平成15年度 第3回宮城県図書館協議会 会議録

 

1 日時及び場所

平成15年12月4日(木)午後1時30分から午後3時30分まで
宮城県図書館 2階研修室

2 出席者

出席者 秋月治委員、池田規子委員、小野寺健委員、齋藤雅英委員、関口怜子委員、二瓶瑠璃子委員
欠席者 太田四郎委員、小田忠雄委員、永野為和委員、紅邑晶子委員

3 事務局出席者の職氏名

館長 伊達宗弘   副館長 三浦修三   企画管理部長 板橋正春 
資料奉仕部長 早坂信子   副参事兼次長 櫻田重敏   副参事兼次長 高木治夫
次長兼班長 菅原泰博   次長兼班長 小畑幸彦

4 開会

司会者、櫻田庁副参事兼次長が、本日の協議会は定数を満たしたので、有効に成立した旨を告げ、開会を宣言した。

5 挨拶

○齋藤会長
 文部省で3年毎に行っている社会教育調査によると、日本には公立の公共図書館が全部で2千5百館あるといっています。一番新しいこの調査の中間報告では、2千744館で毎年20から30館位増えているようです。それらの図書館が貸出しているのは延べ5億2千万冊で、そのうち1億2千万冊強が児童図書である。児童図書は3年前の調査に比べ3.3%増えている。子供の数は減っているでしょうが、貸出しは増えている。また、文芸家協会・日本書籍協会など、出版関係の団体がこの夏に貸与権の連絡協議会をつくりました。今、図書館協会と貸与権連絡協議会との間で、図書館が無料で本を貸出することについて議論が始まろうとしています。そのための基礎資料として、500の公共図書館でサンプリング調査を行ったところ、「五体不満足」が約70万件、その他40万件の貸出がある。そういう数字を見ますと、著作権所有者の方々の権利も人権として認めなくてはいけないのではという考え方にもなりますが、そうではなく、図書館を通じてそれだけ読まれている本なのだから、売れる本の損失の穴埋めではなく、読書の機会を読書人や子供たちに与えてくれたというような褒賞的な考え方をすべきではないかという議論が始まろうとしています。これは、個々の図書館が避けて通れない社会的な話題になっています。このほか、図書館を巡ってはインターネットでいろいろなニュースが流れていますが、地方分権の中で地方自治法が改正され、それに基づき公共図書館の館長を含めて外部の業者委託ができる可能性があるのではないかということも始まっています。このように図書館を巡って、社会的に話題になったことはあまりなかったと思います。そういう意味では非常にいい傾向と捉えるべきと思います。私どもが諮問を受け、議論してきたことも今日で最後となりますが、館長から「図書館の資料」ということについて様々な視点から議論して欲しいということがありました。その結果がお手元にある形となりました。今日は、その総括或いは総復習ということになるだろうと思います。よろしくお願いします。
○伊達館長
 お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。2年間6回にわたりまして御審議をいただくことになっています。今日は最終回です。県民の共有資源としての蔵書のあり方について、御審議をよろしくお願いします。なお、今、予算要求の時期でいろいろと事務方が折衝していますが、図書購入費また、21世紀を牽引する叡智の杜づくりというような図書館の事業について、大変理解をもらっていますので、いろいろな形で実現するのではないかと思っています。今後とも、予算獲得のために一層頑張っていきたいと思います。

6 議長選出

齋藤会長を選出

7 会議録署名委員の指名

○議長
 秋月委員を指名します。

8 傍聴について

○議長
 本日の協議会の傍聴希望者が3名おり、傍聴要領に基づき傍聴を許可してよろしいか議場に諮ったところ、満場一致で承認された。

9 協議事項

○議長
 それでは、従来いただいていた様々な御意見を踏まえ、まとめて資料に出来上がっています。この資料は、殆どが一通りお目通しいただいて、議論の対象となったものですが、新しい部分として、目次と要旨があります。また、第3章の部分が前回の議事録を基にまとめたものです。また、最後には、おわりにという部分があります。各ページ、各章、各段落毎に御意見をいただいていき、その意見に基づいてもう一度整理していただいて、再度皆様に配布いたします。その中でさらに修正等がありましたら、修正し、事務局に戻していただき、それに基づき最終の形に仕上げ、それを答申という形で館長にお届けします。それによって予算の折衝等をするということになるかと思います。今日は手直し部分の御意見をいただき、今までの総復習ということです。ただ、すでに議論は一通り終えていますので、全部は読まずページ、段落を追いながら、お気づきになった意見を頂くという形で進めていきたいと思います。最初に新しく付け加えて頂いた「おわりに」から始めてもらった方がいいと思います。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 「おわりに」 朗読。
○議長
 全てがここに入っていると思います。名文だと思いますが、何かここについて御意見ありませんか。こういうことで諮問を受け、その結果を含めたまとめになっていると思います。御意見がなければ、私から。いくつか見られますが、文字の「もう1度」は漢数字ではないかと思います。次に「要旨」をお願いします。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 「県民の共有資源としての蔵書の在り方」要旨のうち、前段及び1 朗読。
○議長
 新しいところを読んでもらいましたが、ここまでのところで何か御意見ありますか。1の中段「資料収集方針を公開して」の公開はどういうことですか。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 例えば、年報に掲載したり、他の都道府県図書館の例に従いますとインターネット上で公開したりする方法です。今はまだしていません。
○議長
 そうすると、29ページに相当する部分に資料収集方針がありますが、第7の1に選定委員会を設置するとあり、また、それについての定めがあるはずですし、第3の収集対象の基準も別に定めている訳で、それも含めますか。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 選定基準は、細かい基準となっていますので、収集方針という大枠でお考え下さい。
○議長
 他に何かありませんか。なければ、「フィルム資料のDVD化」というのは12ページにある最後の部分の「県政ニュース」を考えているということでいいですね。他になければ次をお願いします。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 要旨 2 朗読。
○議長
 一番最初に議論した「顔のある図書館」のところです。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 要旨 3 朗読。
○議長
 修正、訂正ありますか。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 前回、第3章について委員の皆様の議論を反映させ、若干追加等がございますので、その部分の御説明をさせていただきます。19ページ網掛けのところが今回新たに追加したものです。委員の皆様に御質問頂いた事項を反映させて追加しました。(追加部分朗読及び表の説明)。次に、21ページを御覧下さい。ここも網掛け部分です。前回、広域サービス計画に関する議論がありましたが、そういった点を反映させました。(追加部分朗読)。
○議長
 何かありますか。よろしいですか。他に何か、要旨を含めて第3章。要旨の最後「協力車巡回時の整備・運営に関する助言」は、各図書館の整備・運営ですね。付けておいたほうがいいと思います。他に何かありますか。他になければ、各論に移ります。新しい部分の議論があって、全体的なイメージが出てきたと思います。今度は各ページを追って進めたいと思います。2ページから始めます。よろしくお願いします。1の前半は、望ましい基準の解説です。2に移ります。2は、次ページの図の上までです。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 網掛け部分は、小田委員と太田委員の御発言により追加したものです。
○議長
 2の見出しですが、「著作家、ジャーナリスト」というのが、ちょっとジャーナリステックかと思われますが、著作権所有者ということですね。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 目次も併せて、著作権所有者と訂正します。
○議長
 この他にありますか。なければ、3に移ります。直接この目的には適わないですが、県図書館のホームページを通じて国立国会図書館の雑誌検索は、自宅からできますか。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 インターネットで国立国会図書館のホームページから検索はできます。県図書館からの検索とすれば、リンクをはって御案内することは可能かと思います。
○議長
 他になければ、次に進みます。「第2節.宮城県図書館の資料収集方針」です。5ページ2に移ります。表1にあたる予算額の推移でこの形で公表したものはありますか。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 この形では、ないです。
○議長
 それでは、6〜7ページに移ります。3、4の網掛け部分追加ですね。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 4につきましては、東北歴史博物館や、美術館等との分担の記述と調整方法の御質問がありましたので、このような形で追加しました。
○議長
 歴史博物館、公文書館、美術館の所蔵資料はMY−NETに入っていますか。
○事務局
 入っていません。歴史博物館に移した古文書については、ようやく整備に係ったところかと思います。歴史博物館はホームページで公開しています。
○議長
 8ページに移ります。県民の要求と資料選定基準。
○池田委員
 文章の中に電子資料というのが何箇所か出てきますが、資料収集方針の種類に電子資料的なものがあげられていませんが、方針を直すということはありませんか。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 掲載のものはかなり前のもので、現在改正の手続きを進めています。
○議長
 電子資料等がでてきていますので、収集方針の改正はいかがですか。
○事務局(伊達館長)
 これを含めて見直しを進めています。
○事務局(三浦副館長)
 今回、答申を頂けば、それも反映した収集方針を策定します。
○議長
 12ページ上部の網掛け「市町村合併の記録等」はどんなものですか。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 小野寺委員の発言をそのまま記載したものですが、合併で町の名前がなくなり、その地域に残った様々な文化を記録に残しておいた方がいいのではないかということです。
○議長
 なければ、13ページ第2章に移ります。(1)の「また」で始まる段落の「冠たる」は、削った方がいいかも知れません。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 15年度新たに県の文化財に指定されたものを追加しています。
○議長
 16ページに移ります。16ページのロに移ります。よろしいですか。3に移ります。18ページに移ります。4です。なければ、19ページ最後まで。第2章を終わります。第3章に移ります。20ページ、21ページは、国のレベルでの県立図書館と市町村図書館とのかかわりを示す望ましい基準についてと、それに基づくコメントです。24ページまで進みます。27ページまで進みます。最後の「旧小野田町」の部分ですが、これは分館ですか。
○池田委員
 「加美町(小野田)」に変更し、7月は削除した方がいいと思います。
○議長
 ここまでですが、内容について特にありますか。内容についてのいろいろな御意見を頂戴するのは、今回が最後かと思われますが。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 12ページの上の部分をもう少し検討頂きたいのですが。
○議長
 上の2行が前の文章に対して、ちょっと異質な感じがあるので、どのような形で入れることが一番いいかということです。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 わかりやすい説明をもう少し入れたりしてもいいと思います。
○小野寺委員
 「個人が持っている資料などが、劣化し散逸していく。それらの貴重な資料を保存するために」などと入れてはいかがですか。
○池田委員
 前の段落でニーズとしてやらなければいけないもの、これは、散逸する或いは無くなってしまうものについての保存措置が必要という前段を位置づけて、その一例として市町村合併時の記録を残すことが必要であるというふうにしてはどうですか。
○議長
 ニーズの有る無しに関わらず、今、必要だということですね。
○池田委員
 将来的なニーズに向けて、今、収集しないと無くなってしまうような記録を県図書館として保存していくべきではないかということです。例えば、小野田町であれば、市町村合併に伴い無くなってしまう町の資料のようなものです。
○事務局(三浦副館長)
 視聴覚資料としてという特定があるのでおかしいのではないですか。
○池田委員
 視聴覚資料といっているのは、例えば小野田町役場という映像がなくなってしまうというような意味で、消えてしまうものを記録しておかなければいけないという観点をどこかに入れて頂ければよろしいのです。
○秋月委員
 町史のような形で紙の資料は古いものが残っていても、映像として残っていないということがあります。
○小野寺委員
 ただ、ここに入るのはおかしいですよね。
○池田委員
 資料及び情報の収集方策ということなので、消えてしまうものを映像的な記録に取るということで。
○事務局(三浦副館長)
 「視聴覚資料として」とつなげないで、市町村合併の映像記録等と加えればいいのではないですか。
○池田委員
 そうですね。
○秋月委員
 「視聴覚資料を含め」でもいいかもしれませんね。
○小野寺委員
 「含め」もいいですね。
○議長
 或いは、「2収集方策」の中ごろに「個人が生涯をかけて収集した貴重なコレクションを図書館に寄贈する場合もある」とありますが。
○秋月委員
 こっちの方が、マッチングがいい。
○議長
 「視聴覚資料も」という言葉をいれて。
○小野寺委員
 その方が、収まりはいいですね。
○議長
 内容に関わる部分について、他にありますか。忌憚のない御意見を頂戴したいのですが。
○小野寺委員
 内容というか、この書体のままと理解した方がいいですか。
○池田委員
 答申に反映していて頂きたいというのではなく、今後どういうお考えなのかを伺いたい。26ページで「学都仙台オンライン目録」が出てきます。大学の図書館とのオンラインということの他に、県の様々な施設でその分野の専門的な蔵書を持っていて県民の利用に供しているような施設もあるかと思いますが、そういった施設の資料をオンライン化していくような計画または検討がありますか。
○議長
 県立大学は入りましたか。
○秋月委員
 まだですが、入るように、今、コーチしようかというスタンスがあります。
○議長
 小田委員あたりが、全体的なことがわかるかもしれませんが、館長いかがですか。
○事務局(伊達館長)
 県の公文書館、美術館含めてということですね。
○池田委員
 大学とのネットワークの他に、図書館以外で純粋な執務用の図書ではなく、蔵書を持っていて利用に供しているような施設をオンラインで検索できる様なということは。
○事務局(伊達館長)
 今のところ考えていませんが、公文書館なら公文書館に目録があるのでできると思いますが、図書館とは整備の仕方が違うと思います。
○池田委員
 整備の仕方が違ってなかなか出来ないというのは、仙台市も同じような問題があるので良くわかりますが。
○事務局(伊達館長)
 美術館などは、外国のものが沢山あるので、書誌データを作ることにも苦心しているのではと思います。皆様に提供できない状態と思います。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 かつて、県図書館、美術館、博物館とネットワークの可能性について話し合いを持ったことがあります。その時のお話では、美術館では県民に提供できる資料が限られており、一部でしかないということ。また、パソコンでデータを管理しているので、ネットワークに掲載する準備が整っていない。県の図書館のように、図書館的な機能を果たすために美術資料を全てそろえることは難しい。県民利用のための美術資料は図書館で収集して欲しいとのことでした。歴史博物館はかなり公開も進んでおりまして、インターネットの検索もできるようになっていますが、根本的な考えは同じで、歴史的資料も図書館が責任をもって収集して欲しいというようなお話でした。
○議長
 7ページにそれがあります。網掛け部分です。
○池田委員
 ただ、収集の分担をしていると。県民の側から見ると、専門的な分野の本を集めている専門施設があって、著作権法の制約があるのはわかりますが、どの施設に何があるかが、本当は知りたいのではと思います。教育委員会の施設だけではなく、NPOセンターのような市民活動についての資料収集をしていればそういうものとか、農業試験場では農業関係の資料を持っているとか、横断検索が出来なくても、御案内だけでもいいと思います。専門的な蔵書構成を持っている施設との、何らかのネットワークというものが必要では。
○関口委員
 特に専門書だから見たいという場合もあります。貸出しはしてもらわなくていいけれど、そこに行って見ることが出来るのがいいです。
○事務局(伊達館長)
 「学都仙台オンライン目録」は、東北大学を中心に、県内の大学や図書館に何があるか検索し、見る事はできます。
○池田委員
 そういうことであれば、専門的研究施設でも事前に申し込みをすれば見られますというように、図書館が入り口になって、何らかの形でそこにたどり着けるような方法があれば、いいような気がするのですが。
○議長
 受け入れる側の、そういう体制が出来ていないですね。
○事務局(伊達館長)
 皆さんにというものではなく、自分たちのために集積しているような感じです。
○秋月委員
 多分書架が並んでいて資料が詰まっている、図書館でいう閉架書庫のような感じではないですか。
○池田委員
 でも、そこにしかない資料がありそうな気がするので、何らかのアクセスの入り口のところに図書館があると、特に専門的なことを調べたい県民の役に立つのではと思います。これに盛り込むのではく、今後の方針として。
○事務局(三浦副館長)
 そういう意味では今後の課題だと思います。まず、どのような機関がホームページ上で公開するようなシステムに移行しているかが分かれば、図書館が窓口になってリンクも張れますが、そこまでいっていないと無理なので、今後の課題として勉強させて頂きたいと思います。
○事務局(伊達館長)
 県民は、仙台市博物館や多賀城にある資料を見たいと思いますが、全ての資料については無理ですよね。
○秋月委員
 それは宮城大学も同じで、大学で持っている蔵書を「学術情報ネット」には登録しているので、アクセスすれば蔵書はわかります。「学都仙台オンライン目録」に入ることは図書館の問題ではなく、情報セキュリティーの問題で、外側からむやみにアクセスできないネットワーク構成になっている。例えば、図書館であればカウンターの中からであれば大学の図書館にアクセスできますが、不特定多数がアクセスできるような環境になっていない。その代わり、一般的に持っている物は「学術情報ネット」に登録していますから、公開されている情報です。ただ、大学のサーバーにアクセスすることは許していないような情況で、他の情報、例えば学生のデータなどが流出しては困りますので、セキュリティーをかけておく。そこの問題もあります。
○池田委員
 内部用のサーバーと別に、外において、定期的に情報をリニューアルしていけばいいのではないですか。
○秋月委員
 「学都仙台オンライン目録」の変わりに、全国版の「学術情報ネット」というところに入っている。それは、誰でも見ることが出来る情報です。ただ、一般の県民には分からない情況です。今後どうするかは、大学図書館の問題ではなく、情報システムの問題。どういうふうにして中のサーバーを外側にミラーリングするかという問題です。登録すれば「学術情報ネット」には、ほぼ自動的に入っていきますが、大学図書館用の個別のサーバーを外に一つおいて、そこにリンクするかは図書館の問題ではなく、ネットワークのセキュリティーの問題です。そういうことで、議論はしましたが、そういうことでした。
○議長
 将来の問題ということであれば、6ページの「類縁機関と定期的な調整会議」これを拡大していけばということでいかがですか。宮城県全体で今のような情報を抱えているところとなると、専門図書館協議会でしょうか。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 東北学院大学が専門図書館東北地区協議会の事務局担当館ですが、参加しているのは商工会議所や東北電力の資料室などです。
○議長
 県の機関ではどうですか。例えば、試験場関係の資料室などはメンバーに入っていますか。なれる状況ですか。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 現在の参加団体や参加資格等、はっきりしたことは分かりません。
○議長
 相手方の未整理の問題もありますね。
○事務局(板橋企画管理部長)
 はっきりは分かりませんが、図書館は図書館で皆さんに閲覧させるという目的がございます。試験研究機関が持っている物は、その機関で利用するために蔵書としてもっています。そのあたりで難しいのではないかと思います。一般の方に貸出して、自分たちが使用したいときにその資料がないという場合も考えられます。ただ、今後の課題になることは間違いないと思います。
○池田委員
 貸出までは確かに無理だと思います。貸出が出来ないわけではありませんが、一般に貸出してしまうと、返却までの管理や、回収が困難です。閲覧だけでも構わなくて、あることがわかって、そこに足を運べば見られますという情報だけでもいいのかなと、そういうことを各施設で持って頂くと。
○事務局(板橋企画管理部長)
 ですが、実際にその施設で用いようとする時に、それが手元にないと。県民が借りるのではなく、そこで利用するのであればある程度許されると思いますが、そのあたりが難しい。
○事務局(早坂資料奉仕部長)
 先程、美術館、博物館と調整会議を持ったことを申し上げましたが、産業技術センターとも3、4年間ほど調整会議を開いた時期がありました。そこで、資料はあるが、通常は企業の方々のために有料の相談サービスに使用したり、研究に使用している。また、資料室は全くの無人である。現実に、特許資料等は通産省の補助員がいて県民の利用に応じているが、それ以外の産業技術センターが所有している研究資料については現実的にはなかなか難しい。県民を代表する立場でいろいろな可能性をお伺いしましたが、産業技術センターは図書館ではないので図書目録を外部に公開することはしていないというお話でした。
○議長
 現状で、将来の課題ですね。
○秋月委員
 そういう場合は、目録整備をお願いすることから始まりますね。
○議長
 他に何かございませんか。小野寺委員。
○小野寺委員
 特にありませんが、知りたいという知的好奇心の問題を、図書館に来れば解決できるという糸口がここなのかなという思いがあります。委員を務めて市町村図書館と県図書館の違いを一般の県民が分かっていない中で、専門的なものを考えてうちだして行くとき、普通の図書館から踏み出すときに今のようなお話が出てくるのではないかと思いますので、難しいことは承知していますが、一歩一歩目録から集めたり、音頭を取って頂ければ、一県民としてうれしいと思います。私は地域にこだわっていまして、各地域が市町村合併問題で組織的、人的な問題で苦しんでいる。その中で、図書館のあるところに、今後どのような動きが出てくるか、非常に興味があります。市町村合併があれば人の移動がかなりありますので、それまで中心部にあるはずの図書館が、合併によって外れになる可能性もある中で、今後の市町村間の図書館をどのように支援していくかという、県図書館としての姿勢をぜひ明確にしていただいて、地域のための県図書館という形で動いていただければと思います。
○関口委員
 図書館はあるけれど、年を重ねていく方々にうまく届いていないのが現状かなと思います。その方たちが図書館まで足を運ぶ、それも交通事情でアクセクのない人がいたりして。本当は等しく知的好奇心を持って元気で生きていってもらいたいと思い、あるけれどうまく活かされていないと考えたとき、これからの県図書館が「顔のある図書館」として、市町村とは違う何か役割があるのではと。これから10年、20年のことを考えて作る訳ですから。委員となったからには、私の宿題として、ここには出せませんが、考えて行きたいと思います。
○二瓶委員
 加美町でも合併の後に一館として進めていますが、他の公共図書館も合併になって多くのニーズを抱えることに不安がある。今までの小さい図書館でもっと多くの人にいいサービスをしていく時に、本当に大変だということで職員も不安です。それを支えてくださるのが宮城県図書館の協力体制、相互貸借がますます重要になりますし、望ましい基準は、合併後も望ましいのであって、合併したから図書館が町に一つありますではなく、県の方から強く勧めていただければ地域格差がなく図書館の恩恵を受けられるのかなと思って、ますますの県図書館の応援をお願いしたいと思います。
○秋月委員
 巡回車があって何か借りたいときに、何が借りられるかが分かれば、巡回車に頼めばいいですが、何があるかという情報がないと何を頼めばいいか分からない。そのあたりの、情報の共有がますます大切になってくる気がします。また、古い資料をマイクロフィルム化するということ。資料の体裁、冊子なのか巻物なのか、歴史的資料の内容が重要なのか、体裁が重要なのか。博物館と図書館で、内容についてはマイクロフィルムにして図書館が持ち、本体は博物館が持つような、機能の切り分けが必要なのかなと思います。
○池田委員
 県図書館が中心になって、本と建物があれば図書館ではないので、図書館が中心になって、職員のスキルアップの部分、20ページにも「図書館の連携・協力」にも触れられていますが、今後ともスキルアップ、図書館相互の情報公開など、県図書館が中心になって進めていただければありがたいと思っています。ちょっと気になったのは、先程の齋藤会長の御挨拶にもありましたが、指定管理者制度の導入というお話がございました。そうなった時、ある館が指定管理者制度になって職員が民間会社の社員になった時の、図書館職員のスキルアップに県図書館が今までのような形で関われるのかどうか、そのあたりのお考えを伺って置ければと思います。
○議長
 ありがとうございました。館長最後になりますが。
○事務局(伊達館長)
 2年間御審議いただきましてありがとうございます。私も去年の4月に図書館に来まして、大きい悩みを率直に申し上げますと、ここは県立図書館として期待されていますが、具体になれば、利用者の約8割がこの辺りの地区の方が多いわけです。私達は市町村の図書館或いは市町村のためにもっともっと仕事をしたいのですが、どちらかといえば、ちょっとした苦情に追われているのが、非常に残念に思っています。もっと市町村に力添えをしなければいけないと思いながら、年月を刻んでいます。県立図書館だなと思うようなものが、昭和20年代、30年代、40年代までありました。巡回車の「こかげ号」が集落の隅々まで回って、市町村に図書館を作らせる。そういう面では、宮城県としての図書館行政は間違っていないだろうと思います。もっと積極的に助成制度等をつくりながら、少なくとも市町村単位に一館つくるとか。広域合併すると図書館が作られなくても設置率が上がります。合併したからといって図書館が一つでいい訳ではなく、合併すれば地区館等を増やしていく必要がある。図書館が果たす役割は、本当はとても大きいのですが、今の情況では予算を増額するような形で、事務方が詰めております。今回の答申を受けて職員一丸となって頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします。
○議長
 副館長お願いします。
○事務局(三浦副館長)
 県図書館と市町村図書館の役割分担等の話もありましたが、今、県図書館は欲張っていろいろを求めている。二匹のウサギを求めている。極端に言うと、仙台市の泉図書館分館的な役割も持っていますし、市町村図書館のためになる県図書館としても求めている。その中で、今年1年を考えてみて、県図書館がどうなっていくか多様な選択肢があると思います。ただ、それを欲張っていろいろなことを求めて、中途半端に終わっているのではないかという反省が大いにあります。将来的には各市町村に図書館が整備されて、ネットワークで有効に機能させるようなことが、本来の県図書館の役割になっていくのではと考えています。また、資料のほかに、レファレンスをもっと強化することで、県民にサービスが出来るようにと思っています。
○議長
 ありがとうございました。時間が参りました。それでは、これで議事の一切を終了させていただきます。ありがとうございました。

10 閉会

櫻田庁副参事兼次長が、第26次協議会委員に対し御礼をのべ、一切を終了した。

宮城県図書館

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