍聴希望者1名が、傍聴要領に基づき傍聴を承認された。

10 会議録署名委員の指名

○議長
 遠藤委員を指名します。

11 報告

○ 議長
 報告事項として「平成17年度利用状況及び平成18年度主要事業」について、事務局の方からお願いします。
○ 事務局(飯川企画管理部長)
資料に従い説明
○ 館長
 映像を通して図書館の概要をご紹介します。(パワーポイントの映像により「図書館の歴史」も含め下記事項を説明)
 貴重資料(伊達文庫、小西文庫、青柳文庫、養賢堂文庫、大槻文庫、今泉文庫、出来文庫、魚蟲譜、環海異聞)、国登録文化財の指定、修復保存事業、古典への誘い、名作への誘い、こどもの本の移動展示会、文化財レプリカの移動展示(坤輿万国全図)、プロジェクト22、書評、県民大学、救急救命講習、浮世絵、オランダ版画
○ 議長
 只今の報告について、ご質問・ご意見はありませんか。
○ 齋藤委員
  資料を拝見しますと、沢山の高校で文化財レプリカの移動展示を行っているようですが、生徒にだけ見せているのか、保護者や地域の方にも見せているのかお伺いしたいのと、セキュリティがどのようになっているのか教えていただきたい。
○ 事務局(飯川企画管理部長)
  資料は学校に貸出しており、資料の生かし方は学校にまかせております。セキュリティについては、貸出資料がレプリカであること、また、あまり厳重にすると利用しづらくなると思われることから特別なことはしておりません。
○ 遠藤委員
  前に勤務していた気仙沼西高でも利用させていただきました。お借りした立場でお話ししますと、気仙沼西高の場合は、地域密着型の学校ということもあり、地域の方にも公開してご覧いただきました。図書館自体も地域に開放していました。しかし、地域開放して一つ困ったことがありました。それは、資料のコピーの問題です。学校図書館は公共図書館と違い、著作権法によって資料のコピーが認められているわけではありません。コピーを希望されたのは、古い資料だったのですが、少しお待ちいただき、著者の没後50年を確認して、コピーして差し上げたことがあります。ただし、このようにすぐ確認できるとは限りませんので、学校図書館開放の問題点の一つかと思います。
石田会長、所用のため中座しなければならないので、埣浦委員に議長交替したい旨委員全員に諮り、承認された。
○ 館長
  これまで大きいものは職員が運んでいましたが、今年からは全て県で負担して業者に運んでもらっています。貸出せば壊れることは想定されることなので、丁寧に扱っていただくようお願いはしておりますが、もし、壊れた場合は直さないでそのまま返していただきたいと話しています。
○ 副館長
  レプリカといっても百万円を超えるものもあるので、丁寧に扱っていただきたいとお願いしています。
○ 二瓶委員
  要覧の11ページですが、今年から、市町村に協力相談業務に行くということで期待していますが、どのように進めていくか何かビジョンがありましたら教えてください。
○ 事務局(飯川企画管理部長)
 ここにあるのは今年最低限でも行きたいという事で載せています。年間全ての図書館に3回は行こうということです。その他、公民館図書館も予定していますので、昨年以上にきめ細かな対応となると考えています。
○ 二瓶委員
 テーマはあるのですか。
○ 事務局(飯川企画管理部長)
  テーマは特にありませんが、あえて言うならば「町村公民館に図書館の設置を」という考えがあります。これは設置市町村や本庁の考え方が大きく関係してきますが、県の図書館はそのサポートができたらと考えています。
○ 議長
 他にご質問ありませんか。
○ 野家委員
 宮城県図書館のIT化の現状と、その予算をどのように取られているのかご紹介いただきたい。
○ 事務局(飯川企画管理部長)
 全般的に平成18年度予算は、大幅に削減されております。全国の図書館ネットワークは宮城県図書館もその一員として成り立っているわけですので、最低限現状維持の基盤整備はしなければなりません。そのための予算措置はいたしました。また現行のソフトは必ずしも使いよいわけではありません。全ての市町村図書館とネットワークされているわけではなく、また、インターネットや携帯からの予約申し込みもできない状態です。これらのサービスを提供できるような図書館システムを構築できるよう次期以降のシステムに組み込んでいきたいと思っております。
○ 議長(埣浦委員)
 仙台市では来年1月からシステムを稼動し、インターネットでの予約も可能になります。東北大学には、オンラインの関係でお世話になりますのでお力添えいただきますようよろしくお願いします。
○ 議長
 他にありませんか。
○ 遠藤委員
  「禽譜」が平凡社から出ていますが、原所蔵者である宮城県にはいくらかお金が入るのでしょうか。
○ 館長
  平成5年に写真撮影の許可をしていますが、その時の条件は許可資料をもとに作成した刊行物の提供です。これにより出来上がった本1冊を寄贈してもらいました。最終的にはこの時撮影したネガも全部寄贈してもらっています。
○ 遠藤委員
 次は「魚蟲譜」ですか。
○ 館長
  「魚蟲譜」はまだですが、次は「關算四傳書」です。国立科学博物館のバックアップで平成14年度からマイクロフィルム化を始めております。全三千ページで刊行されると聞いています。中国を始め各国から引合があり、世界を市場にしているようです。国立科学博物館からは当館資料の調査に協力をいただいておりますが、その中で写真撮影を行ったものであり、これに対しての見返り等は考えておりません。
○ 議長
  関連して、仙台市の状況をお話しますと、メディアテークの売店でも図録等本を販売していますが、なかなか売れないようなので中央に持ち込んだりしています。中には年間100冊位売れるものもあるのですが、完売したいので今後流通の中で都心の方に売り込みたいと思っています。
○ 議長
 他にありませんか。
○ 渡辺委員
 紀要「叡智の杜」をはじめて読ませていただいて、委員になれて本当に良かったと感じました。中身が充実して最後まで楽しませてもらいました。「本と書評の考現学」は、私も参加させていただいたのですが、企画した方のご苦労話や、レプリカを借りて先生が授業した時の成果の報告などがあり、面白かったです。それから、「坤輿万国全図」が宮城県図書館で非常に自慢できるものというのは分かっていましたが、理由がよく分からなくて、二階の展示室においてある解説を読んでも難しい漢字が多くて理解できないと思っていたところ、先日ある本に、中国、朝鮮、日本の思想連鎖の柱になっていると書いてあり、すごいものを持っているのだと分かりました。「坤輿万国全図」の価値が一般市民にも分かりやすいように解説してくれる講座があったら良いのではないかと思いました。
○ 事務局(内馬場企画協力班長)
  地域の皆様とどのように連携していくかが大切と感じております。「坤輿万国全図」を使った蔵王高校での授業は図書館職員とのティームティーチングで行いましたが、授業で使える資料を何とか作れないだろうかと考えておりましたところ、岩出山の名取春仲研究会からは「坤輿万国全図」の副読本を作りたいとのご提案をいただきました。来年度からの実施に向けてというところですので、いろいろとご指導いただきながら進めて参りたいと思います。
○ 議長
 他にありませんか。
○ 関口委員
 伊達館長の先程の映像を交えたお話がとても良かったと思います。NHKの「課外授業」等に出ていただいて、宮城県図書館の所蔵しているものや考え方について県民の皆さんに知っていただけたら良いと思いました。また、活字での説明だけでなく、ボランティアの方々にしっかり意識を持って研修していただき、昔の人達の叡智を私たち県民に繋ぐ間を取り持つ役割を担っていただけたら良いのではないでしょうか。それから、図書館振興講演会では、去年と今年と2年続けて本川先生に講師をお願いしていますが、アンコールとか何か理由があるのでしょうか。
○ 事務局(内馬場企画協力班長)
 ボランティアについてですが、昨年は加美町の中新田図書館と小野田図書館のボランティア研修のときに、声を掛けていただいてアニマシオンの研修に職員が説明に参りました。また、加美町では目の不自由な方への朗読サービスを始めたいということで、県図書館の音訳ボランティアの方が加美町に行って交流研修会を行いました。今年度は文化庁の文化ボランティアモデル事業の指定をいただきましたので、ボランティアの方々と力を併せてすすめていきたいと思います。
 本川先生の件は、昨年山元町で行った時、歌も交えた講座で大変好評を受けました。今年は5月が図書館振興月間ということで大和町で行いましたが、300人の参加をいただきました。
○ 副館長
 昨年は山元町、今年は大和町と対象となる方々が別であり、今年度の開催にあたって大和町からの要望も伺い、本川先生にお願いすることになりました。
○ 議長
 他にありませんか
○ 秋月委員
 図書館振興講演会は図書館が出来ていない町村を中心に行っているとのことですが、町村合併後の市町村の状況はどうなっているのでしょうか。
○ 事務局(飯川企画管理部長)
 本年3月31日現在市町村は36ありますが、図書館設置市町村は21で設置率は58・3パーセントとなっています。設置率はあがったのですが、設置数が増加した訳ではなく、合併で分母が小さくなったことからあがったものです。現在、図書館が設置されていない15町村を中心に講演会を開いていこうと思いますが、図書館の設置・促進については、生涯学習課と相談しながら進めて参りたいと考えております。
○ 秋月委員
 例えば、栗原市は広大な10町村の中でいままで築館にしか図書館がなかったのですが、今回の合併で栗原市にはあるということで今までなかった地域の設置が遅れてしまうのではないかと思うのですが。
○ 事務局(飯川企画管理部長)
  栗原市では市内のネットワーク作りに苦慮し、相談にきていましたが、旧町村に図書館を設置するのではなく、巡回車で回って移動図書館で対応していきたいとのことでした。県の図書館でもアドバイスやサポートをして行かなければならないと思っています。
○ 堀村副館長
 栗原市の場合は、10町村に1町の設置で設置率が10パーセントだったのが合併して100パーセントになったのですが、実態は予算も人員も増えていないようなので大変のようです。石巻市では、分館化してネットワークを組み支援していくと伺っています。
○ 議長
 市町村によって、出来ること、出来ないことがあると思いますが、私が関わっている市立図書館でも、協力できることは協力していきたいのでお知らせいただければと思います。
 他になければこれで議事の一切を終了させて頂きます。ありがとうございました。

12 閉会

 長尾企画管理部次長が、次期開催日を9月6日の木曜日午後1時30分からにしたい旨提案し、承認された後、一切を終了した。

宮城県図書館

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