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宮城県図書館だより「ことばのうみ」第48号 2014年7月発行 テキスト版

おもな記事。

  1. 巻頭エッセイ 『言葉に溺れる』 三沢陽一
  2. 図書館資料が書架に並ぶまで(一般図書・参考図書・児童図書)
  3. <コラム記事>『新着図書案内メール』をご存じですか?
  4. 図書館 around the みやぎ。
  5. 図書館員から読書のすすめ。
  6. 【県図トピックス】 児童資料研究・相談室
  7. 図書館からのお知らせ

巻頭エッセイ 『言葉に溺れる』 三沢陽一

どういうわけか、「溺」という文字が好きです。「溺」のつく単語はたくさんありますが、「溺惑」「溺愛」「耽溺」といった魅惑的なものが真っ先に浮かびます。それは多分、僕が文字という水に溺れたことがあるからでしょう。

図書館は小さな頃からよく行っていましたが、最も通っていたのは中学三年生の夏休みでした。受験勉強と称して、近くの市立図書館に毎日のように通い詰めていました。頭のよさそうなお兄さんやお姉さんが勉強している中、こそこそと本棚から小説を借りてきて、勉強をしているフリをして読み耽ったのです。ミステリ、ホラー、サスペンス、幻想、純文学……次から次へと名作や迷作が出てくる図書館の本棚はまさしく「豊穣の海」で、僕は本物の海へ行く代わりにそこで数々の言葉と戯れ、溺れました。お陰で高校受験がヒヤヒヤものだったことは云うまでもありません。

人を溺れさせるだけの小説。そんな作品たちに出会ってみたいですし、いつか自分も書ければいいな、と思ってもいます。

著者のご紹介。

三沢陽一(みさわ・よういち)略歴

物書き。1980年、長野県生まれ。仙台市在住。東北大学法学部卒業、同法学研究科卒業。大学研究助手などを経て、2013年、「コンダクターを撃て」(のちに『致死量未満の殺人』と改題して出版)にて第三回アガサ・クリスティー賞を受賞し、デビュー。

図書館資料が書架に並ぶまで(一般図書・参考図書・児童図書)

今回は、宮城県図書館の本が本棚に並ぶまでを紹介します。当館には本のほかにも新聞、雑誌、マイクロフィルム、CD、DVDなどがあり、まとめて「資料」と呼んでいます。日々出版されるたくさんの本の中から、どのようにして当館の蔵書とする資料を選び、どのような手順を経て書架(=本棚)に並び、皆様に御利用いただけるようになるのかを紹介します。

選書

「選書」は図書館の基本的でしかも重要な仕事です。当館では効率よく資料を選ぶために、次の方法をとっています。

  • 見計らい
    契約書店から毎週400冊ほどの新刊書が届きます。その中から当館として備えておくべき本や、利用者の知的好奇心・向上心を刺激するような本を、司書をはじめ職員が選び出します。
  • 一般リクエスト・協力リクエスト
    利用者の方から当館に置いて欲しい本の要望を受け付けています。
  • 選定リクエスト
    職員が購入するべき本の買い漏らし、新聞・雑誌の書評で取り上げられた本や新書をくまなくチェックして選び出します。

こうして選び出した本について、資料収集方針や選定基準に則って、その内容、所蔵の有無、類書の有無、活用の見込みなどを調査検討します。当館は、日々出版される大量の本の中から限られた予算の範囲内で、偏りのない公平かつ長期的な視点に立ち、必要な資料の収集に努めています。

選定会議

選書した本を毎週開かれる選定会議で審議して、購入の可否を決めます。

発注

地元の書店やシリーズものを継続して購入している書店に発注します。流通していない本の場合は、全国の古書店などから取り扱っている書店を探し出して発注します。

納品・検収

書店に在庫があればすぐに納品してくれますが、在庫がなければ取次店や版元から取り寄せて納品してもらいます。納品後は、発注内容と納品物が合っているか、本が破れていないかなどを点検します。寄贈申込みも多数ありますが、内容や本の状態に問題があるものは受入をお断りすることがあります。

書誌作成

点検が終わったら、資料のタイトル、著者、出版者、分類などのデータをコンピュータに入力します。このデータと資料IDを結びつけ、請求記号(本の背ラベルの記号)を入力します。

装備

資料IDが印刷されたバーコードラベルと背ラベルを貼り、蔵書印を押します。さらに外側に透明フィルムをかけ、多くの人が使っても傷まないようにします。ホッチキスなどの金具で綴じられた資料は、サビを防ぐために金具を外して糸で綴じ直します。

配架

最後にもう一度間違いがないかチェックし、問題がなければコンピュータ上の「準備中」を解除します。これにより「館内にあるか」「貸出中か」「書架にあるか」などを検索端末やインターネットで確認できるようになります。そして、書架に並べられます。

ここまで、選書から配架までの大まかな流れを紹介しました。実際にはさらに細かな作業を経て資料が並びます。大量に届く本もありますが、利用者に新鮮な資料を提供するために、納品から配架までをおよそ2週間で仕上げています。当館で購入した資料は、県民皆様の知の財産であり、次世代に伝えていくべきものです。ぜひ大切に御利用ください。

<コラム記事>『新着図書案内メール』をご存じですか?

今年3月にリニューアルした宮城県図書館のホームページの新機能『マイページ』は、ご利用頂けましたか。

マイページから、現在借りている資料のタイトルの確認ができたり、予約中の資料の状況を調べたりできるほかに、宮城県図書館に新着図書が配架されるとメールでお知らせする機能があります。マイページにログインして頂き、『新着図書案内メール』メニューから、あなたの興味のあるジャンルや、著者名を登録すると、毎週水曜日、登録されているメールアドレスあてに宮城県図書館の新着図書情報をいち早くお知らせしますので、どうぞ御利用ください。

具体的な利用方法については、宮城県図書館ホームページ(http://www.library.pref.miyagi.jp/)をご覧ください。

図書館 around the みやぎ シリーズ第41回 大河原町駅前図書館 館長 高橋弘。

大河原町駅前図書館(図書室)は、平成12年4月14日に市街地再開発事業の一環として建設された複合ビル「オーガ」の2階に、町が運営するコミュニティセンターの一部として整備されました。開架・事務室を含む施設の面積は368平方メートルで、閉架書庫もない小さな図書館でしたが、館内には一般・児童書架のほか、AVブース・インターネットブースなどがあり、駅前に新たなにぎわいをもたらしています。
その後、既存の点字や朗読ボランティア、新たに結成された読み聞かせや図書修繕ボランティアなどの協力もあり、障害者向けの資料も充実し、季節ごとのイベントも開催され、年を追うごとに図書館としての熟成が増していくのを感じることができました。
限られた蔵書ではありますが、「求められた資料はあきらめずに探そう」という気風が、先輩の司書たちによって引き継がれ、その態度が利用者にも伝わり、町民とともに歩む図書館として定着してきたように思われます。
平成26年度は、大正時代から昭和初期にかけて町内で発行された「仙南日日新聞」の電子データを閲覧できるブースを設けるなど、今後とも、そこにとどまることなく、常に職員のチームワークの力で、新鮮さを失わない図書館を心掛けていきたいものです。

大河原町駅前図書館の概要。

  • 蔵書冊数/児童書 約17,800冊 一般書 約35,300冊
  • 開館時間/午前10時~午後6時
  • 休館日/毎週月曜日・毎月第一木曜日・年末年始・蔵書点検期間
  • 住所/郵便番号:989-1201
    大河原町大谷字町向126-4
  • 電話/022-51-3330

図書館員からの読書のすすめ 『源氏物語』

皆さんは『源氏物語』をご存じでしょうか。
「名前すら聞いたことがない」という方は少ないのではと思います。それほど日本人に広く知られた文学作品でありながら、同じようにまた、その全てを読み通したという方も少ないのがこの作品の特徴ではないでしょうか。よく聞くのが、「主人公の光源氏が、様々な女の人と恋をしては女の人を泣かせちゃう話でしょう?」というものです。しかし、本当にたったそれだけの作品が、千年もの時を超え、私たちが生きているこの時代まで読み継がれてくるでしょうか。
『源氏物語』の世界には、「人間が持つ全ての感情が描かれている」と言われています。そこには、私たちがこれまで切実に感じてきた様々な思い、そしてこれから感じることになるであろうたくさんの思い、さらに、もしかしたら「自分自身」としての一生では感じることなく終わっていたかもしれない「思い」までもが描き出されています。それらの思いを、私たちは光源氏を通し、自分の思いとすることができるのです。
紫式部が光源氏に数多くの恋、喜び、そして苦悩を重ねさせたのは、私たちが自分の一生では味わい切ることのできない「思い」を物語の世界に具現化し、永遠に留めるためではなかったでしょうか。原文で読むのは少々難しくても、その世界観をそのままに、読みやすく翻訳された作品がたくさんあります。
人の「思い」に時の壁など存在しないということを、きっと感じていただけると思います。

資料奉仕部 資料情報班 塩谷 明日香

【県図トピックス】 児童資料研究・相談室

「児童資料研究・相談室」とは、宮城県図書館2階にある、研究用児童書及び児童書研究書を収集・保存し、資料の提供とレファレンスサービスを行う部屋です。高校生以上の、児童書に関する研究のための資料をお探しの方が利用できます。

研究用児童書とは

当館では、ほとんどの児童書について、貸出用と研究用の2冊の所蔵があります。貸出用は子ども図書室で利用されています。研究用はこの部屋に整理されており、保存の目的も兼ねています。国内で発行された児童書はできる限り購入し、発行年順に配架しています。研究用児童書については、閲覧に限り、貸出は行っておりません。

児童書研究書とは

児童書や子どもの読書に関わる資料のことです。こちらは、一部の図書資料と雑誌以外は貸出も行っております。

下記のとおり、7月1日からリニューアルした形で御利用いただけます。

  • <開室日>水曜日~土曜日(ただし、祝日・休日、館内整理日、特別整理期間、年末年始は除く)
  • <利用時間>9時00分~17時00分
  • <御利用にあたって>原則として利用日の1週間前までにお申込みください。

その際、「児童資料研究・相談室に関する手引き」を事前に必ずお読みください。

詳しくは「児童資料研究・相談室のご利用について」をご覧ください

お問合せは 宮城県図書館 子ども図書室(022-377-8447)まで

図書館からのお知らせ

企画展『知の原点―宮城県図書館史―』を開催します

宮城県公文書館では、図書館内に移転したことを記念して、企画展「知の原点―宮城県図書館史―」を行います。 都道府県立図書館として全国で始めて設立された宮城県図書館は、「図書」を県民に公開するにとどまらず、土器や絵画の展示といった博物館・美術館の役割も果たす「知」の中心でした。宮城県の「知の原点」と、その発展の歴史を御覧ください。

夏休み図書館親子ツアーのお知らせ

  • 期間:平成26年7月5日(土曜日)~10月24日(金曜日)
  • 時間:図書館開館日の午前9時から午後5時まで
  • 場所:宮城県図書館2階展示室 普段は入ることの出来ない図書館の裏側をご案内します。親子で図書館を探検してみませんか。
  • 日時:
    1回目 平成26年8月2日(土曜日) 午前10時から正午まで
    2回目 平成26年8月6日(水曜日) 午前10時から正午まで
    ツアーは2回開催します。
    両日とも内容は同じものです。
  • 定員・対象:定員は各回親子10組です。 小学1年生から小学3年生のお子さんがいる家庭が対象です。
    注意:応募者多数の場合は抽選になります。
  • 申込方法 :館内もしくは、宮城県図書館HPで配布している案内チラシ記載の申込書にご記入の上、直接持参、郵送、FAX、メールでお申し込みください。
  • 募集期間 :7月10日(木曜日)から7月23日(水曜日)まで(必着)
    注意:参加者決定者には、7月下旬に通知文を発送します。

この「ことばのうみ」テキスト版は、音声読み上げに配慮して、内容の一部を修正しています。
特に、句読点は音声読み上げのときの区切りになるため、通常は不要な文末等にも付与しています。

「ことばのうみ」は、宮城県図書館で編集・発行しています。
宮城県図書館だより「ことばのうみ」 第48号 2014年6月発行。