第31次 第5回 宮城県図書館協議会 会議録

 

1 日時及び場所

平成25年2月22日(金曜日) 午前10時00分から午前11時30分まで
宮城県図書館 2階研修室

2 出席者

伊藤 益義 委員
鵜飼 信好 委員(副会長)
佐々木 壽德 委員
齋藤 俊子 委員
菅井 美枝子 委員
寺島 英毅 委員(会長)
早坂 信子 委員
細谷 みつる 委員
渡辺 雅昭 委員

3 事務局出席者の職氏名


(教育庁関係)
生涯学習課長 西村 晃一(以下,西村課長)
生涯学習課課長補佐(生涯学習振興班長) 菊地 武彦
生涯学習課主幹(生涯学習振興副班長) 内馬場みち子

(図書館関係)
館長 大坪富雄(以下,大坪館長)
副館長 加藤 睦男
企画管理部長 和賀 修治(以下,和賀部長)
資料奉仕部長 村上 礼子
企画管理部副参事兼次長(総括担当) 関 照一(以下,関副参事)資料奉仕部次長(総括担当兼震災文庫整備チームリーダー) 大和田 順子

企画協力班次長(班長) 高橋 修
調査班主幹(班長) 吉田 浩之
利用サービス班次長(班長) 下山 邦彦
総務班主幹(班長) 渡邉 雅弘

4 傍聴について

関副参事から,傍聴希望者がないことを確認

5 開会

関副参事が開会を宣言し,本日委員全員9名出席により定足数を満たし会議が成立した旨報告

6 会長挨拶

皆様おはようございます。今日は寒い朝になりまして,そして開催時間が午後ではなく,午前10時からということで,本当にお寒い中,全員出席いただきまして誠にありがとうございます。
 図書館協議会,今年は5回目ということで,通常の年ですとだいたい3回くらいなのだろうと思いますが,それだけ私どもに与えられた課題は,大きなものだったのだと思います。 今日は協議事項として,基本計画の最終案と,それから新聞紙上をにぎわせた文化財等の貴重資料の移管に係る最終的な結論を出していくためのご意見をいただいて判断をしていかなくてはいけないという, そういう協議会でございます。どうぞこの後いろいろな意見を出していただいて,最終的に円滑にいくようにとお願いを申し上げて,開会に当たってご挨拶とさせていただきます。 どうぞよろしくお願い申し上げます。

7 大坪館長挨拶

開会に当たりましてご挨拶を申し上げます。ただ今会長からお話しがありましたように,本日は委員の全員出席ということで,なおかつ年度末,また非常に寒い中,ご参集を賜り,心より感謝申し上げます。
 本日で当協議会は,年度で第5回の開催ということでございます。本日ご提案をし,審議していただく協議事項ですが2つとも大詰めの場面でございます。 年度内は今後協議会を開催する予定はありませんが,本日で審議を通しまして大方の道筋をつけたいということでございます。
 協議事項の第1番目でございますが,「宮城県図書館次期振興基本計画」の最終案をお示しいたしております。これまで,委員の皆様方から6月のご就任以来,活発なご意見をいただき, さまざまな見地から,たいへん貴重なご意見等を賜ってまいりました。心より感謝申し上げます。
 昨年末から今年にかけまして,この案につきまして県内の公立図書館等からご意見をいただき,あるいはパブリックコメントを実施してまいりまして,これらのご意見等を踏まえ, 館内で改めて検討し,必要な訂正,修正等を行い,今回最終案としてお示ししているものでございます。
 協議事項の第2番目でございますが,本館が所蔵しております文化財資料等の移管に関する件でございますが,これまで生涯学習課を中心に論点を整理いたしまして,委員の皆様にも, 実際に図書館,東北歴史博物館双方の保管状況等を見ていただきながら,さまざまな見地から貴重なご意見等を賜りました。
 本日は,生涯学習課から移管に係る取扱方針案が示される予定となってございます。いずれにしましても,本日の協議事項は,今後の図書館の運営のあり方,方向性に関わるたいへん重要な内容となってございます。
 委員の皆様には,どうか忌憚のないご意見等を出していただき,十分なご審議を賜りますようお願い申し上げまして,挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。

8 配布資料の確認と日程(関副参事)

(1)会議次第
(2)「宮城県図書館振興基本計画」(案)・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料1)
(3)行動計画(素案)に対する委員意見一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料2)
(4)県内公共図書館からの意見一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料3)
(5)宮城県図書館所蔵文化財資料等の移管に係る論点に対する取扱方針(案)・・・(以下,資料4)
(6)⑥ 県図書館所蔵文化財等の移管対象資料(保管先)案・・・・・・・・・(以下,資料5)
 配布資料として
 ・特別展「往古(いにしえ)のみやぎ-みちびかれる道 訪ねゆくまち-」リーフレット
 ・東日本大震災 宮城県内沿岸部 被災地域空中写真展

 本日の日程ですが,会議終了は正午頃までを予定しております。

9 議長選出

図書館協議会条例第6条に基づき会長に議長をお願いします。これよりの進行は,寺島会長にお願いします。

10 会議録署名委員の指名

   議長が菅井美枝子委員を指名

11 議事

○ 議長
 それでは,議事にはいります。はじめに,(1)協議事項①「宮城県図書館次期振興基本計画」(最終案)について,事務局から説明願います。
○ 和賀部長
 これまで,協議会委員の皆様方から計画案に対して貴重なご意見等をいただきました。行動計画案については11月6日までにご意見等をいただきました。誠にありがとうございました。 その後,市町村図書館からの意見募集を12月21日から1月15日まで行ったところ,6館からご意見をいただきました。さらには, 図書館のカウンター及びホームページに計画案を掲示して一般県民からのパブリックコメントの募集を行いました。残念ながら,一般県民からのご意見はありませんでしたが, これまでいただいた貴重なご意見をもとに文言等の整理を含めて,最終案として修正等を行った内容を本日お示ししているところです。それでは主な修正点などについてご説明いたします。
 以下,資料1に基づき主な修正点について説明
○ 議長
 ただ今,事務局から振興基本計画の最終案について説明がありました。これについて,ご質問あるいはご意見等ございましたら,よろしくお願いいたします。
○ 鵜飼委員
 この計画の6ページの(3),最終案ということでたいへん申し訳ないのですが,いろいろ文言修正をされている過程で,少し文意が汲み取りにくい構文があります。 3行目「本に親しみ」とあるのは,主語は「子どもたち」が本に親しむわけであります。次に「豊かな心や社会性の育成に寄与する」というのは,「図書館」が寄与するということではないかと思います。 そうすると,文章的に主語がいろいろ錯綜しているということになってしまっているので,このままでは良くないと思うことがひとつ。
 それから表現なのですけれども,「大人だけではなく,子どもたちが・・」という書き方なのですが,少し「子どもたち」が横に置かれたようなそういう雰囲気がある気がしたものですから, 夕べ一生懸命考えましたがこれも良くないと思います。
 それから,「しかしながら,県内には身近に書店や図書館がないため,本に触れる機会が少ない,あるいは,ほとんどない地域も存在しています。」このことについては, 子どもたちのことだけに限らないのではないかということで,ここに置くのは少しどうかなと,改めて考えまして3点が疑問になったわけです。
 今最終段階ですから,そうはいっても,ではこうしようという何かがなければ考えようがないと思いますので,例えば,このように代えたら良いのではないかということで 「子どもたちに,本や言葉に触れる機会や場を提供することは,図書館の重要な使命のひとつです。」というところで括りまして, 「家庭や地域における子どもの読書環境もあわせて整備されることによって,子どもたちが,本に親しむ機会が増大し,豊かな心や社会性が育まれるとともに,基本的な読み書きの向上につながる。」 という形でつなげれば何とか表現としては収まるのかなと思います。
 それから,「しかしながら,県内には,身近に書店や図書館がないため・・」の部分はここには置かないで,別なところに置いた方が良いというのが私の意見です。
 それから,先ほどのご説明にもありましたけれども,市町村図書館から意見として出されていた,白石市図書館からのご意見は,まさしく傾聴に値するご意見だと思います。 その中で,特に評価制度を非常に意識されているために,行動計画の中での取組の目標設定が,ややもすれば低いところに置かれてしまう危険性があるので, そこら辺を十分考える必要があるというところが非常に重要な点ではないかと思いますので,そこのところを反映していただきたい,これは希望です。
 第3点は,私から宮城県図書館振興基本計画の行動計画に対する意見として出しております資料2のとおり,「図書館というのは,社会教育を通じて学んだ学習の成果を活用する場」ということで, 図書館法でも場の提供や機会の提供を期待されているわけですけれども,一方では,子どもにとっては,子どものための生涯学習の場もあるわけです。 そういう意味で,例えばボランティアを活用して行われているお話し会に関しては,読書への誘いを強く意識した場合は,選書,あるいは音読のあり方というものは, 望ましいレベル,方法があるべきだと思います。そういうことで,行動計画を考えていく際に,活動の場を提供するという意味でのボランティアの活用促進ということと, 読書への誘いとしてのボランティア活動は明確に区別されるべきだろうということで,ボランティアというよりは,例えば「図書館への協力者」という形の取組を求めていくことも必要なのではないかということです。 以上3点を意見として述べさせていただきます。
○ 議長
 今の意見に対して,事務局から何かあればお願いします。
○ 和賀部長
 「(3)子どもの読書活動を支援する宮城県図書館」は,ご意見を踏まえて,再度,内容を調整したいと思います。
 それから白石市図書館からの意見について,これは当初からきちんと評価していく方向で作業を進めていますので,そのことは十分に肝に据えておりますので, そういう中で中間評価を27年度に行って,毎年度の評価した結果を基に,翌年度の事業計画に反映することとしていますので,その辺は十分に目標設定が低くならないように考えて行きたいと思います。
 それから,ボランティアの活動の場,あるいは支援をお願いしていることについては,先ほども説明しましたとおり,標記はそのままにするのですが, 実際は事業の中でそれを盛り込んでいく方向で検討をすることとしておりますので,ご理解願います。
○ 議長
 はい,よろしくお願いします。他にご意見等ございませんか。無ければ,基本計画の最終案ですから,文章の推敲というのはなかなか難しいもので, みんなで手分けをすれば責任の所在がどこかに行ってしまって,他人に依存してしまって抜け落ちてしまうとか,ひとりでやると文章もそれぞれ癖,性格がありますから, 何とか工夫して,後で「しまった」などということがないようによろしくお願いします。
 続きまして,「宮城県図書館所蔵文化財資料等の移管に係る論点に対する取扱方針」(案)について,事務局から説明願います。
○ 西村課長
 本件につきましては,昨年6月19日に開催されました図書館協議会でご議論いただきましたが,「宮城県図書館所蔵文化財資料等の移管に係る論点整理の結果」ということで, 事務局から説明をいたしました。その後,9月に県図書館,11月に東北歴史博物館の所蔵環境をご覧いただきまして,12月には論点に対するご意見を委員の皆様からいただいたところです。 本日は,そのご意見を踏まえながら事務局で作成いたしました「宮城県図書館文化財資料等の移管に係る論点に対する取扱方針」(案)についてご説明したいと思います。
 以下,資料4,5に基づき説明

 今後の予定としましては,本日この取扱方針(案)についてご了解をいただきましたら,文化財保護課を通じて東北歴史博物館と協議しながら, 県図書館所蔵文化財資料等の移管に係る基本方針(案)ということで取りまとめを行い,3月に開催する予定の県議会常任委員会に報告するとともに, 県教育委員会定例会におきまして最終案を決定するということとしたいと考えております。以上本件につきまして,ご審議をよろしくお願いします。
○議長
 ただ今移管の問題について,取扱方針,また資料5で,具体的に何を移管していくかということを含めて説明をいただきました。これについて質問・ご意見等ございましたらよろしくお願いいたします。
○ 早坂委員
 前回の協議会の意見を最大限ご配慮いただいた結果というふうに受け止めております。2つ質問があります。
 質問のひとつは,絵画の『錦絵』について,これは明治以降になってから作られたものではないかと思います。例えば「仙台第二師団全部之図」とか「御巡行行列図」。 以前,近代以降のものは宮城県美術館が収集範囲としているというお答えがあったかと思うのですが,作成年代をお聞きしたいと思います。
 もうひとつは,『こけし』の歴博へという結論なのですが,この「自伝と一体として寄贈された」とあるのですが,この自伝というのは,誰の自伝なのかを教えていただきたいと思います。
○ 西村課長
 2番目の質問の「自伝」というところですが,「手島博士を想う」という追悼録でありまして,それが自伝ということで,それと一体として保管されているということです。
○ 早坂委員
 もう一度書名をお願いします。
○ 西村課長
 「手島りょう博士を想う」 昭和15年7月刊です。
○ 早坂委員
 これは図書館に残すと考えでよろしいのでしょうか。
○ 西村課長
 本の方は図書館に残ります。
○ 早坂委員
 それから,『錦絵』の方はいかがでしょうか。
○ 西村課長
 『錦絵』でありますが,作成した年代は,今手元の資料では不明です。この題名からしますと,やはりご指摘のように明治以降のものかなと思われます。 図書館で収蔵したのは昭和46年以降に購入ということで保管していた物です。
○ 早坂委員
 近代資料ということになりますと,もし移管する必要があるという場合でも,宮城県美術館の方がふさわしいのではないかという気がするのですが,この間歴博の方が,そこはきちんと分担しているという話をしていましたので。 今回はこの件に関しては,とりあえず図書館に残して,さらに美術館が必要と思うのであればそちらに移管ということもあり得ると思うのですが,いかがでしょうか。
○ 議長
 宮城県美術館というのは古い洋画を,美術館としてこういうものの収集の考えが,たぶん希薄なのではという気がします。
○ 西村課長
 今,会長がお話しのように,美術館の収集方針というものがありまして,それに合わないと寄贈の場合はお断りしている場合もあると伺っています。この点につきましては, 今後お認めいただいた後,歴博と協議しながら進めていって,歴博の方で,むしろ美術館の方がふさわしいというのであれば,美術館とも協議しながら最終的に決めて行きたいと考えております。
○ 早坂委員
 そもそも近世までという歴博の収集範囲の中に馴染まないものをあえて宮城県図書館から移管する必要があるのだろうか,ここがポイントだと思うのです。
 当然,近世のものであれば,歴博の収集範囲ですから,日頃の活動とともに活用されると思うのですが,そうではないものをあえてわざわざ運び出す必要があるのかということです。
○ 議長
 美術館の件は確認していただきたい。
○ 西村課長
 実際に今,歴博の方に保管されているものですから,あまり移動はしない方が良いのかなということもありますし,この辺先ほどと同じ答えになりますけれども,歴博とも協議しながら進めていきたいと思います。
○ 議長
 他にございませんか。
○ 鵜飼委員
 確認したいのですが,内容的なことはこれで結構だと思います。論点整理そのものをした組織は内部の組織だったと思います。それで,この取扱方針を作成した組織というのは,メンバーはどういう方々でしたでしょうか。 これからこの取扱方針を3月の時点で県議会なり教育委員会なりに,このようにやりますよと,そこが最終決定ということになるのでしょうか。
○ 西村課長
 論点整理をしたのは,県の教育委員会内部の職員で,関係課の生涯学習課,図書館,文化財保護課,東北歴史博物館の職員が集まりまして論点整理をいたしました。
 この論点整理の基本的な考え方,取扱方針ということで,今回図書館協議委員会にお諮りしてご検討いただいたということです。
 最終的に教育委員会事務局として,論点ということは外れて,移管に係る取扱方針,これを基本ベースに,ほとんどそういう形になろうかと思いますけれども,体裁を整えて最終的な取扱方針案としてまとめあげ, それを議会に案として出し,最終的には,議会からもご指摘いただいていましたので,今回については重要な案件であるとの判断から教育委員会定例会においてこの取扱方針を決定するという,そういう手順を考えております。
○ 鵜飼委員
 この論点整理をするという前提は,私の記憶の中では外部の方々を含めた検討委員会を設けて,そこで検討してもらうために論点を整理する必要があるだろうから,そういう形で論点を整理して, それから何か組織を立ち上げますよ,そういうような雰囲気のお話しがあったように伺ったもですから。そうではなく,ここはあくまでも図書館協議会という場所でいろいろ議論して,それを反映した形で取扱方針を作りましたよ, これでよしとするのですよと,こういうことでよろしいのですか。
○ 西村課長
 確かに委員ご指摘のとおり,昨年度の最初の図書館協議会の時にそのような話を私からさせていただいたかと思いますが,その後,議会からご指摘もあり, 様々なお話しをいただいた中で外部委員の方々をお願いして詳細を検討していくのではなくて,図書館協議会においてまとめていくというような手順でやるべきではないかということで, 若干考え方を修正してこのように決定をお願いしているということであります。
○ 議長
 他にございませんか。大筋では,落ち着くところに,落ち着いたなというところで,意見がなければ,協議会としても了承したいと思います。
 事務局から他で何かございませんか。

 それでは以上をもちまして議事を終了いたしたいと思います。円滑な議事進行にご協力いただきまして誠にありがとうございました。本当に長い間, 本年は特に5回も協議会にお運びいただきましてたいへんご負担をおかけしました。ありがとうございました。

12 閉会

関副参事が閉会を宣言し,一切を終了した。

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