平成17年度 第3回宮城県図書館協議会 会議録

 

1 日時及び場所

平成17年12月1日(木曜日)午後1時30分から午後3時30分まで
宮城県図書館 2階研修室

2 出席者

出席者 石田 義光 委員,小田 忠雄 委員,塩野 雅代 委員,埣浦 功夫 委員,二瓶 瑠璃子 委員
欠席者 秋月 治 委員(委任状),関口 怜子 委員(委任状),紅邑 晶子 委員(委任状),遠藤 幸生 委員,永野 為和 委員,

3 事務局出席者の職氏名

館長 伊達 宗弘,副館長 堀村 廣雄,企画管理部長 飯川 皓,資料奉仕部長 早坂 信子,企画管理部次長 長尾 徳治,資料奉仕部次長 菅原 泰博,主幹 佐々木 元廣,主幹 安川 潔,主任主査 内馬場 みち子,主任主査 菊地 喜和子,主事 嵯峨 進

4 開会

 司会者長尾企画管理部次長が本日の協議会は定数を満たしたので,有効に成立した旨を告げ開会を宣言した。

5 挨拶

○石田会長
 9月の会議で出ておりましたが,「文字活字文化振興法」を受けて,10月28日が「文字・活字文化の日」と制定され,4月23日の「読書の日」に加えて覚えなければならない日が1日増えたと感じております。各地で振興法を受けて,いろいろな催しが行われていますが,先月,「文字活字ふれあいデー」の展示で活版時代の文字造りを見学する機会がありました。また,振興法とは関係はありませんが,「江戸の食文化」の展示会では,目で見てかつ舌で味わう機会がありました。写本,板本,活版,写植と一通り過程を眺めて見ると,やはり資料に触れることが現在施行中の振興法の一番のキーワードではないかと感じました。今日も意義のある県の活動報告がなされると思いますが活発な意見の交換を行って頂きますようお願い致します。
○伊達館長
 12月に入り,お忙しい中お集まりいただきまして厚くお礼申し上げます。22世紀を牽引する「叡智の杜事業」は2年目を迎え順調に進んでおります。文化財の指定は,6月に続いて3月にも国の登録文化財に紙芝居が指定される見込です。全部で5万4,5千点になります。また,図書館で一番力を入れている事業も,次世代の人々に自身と誇りを持って語れる日本の国或いは故郷の文化を知っていただこうということで進めております。文化財のレプリカ等の作成と貸し出しも好調で,坤輿万国全図,禽譜等,県内の各高校から要請が来ております。詳しくは部長から説明し,その後映像でご紹介いたします。
 今日は叡智の杜事業について,文化財の指定状況についてお話させていただきますので,よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

6 議長選出

 石田会長を選出

7 傍聴について

○議長
 本日の会議の傍聴希望者が一人おります。傍聴要領に基づき傍聴を許可してよろしいか議場にお諮りします。反対がございませんので承認されました。

8 会議録署名委員の指名

○議長
 埣浦委員を指名します。

9 議題

○ 議長
 (1)の「叡智の杜事業」について事務局の方から説明をお願いします。
○ 事務局(飯川企画管理部長)
資料に従い説明
○ 議長
 後でまとめて質問の時間をとりますが,ここで聞いておきたい事はありませんか。
○ 埣浦委員
 2ページの図書館振興講演会の講師はどのような方にお願いしたのか教えて頂けませんか。
○ 事務局(内馬場企画協力班長)
 今年度の図書館振興大会は,11月5日(土)に山元町で開催しております。山元町には図書館がないので,県の図書館とネットワークで繋ぐとどのようなサービスが提供出来るのか紹介しながら人形劇やお話フェスティバルのような形で開催しましたが,中心となった講演会の講師の方は,「ゾウの時間ネズミの時間」の著者・本川達雄先生でした。
○ 埣浦委員
 小学校3年の時,担任の先生が,昼休み時間にキュリー夫人伝を読んでくれた事が,ロシアやポーランド等の情報も少なかった頃でもあり,非常に印象に残っています。小学校への本の貸出を行う時,職員が赴いて説明したり,読んであげたりした方が図書館の人材を生かし,子どもにももっと届くのでではないでしょうか。展示を見て自ら感じて欲しいだけではもったいないと思いました。
○ 伊達館長
 確かに本と一緒に職員が行って説明できれば良いのですが,今のところ運ぶだけで精一杯で,なかなか難しい状況です。
○ 堀村副館長
 登米高校では坤輿万国全図のレプリカを使って授業を行っているので,単なる展示だけでなく活用しているところもあります。
○ 伊達館長
 涌谷高校では,古典の授業に「古典への誘い」を活用しており,生徒の感想文には,直に手に取り直に見て非常に興味を持ち感激したというものもありました。
○ 議長
 それでは(2)の文化財の指定状況について事務局の方より説明願います。
○ 事務局(早坂資料奉仕部長)
 資料に従い説明
○ 議長
 ご意見,ご質問はありませんか。
○ 小田委員
 5ページの絵図の修復のところですが,修復が必要なものはまだまだ多くあるのですか。
○ 事務局(早坂資料奉仕部長)
 宮城県図書館に所蔵されている1,500点を下らない地図の大部分が折りたたみの度に劣化が進み,明治期以後の300枚を除いた近世の物は何らかの修復が必要という状況になっています。
○ 小田委員
 その中で文化財指定の可能性のありそうなものは,ピックアップ済みなのですか。
○ 事務局(早坂資料奉仕部長)
 去年,職員全員で1,500枚位の地図を一斉点検し,劣化具合等を調査して全ての地図にチェックシートを作成しました。文化的価値と劣化具合を勘案しながら修復を依頼することにしております。
○ 伊達館長
 文化庁からは国絵図を優先するようにということで修復を行っています。
○ 事務局(早坂資料奉仕部長)
 国絵図の枚数では秋田県公文書館が一番多く,宮城県図書館は国絵図の枚数は61枚で2番目ですが,関連文書が数百点と非常に多く,読み下しがまだ行われていないため特に文書の価値が文化庁から認められて,国絵図と文書が揃っている代表的なケースとして更なる調査が必要ではないかとのご指導を頂いています。
○ 塩野委員
 学生・青少年向けのものは,単に展示・貸出をして終わりということではなく,アンケート等をとっているようですが,例えば子供の本の移動展示会は回数も多く行っていますが,それらの結果の集計や反省はどうなっているのですか。
○ 伊達館長
 こんな貴重なものを貸してもらえるとは思わなかったとか,生徒は非常に興味を持ったとの意見が多いようですが,映像を見ていただくと具体的に分かると思いますのでご覧ください。(映像を見ながら,職員によるプロジェクト22の様子,登米高校での坤輿万国全図のレプリカを使った授業の様子,二女高での古典への誘いの様子,涌谷高校での授業の様子,館長講座,企画展,レプリカの国絵図の展示の様子,明日からの安藤広重の浮世絵のレプリカの展示を説明)
○ 議長
 そのほか質問はありませんか。
○ 二瓶委員
 先程の塩野委員と関連しますが,10ページの子供の本の展示会を見て,こんなにも多くの小学校が借りて展示し,子供達に新しい本の良さを熱心に伝えようとしている熱意を感じました。加美町でも1校ありほっとしました。単なる展示に終わらないためには市町村のバックアップが大切で,子供の本の展示会の時に,町村で読みたい本のリクエストをとって購入し,町村の図書館に備えて貸し出すようにすれば,見た以上は借りて読んでみたいという子供たちの思いに答えることができて良いのではないかと思います。
○ 伊達館長
 県で展示した時も学校や市町村の司書さんがメモ書きしていました。子供の本は普通の書店でも扱っていないので貴重な機会となっていると思います。
○ 二瓶委員
 町村も学校も限られた予算の中で本を購入しなければならないので,このような貴重な機会を参考にし,今後も生かしていきたいと思います。
○ 議長
 仙台市の宮城野図書館で井上ひさしさんや高名な学者さんを招いて,夜何かするような話を聞きましたが,その内容について教えてください。
○ 事務局(内馬場企画協力班長)
 井上ひさしさんの件は東仙台中学校のオ−サ−・ビジットという読書意欲を喚起しましょうという新しい取り組みで行っている大変参考になる事例ですので,私も参加させていただいて,どんなやり方をしているのか勉強して参りたいと思います。
 また,少し話が戻りますが,先ほどの涌谷高校の古典の授業の様子は,10人位の生徒が参加し,古典の授業の先生と学校の司書の方が一緒になって図書館で資料を観ながら授業をしているところでした。
○ 議長
 少し専門的な話になりますが,関算四伝書の新たに見つかったものは,国書総目録には出ていなかったものですか。
○ 事務局(早坂資料奉仕部長)
 そうです。林鶴一先生が調べた時点ですでにないと思われていたのが,今回新たに見つかりました。
○ 議長
国書総目録には宮城県図書館所蔵のものが東北大と出ていたり,九州大のものが東北大所蔵となっていたり,全国的に和纂関係はまだ整理されていないものが多いようですね。他に質問はありませんか。
○ 塩野委員
 15ページの叡智の杜へ,小さな図書館や学校の司書や教員も原稿を寄せて参加しているのは,非常にユニークで良い企画と思いました。
○ 小田委員
 14ページの企画展示会もすばらしいと思いますが,企画展示期間中に来館出来ない方もいるので,是非,ホームページで公開して頂けたら,紹介や将来の記録にもなるので良いのではないでしょうか。
○ 塩野委員
 各学校へのピーアールの仕方はどのようにしているのですか。
○ 事務局(内馬場企画協力班長)
2回目の協議会の時にも広報のあり方についてお話ありましたが,年度初めには県立学校や市町村図書館や公民館に文書で配布したり,ネットワークを使ってお知らせしたりしています。他には研修会や図書館振興講演会等の時に直接お知らせしていますが,ITの時代なので,これまで積み重ねてきた企画等を県民の皆様や全国に発信し,次世代に有効に引き継ぐためにも蓄積出来るようなプロセスを再確認しながら,インターネット等を利用した広報を進めていきたいと思います。
少し話が戻りますが,先ほどの涌谷高校の古典の授業の様子は,10人位の生徒が参加し,古典の授業の先生と学校の司書の方が一緒になって図書館で資料を観ながら授業をしているところでした。
○ 議長
7ページの徒然草と8ページのジュールベルヌに誤字脱字がありますので直してください。
○ 塩野委員
先程の件ですが,「叡智の杜」への参加について,私立の小・中・高等学校への連絡はどうなっているのですか。
○ 事務局(早坂資料奉仕部長)
 私立と公立を含めた高校の図書館司書の研修会に参加した時,是非投稿してほしいと呼びかけましたところ,学校図書館司書も是非参加させてほしいとの強い要望が出ていました。
○ 塩野委員
 私立高校にもピーアール誌を配っているのですか。
○ 事務局(内馬場企画協力班長)
 はい,白百合学園など,私立高校にも配りました。
○ 事務局(早坂資料奉仕部長)
 大学の図書館の方にも呼びかけてお願いしております。『叡智の杜』が県内の司書たちの発表の場となっていくことが出来ればと思っております。
○ 議長
これで議事の一切を終了させて頂きますが,閉会後は隣室の街頭紙芝居と特別展の様子をご覧いただくようお願いします。ありがとうございました。

10 閉会

長尾企画管理部次長が,第27次協議会委員に対しお礼をのべ,一切を終了した。

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