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宮城県図書館だより「ことばのうみ」第32号 2009年12月発行 テキスト版

おもな記事。

  1. みやぎ本の杜 『孔雀船の舟唄』 岡本綺堂。
  2. 特集 宮城県図書館のルーツを訪ねて その4 ~今泉・小西・大槻文庫~。
  3. 県図トピックス。
  4. 図書館員から読書のすすめ。
  5. 図書館 around the みやぎ シリーズ第27回 登米市立迫図書館。
  6. 叡智の杜レポート。
  7. 図書館からのお知らせ。

みやぎ本の杜 『孔雀船の舟唄』 岡本綺堂 『仙台五色筆』より。

塩竈から松島へむかう東京の人々は、鳳凰丸と孔雀丸とに乗せられた。われわれの一行は孔雀丸に乗った。
伝え聞く、伊達政宗は松島の風景を愛賞して、船遊びのために二艘の御座船を造らせた。鳳凰丸と孔雀丸とが即ちそれである。風流の仙台太守は更に二十余章の舟唄を作らせた。そのうちには自作もあるという。爾来、代々の藩候も同じ雛型に因って同じ船を作らせ、同じ海に浮かんで同じ舟唄を歌わせた。
われわれが今度乗せられた新しい二艘の船も、むかしの雛型に寸分たがわずに造らせたものだそうで、ただ出来を急いだ為に船べりに黒漆を施す暇がなかったという。船には七人の老人が羽織袴で行儀よく坐っていた。わたしも初めはこの人々を何者とも知らなかった、また別に何の注意も払わなかった。
船が松の青い島々をめぐって行くうちに、同船の森知事が起って、かの老人たちを紹介した。今日この孔雀丸を浮かべるに就いて、旧藩時代の御座船の船頭を探し求めたが、その多数は既に死に絶えて、僅かに残っているのは此の数人に過ぎない。どうか此の人々の口から政宗公以来伝わって来た舟唄の一節を聴いて貰いたいとのことであった。

著者のご紹介。

岡本綺堂(おかもと・きどう、1872~1939)劇作家・小説家。旧幕臣の子として生まれ、東京日日新聞社勤務をはじめとする新聞記者生活を経て作家活動に専念。「鳥辺山心中」「番町皿屋敷」「修善寺物語」など近代演劇史に残る戯曲を執筆する一方、『半七捕物帳』などの小説の分野でも活躍した。引用文『仙台五色筆』は、観光客誘致活動の一環として大正2年(1913)9月に開催された松島公園経営記念大会に綺堂が参加した際の印象を中心につづったもの。『仙台五色筆』には他に、伊達政宗・林子平・支倉常長の墓を訪れた「三人の墓」などが収められている。出典:『綺堂むかし語り』光文社 1995年 152ページ。

特集 宮城県図書館のルーツを訪ねて その4 ~今泉・小西・大槻文庫~。

本誌第22・23・26号において「宮城県図書館のルーツを訪ねて」と題し、本館の歴史を語る上で欠かせない特別コレクションとして、「養賢堂文庫」「青柳文庫」「伊達文庫」を特集しました。これらの文庫のほかにも本館が受け継いだ貴重なコレクションが宮城県図書館には多数所蔵されています。今回の特集では、いずれも貴重な資料を含む3つの文庫をご紹介します。

今泉文庫。

今泉篁洲(1866~1939)は、砲術家・若林新九郎の次男で、祖父は仙台藩の大番頭を務め詩人としても名高かった若林靖亭です。篁洲は明治から昭和にかけて漢詩人として活躍したほか、郷土の先人の伝記を集成した『仙台近古史談』や『仙台人物史』を執筆し、晩年には菊田定郷編『仙台人名大辞書』の監修を務めるなど、郷土人の研究にも大きく貢献した人物です。
篁洲没後の昭和15年(1940)、遺族の厚意によりその蔵書544部1,029冊が本館に寄贈されましたが、戦災により焼失し、現在は78部、188冊が所蔵されています。今泉文庫はそのほとんどが郷土資料と詩文集などの自筆稿本からなっています。篁洲は愛書家であり、蔵書にはカバーを自分で作製し、書名などを書き入れて大切に保存していたといいます。その中の1冊、『仙台風藻』(自筆稿本)は江戸から明治期までの千名を越える郷土人の漢詩文を集成したものです。手製のカバーには、「コノ仙台風藻ハ余ガ三十余年ノ星霜ヲ経テ編纂シタルモノナリ。余ガ没後ハ紙屑トセズ図書館ニ寄付シテ保存セラレタシ。今泉彪識」との書入れがあり、その思いのほどが読み取れます。

小西文庫。

仙台市河原町の旧家である小西家の小西治兵衛氏から寄贈された1,574点からなっています。この文庫は、もと小西家から出て本家伊藤家を継いだ伊藤清次郎の80歳を祝って、11代小西利兵衛が昭和10年(1935)に邸内に設けた私設・非公開の文庫でした。同家在来の蔵書に加え、飯川寥廓(?~1902)の旧蔵書が中心となっています。
飯川寥廓は伊達慶邦夫人の侍医で、維新後は海軍省勤務を経て医院を開業し、古文書・書画の所蔵については仙台随一といわれた蔵書家でした。寥廓はまた、明治中期の仙台文学が盛んであったころに文人として活躍し、『奥羽史料』の編纂にあたるなど多くの著作を残しました。
小西文庫の蔵書はこれらの事情を反映して、医書を中心とした科学書が多いこと、また史書・詩文集が多いことが特徴となっています。また、鹽竈神社の神官であり、国学者でもあった藤塚知明の旧蔵書で、仙台の五大文庫の一つとして知られる「名山蔵書」が含まれていることも注目されます。

大槻文庫。

本館の第8代館長も務めた国語学者・大槻文彦(1847~1928)の旧蔵書で、1950年に遺族から寄贈された71種215点からなる文庫です。わが国初の近代的国語辞書『言海』の自筆稿本(県指定文化財)が収められていることによっても知られています。
明治から昭和戦前期にかけて日本語文法書として代表的な存在であった『広日本文典・別記』(自筆稿本)や北海道と北方領土に関する地誌『北海道風土記』(自筆稿本、県指定有形文化財)など文彦の自身の著作のほか、江戸期の儒者で父にあたる大槻磐渓の著作が大部分を占めています。また、文彦の兄如電や、仙台藩校・養賢堂の学頭を務めた一族の平泉・習斎親子などの大槻家の系譜や学問を知る上で貴重な資料が多く含まれています。
また、漢詩文の軸物や大槻文彦の肖像画など、図書以外の形態の資料が含まれていることもこの文庫の特徴です。

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県図トピックス。一部の県民の間で使われる「宮城県図書館」の略称「県図」。県図の話題をご紹介します。

多彩なDVD資料をご利用ください

本館1階の「音と映像のフロア」では、平成20年3月からDVD資料の貸出を始めており、平成21年11月現在約1,400点が利用可能です。「絵本読み聞かせ」「プロフェッショナル 仕事の流儀」などの生涯学習に役立つ資料のほか、「でんじろう先生の日曜実験室」などの子ども向けDVDも充実してきました。新たに受け入れたDVD資料については、本館ホームページ上でもリストを公開しているほか、1階フロア内に設置している目録でもご覧いただけます。なお、DVD資料については、多くの方にご利用いただくため、1枚の利用カードにつき1点のみの貸出となります。また予約も1点となりますのでご了承ください。

「ELIB」をご存じですか?

「ELIB」(エリブ)は、パソコン上で再生が可能な新しい映像ソフトで、個人の学習はもとより、研修会や集会などで上映にも対応できるように著作権処理されています。
過去に映画として作成された日本各地の記録映像を電子化したものや、生活に役立つ専門的な知識についてまとめた内容などが収録されており、幅広い年代の調査学習や学校・社会教育団体等での研修資料としてご活用いただけます。なお、ELIBのご利用にあたっては、インターネット接続、DVDドライブ等の環境をそなえたパソコンが必要となります。
お問い合わせは音と映像のフロア(1階)電話番号:022-377-8446までどうぞ。

図書館員から読書のすすめ 「自伝」で生きる 総務班 佐々木剛。

「自伝」っていいですよね~。しみじみ思います。
読めば読むほど、まるで自分自身の体験のような感覚になり、こんな生き様があったのか!と衝撃をうけることがあります。
旅人、ミュージシャン、格闘家、芸術家などなど、皆さん一言では言い切れないカッコいい生き様を送っています。
そんな数ある自伝の中、これまた非常に衝撃を受けたのが晴留屋明さんの自伝『殴られ屋』。舞台は世界を代表する歓楽街、東京は新宿。職業「殴られ屋」。見ず知らずの通行人に自分を殴らせることでお金をもらう。毎日毎日殴らせる。商売道具は己の肉体のみ。時には有名格闘家が客となることもある。
どうして殴られ屋なんて危険な商売を?と思うでしょう。そこには深い理由があるからなんですよ!
自伝に魅力を感じるのはなぜか。それは架空の作り話ではなく、実際にあった体験談、「リアル」だからこそではないでしょうか。
そしてもう一つ。他人の人生を読み感じることで、自分の生き様を見直しながらも、一度の人生ではなく二度、三度の人生を送った感覚になるからではないかと思います。
皆さんも是非一生に幾度の人生を味わってみてください。

こんな本を選びました。

『殴られ屋』
晴留屋明 古川書房 2000年

『猪木イズム』
アントニオ猪木 サンクチュアリ出版 1998年

『人生は4ビート!ジョージ川口自伝』
ジョージ川口 文化出版局 1982年

図書館 around the みやぎ シリーズ第27回 登米市立迫図書館 館長 泉敏彦。

平成の大合併により、登米郡迫町が登米市になったのと時を同じくして、平成17年4月、登米市立迫図書館が誕生しました。
大正から平成まで続いた迫町立図書館の歴史を受け継ぎ、登米市唯一の独立図書館として、市民への図書館サービスを行っています。
当館は市内中心街にあり、登米市で一番生徒数の多い小中学校から徒歩15分圏内という立地条件のもと、親子連れ、児童、お年寄りに至るまで広く市民の方々に活用されています。
また、平成20年4月からは、長年の課題であった図書館システムの電算化が実現し、登米図書館及び中田図書室とネットワークを組み、1人当たりの利用可能冊数が3館で9冊と増えました。
さらに電算化により、利用者が自分で読みたい本を検索できる体制も整い、利用者数、貸出冊数、予約(リクエスト)件数も増加しています。
乳児検診で絵本を赤ちゃんに手渡すブックスタート事業、絵本原画展の開催、ボランティアによるおはなし会など、図書館を身近に感じていただける事業も展開しております。
限られた予算、人員体制ではありますが、今後ともより多くの市民の要望に応えていけるよう、図書資料の提供、図書館システムの活用などによりサービスの充実を図っていきたいと思います。

登米市立迫図書館のご紹介。

図書館のデータ。

蔵書冊数:36,306冊(平成20年度末)

貸出冊数:42,996冊(平成20年度実績)

開館時間:午前9時から午後7時まで

休館日:月曜日、祝日、祝日が月曜日の場合は翌日も休館、年末年始(12月28日から翌年1月4日まで)、館内整理日、特別整理期間。

交通:JR東北本線新田駅下車。車で15分、高速バス登米市役所前下車徒歩10分。

住所:郵便番号987-0511 宮城県登米市迫町佐沼字上舟丁20-1。

電話番号:0220-22-9820。ファクス番号:0220-21-6575。

叡智の杜レポート。「図書館親子ツアー」を実施しました。

8月5日・8日の両日、「夏休み図書館親子ツアー」を実施しました。このツアーは、「宮城県図書館振興基本計画」における方針のひとつである「次世代を育成する図書館」の取り組みとして、小学校低学年の子どもたちを対象に、図書館の新たな魅力を発見してもらおうと実施したものです。
ツアーには2日間で親子15組36名が参加。3階北側の閉架書庫スペースでは「100歳の本(100年前に出版された本)」や「図書館で一番重い本(重さ約20kg)」など、開架スペースにはないさまざまな本を見学しました。
また、すべて閉架書庫となっている4階では、ボタンひとつで開閉する電動書架に子どもたちはびっくり。このほか、3階のカウンターで請求された資料を探し、搬送機で送るしくみなども見学するなど、ふだんは見ることのできない図書館の裏側を約1時間にわたって探検しました。
参加した子どもたちからは、「本棚が電気で動くしくみがとても便利だと思いました」「100年前の本もきちんと保存してあったのでびっくりした」といった感想が聞かれました。また、いっしょに参加した保護者の方からは、「図書館の裏側を見ることができ、図書館に来るのがますます楽しくなりました」「書庫にもたくさんの資料があることが分かり、今度来たときには検索してみようと思いました」との声が寄せられました。

図書館からのお知らせ。

特別展「THE MANGA ~みやぎが生んだヒーローたち~」

「ぼのぼの」のいがらしみきお、「AKIRA」の大友克洋、「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦・・・宮城県はすぐれた漫画家を多数輩出している県として知られており、漫画をテーマとした施設も数多く設置されています。
このたびの特別展「THE MANGA ~みやぎが生んだヒーローたち~」では、石ノ森章太郎をはじめとする宮城県出身の漫画家を取り上げ、郷土みやぎの文化の一翼を担う「漫画」を浮き彫りにすることにより、宮城の魅力を再発見していただくことを目的として企画したものです。
宮城県出身の漫画家に関する本館所蔵資料のほか、漫画の起源から戦前の漫画にいたるまでの漫画の歴史や漫画のまめ知識についての資料やパネルなども展示します。

期間は平成22年2月27日(土曜日)までです。

時間は図書館開館日の午前9時30分から午後5時までです。

場所は図書館2階 展示室です。

お問い合わせは利用サービス班(3階)電話番号:022-377-8481へどうぞ。

特別整理期間のため休館します

蔵書の所在や状態を点検するため、下記の期間休館します。利用者の皆さまにはご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。


この「ことばのうみ」テキスト版は、音声読み上げに配慮して、内容の一部を修正しています。
特に、句読点は音声読み上げのときの区切りになるため、通常は不要な文末等にも付与しています。

「ことばのうみ」は、宮城県図書館で編集・発行しています。
宮城県図書館だより「ことばのうみ」 第32号 2009年12月発行。