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宮城県図書館だより「ことばのうみ」第43号 2013年3月発行 テキスト版

おもな記事。

  1. 巻頭エッセイ「図書館での時間」 漫画家 荒木飛呂彦さん。
  2. 特集 特別展「往古(いにしえ)のみやぎ −みちびかれる道 訪ねゆくまち−」。
  3. 図書館 around the みやぎ。
  4. 図書館員から読書のすすめ。
  5. 図書館からのお知らせ。

巻頭エッセイ「図書館での時間」 漫画家 荒木飛呂彦。

1970年代。中学・高校生の頃、学校の勉強をするためというか、受験勉強をするために、机の場所を借りるために、仙台市榴岡公園のところの図書館に通いました。成績の良さそうな先輩や同級生たちと一緒に勉強する雰囲気に、大人になったような、知性の世界への憧れで新しい良い気持ちでした。
でも、その時図書館で実際にしていたのは、推理小説やSF・ホラー小説をつい読んでしまうことで。机の上から撮影するなら、教科書とか参考書の上に小説の本が乗っかっている姿と形になっていました。明日から試験だというのにやめられない、なんていうのはしょっちゅうで…。読んでいる本は必ずしも傑作とは限らず、中には超ヒドい駄作っぽい作品もあるわけで、その読書のエネルギーと時間を学校の勉強の方にもっと使っていれば…と思うこともありますが、でも今思い返すと、人生で最も読書量があった「時期」という気がします。良いものも駄目なものも学べるのが図書館であり(笑)、その時期なのでしょうね?
……それでいつ学校の勉強をしてたかというと、やっぱり学校で、でした(笑)。

著者のご紹介。

荒木飛呂彦
あらき・ひろひこ。漫画家
1960年宮城県仙台市生まれ。
1980年、「週刊少年ジャンプ」第20回手塚賞に『武装ポーカー』で準入選。同誌の1981年1号にて同作品でデビュー。1987年1・2合併号から同誌で連載がスタートした『ジョジョの奇妙な冒険』は25年以上続く代表作となっている。2012年にはせんだいメディアテークで原画展を開催、延べ31,500人が会場を訪れた。

特集 特別展「往古(いにしえ)のみやぎ −みちびかれる道 訪ねゆくまち−」。

宮城県図書館は、明治14年(1881)に宮城書籍館(みやぎしょじゃくかん)として開館して以来130周年余、図書や記録などの資料や情報を県民の皆様に広く供するために収集して参りました。現在では、100万点余りを所蔵しています。
今回は、特別展「往古(いにしえ)のみやぎ −みちびかれる道 訪ねゆくまち−」と題し、当館が収集してきた資料の中から、宮城県と旅に関する資料をご紹介します。
車などなかった江戸時代、移動手段は主に徒歩でした。一歩一歩踏みしめながら進む道は、旅人たちを未知の土地へとみちびくものでした。そして時代が移り、交通手段が飛躍的に発展するのに伴い、街並みも大きく変わっていきます。昔の人が見た景色と、今の景色を想い比べながらご覧いただければ幸いです。

注意:この特集記事の背景には『御城下町割図』の画像を利用しています。

第1部 惹かれるみち 祈りのまち −江戸のみやぎ路−。

中世以前の旅は、修行や巡礼、任地へ赴くことを目的とした移動がほとんどでした。江戸時代に入ると幕府・諸藩により街道・宿場が整備され、宿屋や案内人など各種観光業の成立、伊勢講などの参詣講の広まりにより、庶民も安全に旅を楽しむことができるようになりました。
江戸時代、仙台城下やその近郊の多賀城・塩竃・松島には名所・旧跡・歌枕の地が多く存在し、人々を惹きつけてやみませんでした。

  • 『松嶋眺望集』
    伊勢の出身で仙台に暮らした俳人大淀三千風が、松島を吟じた自他の俳諧を主として構成した松島名勝記。松尾芭蕉もこの書のために句を寄せています。
    大淀三千風 刊本 2冊 [京都] 百々勘兵衛 天和2(1682)
  • 『名山圖譜』
    江戸期、南画の大家といわれた谷文晁が描いた全国の山岳画集。後に『日本名山図会』と改題されています。上図は金華山を描いたものです。
    谷文晁画 河村元善編 刊本 1冊 文化2(1805)
  • 『和國名所鑑』
    江戸浮世絵の開祖とされる菱川師宣の挿絵本で、全国の名所旧跡案内。本県関係では松島と宮城野がとられています。上図は松島の風景を描いたものです。
    菱川師宣画 刊本 3冊 江戸 山形屋 天和2(1682)

第2部 にぎわう道 描かれるまち −仙台城下いまむかし−。

慶長6(1601)年、伊達正宗により仙台城の築城が開始されました。その後、江戸幕府に提出する国絵図・城絵図や、藩政の基本としての城下地図など、様々な絵図が描かれ、仙台城下が次第に拡大する様子や、大火や飢饉などにより衰退するさまが記録されました。
また明治以降の近代化による変化や、仙台空襲後に再建する様子なども、たくさんの地図に記録されました。絵図・地図を比較してみると、仙台の歴史を垣間見ることができます。

第3部 変わりゆくみち 近くなるまち −明治から昭和へ−。

江戸が「東京」と改められ、明治時代が幕を開けます。廃藩置県や学制公布など、日本の仕組みが大きく変わっていく一方で、学術・文化もめざましい発展を遂げました。明治から大正、昭和へと時代が移りゆく中で、旅の在り方やまちの様子も、こうした変化に影響を受けることになります。

第4部 旅にしあれば、よりみちも楽し。

第4部では当館所蔵の絵葉書で、なつかしい道や街の風景をご覧いただきます。戦前の「仙臺名所」「仙臺近郊 秋保温泉絵葉書」、昭和3年(1928)の「東北産業博覧會」絵葉書などを展示します。
通いなれた道、むかし通った道、旅した街並み、あらためて目にする街角、鮮やかに思い出す風景をご覧いただきます。


  • 期間 平成25年3月1日(金曜日)から平成25年6月30日(日曜日)まで
  • 時間 図書館開館日の午前9時から午後5時まで
  • 場所 宮城県図書館2階 展示室
  • お問い合わせ先 宮城県図書館調査班 電話番号:022-377-8499

図書館 around the みやぎ シリーズ第36回 南三陸町図書館 南三陸町図書館長 及川庄弥

震災で流失した南三陸町図書館再会までの歩み
南三陸町図書館は兼務の館長他3名の職員体制で、蔵書も3万冊を超え、平成23年度には施設整備も充実した図書館として歩み出すことになっておりました。3月11日の震災により、海沿いにあった南三陸町図書館は津波に一瞬に飲み込まれ、なくなり、館長が帰らぬ人となりました。震災当初は浸水していて、あった場所さえわかりませんでした。
避難所暮らしの時、体育館入口の階段の外灯下で、子供たちが本を読んでいました。どうにか図書館を再開できないかと考えていたところ、全国より支援をいただき、何とか図書館用プレハブを設置して、平成23年10月5日に蔵書数3000冊で再開することができました。
更に11月からは移動図書館車を隣町の仮設住宅にも運行し、12月からは土日も開館しました。
24年7月には歌津コミュニティ図書館魚竜がオープンしました。この施設は仮設住宅の住民が気軽に来て、本を読んだり、会話したり、趣味の活動ができる場所です。子供たちの学習スペースも設置しました。
25年2月に完成した南三陸町オーストラリア友好学習館(愛称:コアラ館)は、図書館と学習室、交流室があり、1万冊の蔵書をそろえ、調べ物や情報収集、子供たちの学習室もあり、仮設住宅で読書・学習環境が厳しい中で、落ち着いてゆっくりと読書することができ、憩いのスペースとして子供から老人までくつろげる場所になりました。

南三陸町図書館の概要

  • 蔵書冊数/児童書 約3000冊 一般書 約7000冊
  • 開館時間/午前9時~午後5時
  • 休館日/年末年始 その他教育長が認めた日
  • 住所/郵便番号:986-0725 本吉郡南三陸町志津川字沼田56
  • 電話番号:0226-46-2670
  • ファクス番号:0226-46-5155
  • PRポイント:年末年始以外は休まず開館しております。

図書館員から読書のすすめ 『ノラや』 調査班 渡邉泰子

ノラは、作者・内田百聞(聞は門構えの中が月)の家に自然と居着き、作者夫婦とともに暮らすようになった雄の野良猫です。二人の家にすっかり溶け込み、家族の一員のようになったある日、家を出たきり戻らなくなったノラ。待てども帰らないノラを思慕し、嘆き続ける日々を綴ったのがこの作品です。
ノラが一晩戻らなかった翌日には「今日は午後になっても帰らない。ノラのことが非常に気に掛かり、もう帰らぬのではないかと思って、可哀想で1日じゅう涙止まらず。やりかけた仕事のことも気に掛かるが、まるで手につかない。」ノラがいた場所を見れば「風呂敷の上にノラが寝ていた座布団と掛け布団用の風呂敷そのままある。その上に額を押しつけ、いないノラを呼んで、ノラやノラやノラやと云って止められない。」眠れば夢に見、目が覚めれば「目がさめた途端に、ノラは帰らないのかと思う。」…月日が流れ、新しい猫との暮らしを経たあとも、晩年までノラを忘れることはありません。
私は猫と暮らしたことはありませんが、初めてこの作品を読んだとき、ノラの佇まいが心に浮かび、今度こそノラが帰ってきた音かもしれない、今度こそ本当にノラの目撃情報かもしれない、と引き込まれていきました。しかし実生活において私は、以前に比べれば悲しいことも嫌なことも引きずらなくなり、感情の切り替えができるようになってしまったように思うのです。『ノラや』を書いた時、作者は68歳だったそうです。ノラを探すために新聞広告を出し、警察に捜索を請い、友人をも巻き込む作者。身近にいたら少し困るかもしれません。しかし、現実と器用に折り合いをつけられる大人より、愛情を注いだ猫を失い仕事も手につかず体に障る悲しみに翻弄される大人のほうが豊かで素敵ではないか。私にとって、読むたびにこんな大人でありたいと思う一冊です。

[こんな本を選びました]

  • 『日本の名随筆3 猫』
    (作品社)
  • 『猫』
    クラフト・エヴィング商會ほか著(中央公論新社)
  • 『作家の猫』
    コロナ・ブックス編集部編(平凡社)
  • 『内田百聞全集 第8巻』
    内田百聞著(講談社)
  • 『ちくま日本文学全集005 内田百聞』
    (筑摩書房)

図書館からのお知らせ

第44回子どもの本展示会を開催します

毎年4月23日から5月12日までの約3週間は「こどもの読書週間」です。当館では、この期間にあわせて子どもの読書活動を推進するために「子どもの本展示会」を下記の日程で開催します。昨年出版された本の中から約1800冊を展示しますので、ぜひご来場ください。
この展示会は例年2階ホール養賢堂を会場としておりましたが、より多くの方に児童書に触れてもらえるように、今年は1階エントランスで開催する予定です。図書館にお越しの際には、ぜひ立ち止まって手に取ってみてください。

  • 期間:平成25年4月26日(金曜日)から平成25年5月8日(水曜日)まで
  • 場所:図書館 1階エントランス
  • 時間:開館日の午前9時から午後7時まで(日曜・祝日は午後5時まで)
  • お問い合わせ:子ども図書室(2階) 電話番号:022-377-8447

東日本大震災宮城県内沿岸部被災地域空中写真展

国土地理院は、東日本大震災直後から、東北地方太平洋沿岸部を中心とした緊急空中写真展を実施しました。
当館では、そのうち宮城県の沿岸部を中心に撮影した写真457点を所蔵しています。このたび、その中から24点を選び展示しています。
この展示では、当館がこのような空中写真を所蔵していることを広く知ってもらい、これからの防災・減災への一助にしてもらえればと考えました。この空中写真は貴重な郷土資料であると同時に、貴重な震災資料であり、当館は後世に永く残してまいります。

  • 場所:図書館 3階みやぎ資料室
  • 時間:開館日の午前9時から午後7時まで(日曜・祝日は午後5時まで)
  • お問い合わせ:震災文庫整備チーム 電話番号:022-377-8498

3月29日(金曜日)の閉館時間が変更になります

平成25年3月29日(金曜日)は館内整理のため閉館時間が通常よりも早まります。利用者の皆様には大変ご迷惑・ご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
変更前 午後7時まで → 変更後 午後5時まで

放送大学宮城学習センター 広告記事の訂正について 「ことばのうみ第42号」掲載

平成24年12月発行の「ことばのうみ第42号」の最終ページに掲載した放送大学宮城学習センター様の広告記事(入学料)に一部誤りがありました。正しくは下記のとおりです。お詫びして訂正します。

  • 卒業を目指すコース (誤)22,000円 → (正)24,000円
  • 半年間のコース (誤)6,000円 → (正)7,000円
  • 一年間のコース (誤)8,000円 → (正)9,000円

この「ことばのうみ」テキスト版は、音声読み上げに配慮して、内容の一部を修正しています。
特に、句読点は音声読み上げのときの区切りになるため、通常は不要な文末等にも付与しています。

「ことばのうみ」は、宮城県図書館で編集・発行しています。
宮城県図書館だより「ことばのうみ」 第43号 2013年3月発行。