平成26年度第1回宮城県図書館協議会会議録
平成26年度 第1回宮城県図書館協議会 会議録
1 日時 場所
平成26年6月18日(水) 午後3時00分から午後5時00分まで
宮城県図書館 研修室
2 出席者
- 佐藤 義則 委員(会長)
- 鵜飼 信好 委員(副会長)
- 早坂 信子 委員
- 原谷 守 委員
- 長根 和広 委員
- 柴崎 悦子 委員
- 佐々木 壽德 委員
- 志村 睦雄 委員
3 事務局等出席者の職氏名
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生涯学習課副参事兼課長補佐(総括担当)鹿野田 由美子
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館長 大坪 富雄
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副館長 沼倉 敏郎
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企画管理部長 浦上 博司
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資料奉仕部長 粟野 琴絵
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企画管理部次長(総括担当) 樋口 利之
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資料奉仕部次長(総括担当) 三浦 晃
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企画協力班次長(班長) 渡邉 雅弘
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一般図書班次長(班長) 下山 邦彦
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児童・視聴覚班主幹(班長) 渡邊 新
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資料情報班主任主査(班長) 浅野 温子
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総務班次長(班長) 高橋 淳子
4 委嘱状等の交付
大坪館長より,各委員へ委嘱状・辞令の交付
5 傍聴について
樋口次長から,傍聴希望者がないことを確認
6 開会
樋口次長が開会を宣言し,本日8名の出席により定足数を満たし会議が成立した旨の報告
7 委員及び図書館職員紹介
大坪館長より紹介
8 会長・副会長選任
会長には,佐藤義則委員,副会長には,鵜飼信好委員が選任された。
9 会長挨拶
私は東北学院大学文学部で教員をしています。専門が図書館情報学ということで,大学図書館で20年程勤めてきました。 米沢女子短期大学,三重大学,そして現在は東北学院大学で教職の授業をしています。
宮城県の図書館協議会は初めてですが,山形県・三重県で県の図書館協議会委員として関わってきました。課題の多い時期に,この立派な図書館を20年つづけてこられたことに感銘を持ちながら拝見していますので,皆様とともにこれから力を尽くしていければと思います。どうぞよろしくお願いします。
10 副会長挨拶
「やまがっこう」という団体でボランティアをしています。仙台市内の図書館・学校・児童館いろいろなところで読み聞かせのボランティア活動をしています。図書館や市民センターでは読み聞かせのボランティアの養成講習も担当しています。
私の目標は,子どもたちへの読書の誘いであり,読み聞かせボランティアは,子どもたちを読書の道に誘うだけの力を持ったセミプロであってくれと言っています。第3次子ども読書活動推進計画に基づく基本計画が立てられたが,今年は具体的なアクションに向かっていろいろな機関が連携してやっていってほしいという年です。図書館の中でもどのような形で活動したらよいか。この協議会でもいろいろな意見が出されることを期待したい。
11 館長挨拶
本日は,ご多用中のところご出席を賜り,誠にありがとうございます。
第32次図書館協議会では,新たに3名の委員を迎えての開催となりました。委員定数は9名ですが,公募の1名に対して応募者がなく,現在再募集中です。しかし,新しい年度が始まり3ヶ 月になりますので,とりあえず8名の委員でスタートすることを生涯学習課でも了解済みです。次回から9名のメンバーになることをご了承いただきたい。議題については,それぞれご専門の立場からの率直なご意見を伺いたい。本日はよろしくお願いいたします。
12 配付資料の確認及び日程説明(樋口次長)
<説明関係資料>
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「平成25年度主要事業実施等概要」・・・・・・・・・・・ (以下,資料1)
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「平成26年度主要事業計画概要」 ・・・・・・・・・・ (以下,資料2)
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「利用者サービスの向上に向けた取組について」・・・・・(以下,資料3)
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「市町村支援に向けた取組について」・・・・ ・・・・・ (以下,資料4)
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「被災地域記録デジタル化推進化事業の取組について」・・ (以下,資料5)
<配付関係資料>
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「図書館協議会条例」・・・・・・・・・・・・・・・・・ (以下,配付資料1)
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「第32次宮城県図書館協議会委員名簿」・・・・・・・・ (以下,配付資料2)
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「宮城県図書館振興基本計画(平成25年度~平成29年度)」(以下,配付資料3)
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「平成26年度宮城県図書館要覧」・・・・・・・・・・・ (以下,配付資料4)
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「ことばのうみ(第47号)2014.3」・・・・・・・ (以下,配付資料5)
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「6月21日開催トークイベント」チラシ ・・・・・・・ (以下,配付資料6)
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「震災資料の提供依頼」チラシ ・・・・・・・・・・・・ (以下,配付資料7)
13 議長選出
会長である佐藤会長(以下,議長)を選出
14 会議録署名委員の指名
議長が佐々木壽德委員を指名
15 議 事
○ 議長
それでは議事に入ります。まず,「平成25年度主要事業実施等概要」について,説明願います。
○ 浦上部長
資料1「平成25年度主要事業実施等概要」について説明いたします。(以下,資料1の資料に基づき説明)
○ 議長
ただいまの説明について何かご質問・ご意見等ありましたら,お伺いします。
○ 鵜飼委員
3ページに「パスファインダーの作成」とあるが,テーマはどのようにして決めているのですか。
○ 下山班長
調査相談カウンターで問い合わせが多かったもので,資料を示せば一人でも的確に行き着くものの中からテーマを選びました。
○ 早坂委員
6ページ震災復興への取組の中で①の震災文庫整備と③の震災デジタルアーカイブ(以下,震災DA)はそれぞれ別物で直接的な関連はないという認識でよろしいですか。
また,震災DAは,事業費6億円という今までに類のない大規模なプロジェクトですが,具体的な中身はどうなっているのですか。必ずしも県図書館に資料を集めるということではなく,市町村各地に残る記録のデータベースを県が構築するということですか。コンテンツを県民誰もがどこからでも見られる状況にするのですか。
○ 三浦次長
①の震災文庫整備は震災直後から行っている事業で,販売されている図書・雑誌・チラシ類まで関連する資料を広く収集し,県図書館震災文庫コーナーで公開しているものです。
③の震災DAは,当初の予定は,震災文庫に集まった資料をデジタル化して公開するもので,予算は1億2千万円でした。その後連携市町村まで拡充したものです。
事業の中身の2本の柱は,1つは紙ベース,主にチラシ類を保存・公開するためにデジタル化すること,2つめは,デジタル化した資料及び当初からデジタル化された資料,デジタルカメラで撮った写真などを同じデジタルコンテンツとしてWeb上で公開するためのシステム,そのコンテンツを格納するためのシステムを構築し,公開の部分では,それを県民が閲覧し,利活用することです。広く言えば,全世界の方から利用してもらうということです。
○ 早坂委員
一般的に誰でもが利用できるような形にするには,しかけというか,資料そのものにインデックスをつけたり,分類記号をつけたりなどアクセスのためのポイントを付与しなければならないが,それはそれぞれの市町村でそれぞれの職員がやるのか,それとも県の予算で,県の仕事として県の職員が集中的にやるのでしょうか。
○ 沼倉副館長
この事業は,基本的には県と市町村が主体であり,県のアーカイブであり,市町村のアーカイブということで対応するが,現実的には市町村に対して参画に協力を求めたり,ランニングコストをすべて県が負担するという考えもあるので,県が主導的な立場でリードし,県の立場で市町村のDAをつくるということになります。その中では,市町村職員・県職員と受託業者も関わる1つの調整会議という組織立てをして,進めていきます。
○ 原谷委員
東松島市と大和町を除くとあるが,県内全市町村で行うのが一番いいのではないですか。
○ 沼倉副館長
東松島市は,既に独自のDAを構築しているので,あらためて他の市町村と一緒の形での参画はしないということである。ただ,リンクを貼って相互の情報交換はできます。大和町は,震災の被害が少なく,記録があまりないので遠慮したいという話がありました。
○ 議長
ご質問がないようですので,続きまして「平成26年度主要事業計画概要」について事務局から説明願います。
○ 浦上部長
資料2「平成26年度主要事業計画概要」について説明いたします。(以下,資料2の資料に基づき説明)
○ 議長
ただいまの説明について,何か質問・ご意見ありましたらお伺いします。
○ 志村委員
学校の立場で申し上げたい。こども読書活動推進計画の中で,図書館と学校の取組について,4点上がっています。特に学校図書館との連携協力について,学校訪問・情報交換はしているのですか。
○ 沼倉副館長
学校における学習等の活用支援についても市町村図書館に対して,市町村図書館が学校へサポートできるように学サポセットの貸出を始めたり,すぐれた歴史・文化に親しむ契機となる貴重資料の貸出を継続的に行っています。出前講座・巡回指導も継続しています。先日巡回相談で回った女川図書館では,「子ども読書に力を入れていきたい。こどもの本の蔵書数を増やしたい。学校司書も育成したい。」という要望を伺い,県図書館は支援すると話してきました。学校司書が集まる機会に,県図書館職員が出向いて意見交換するなど,出前講座でそのような要望があれば,県図書館職員が対応します。学校図書館を支援していかなければならないという認識はしています。通常業務に加えて,そのようなことも検討・実施していくことを考えています。
○ 志村委員
図書館は読書センターから情報センターへとその役割が変わってきています。仙台市は図書館と連携が図られているが,県内では地域格差があるという話も聞きます。県全体で取り組む何か考えはあるのですか。
○ 沼倉副館長
県図書館としては,市町村図書館とともに連携して小中学校支援に力を入れたい。最終的には,職員数の限界・予算の問題もあるが,市町村図書館としっかり連携をはかりながら,学校の状況を把握し,一番何がいいのか考えていきたい。
○ 議長
学サポセットとはどれぐらいのものなのですか。
○ 渡邊新班長
学サポセットは120弱。昨年度途中から実施しています。各学校から市町村図書館に要望が出され,県図書館が貸し出します。県図書館は学校を間接的に支援しています。昨年度は
43セット貸し出ししました。
○ 議長
図書館がない市町村に対してはどうしているのですか。
○ 渡邊新班長
公民館図書室にも貸し出ししています。
○ 議長
先程志村委員から質問があった件については,間接的にサポートしているということですね。
○ 沼倉副館長
学サポセットの活用については,現状を把握しながら学校司書の育成など市町村で対応できない部分については,一つ一つ進めていきたい。
○ 鵜飼委員
委員の先生に伺いたい。お子さんにお母さんが「それは,この間見た本でしょ。」とか「それは,赤ちゃんが読む本でしょ。」と言っているのを聞きます。本以前の読書環境に対しては,各機関はどう対処すべきなのか。子どもの知識の普及については,どこがやるべきことなのか。子どもの読書推進という観点からどう考えたらいいのか。計画では,「各機関と連携して」と言われるが,現実には図書館以前の問題がごろごろしています。そういう取組はどこがやる領域なのでしょうか。日々図書館に来ながら考えています。図書館がやるべきことではないかもしれませんが,ソフト面で大事だと思うのでお知恵があったら伺いたい。
○ 長根委員
仙台市の取組を紹介します。仙台市では図書館振興計画の中で,ゼロ歳から読書に親しむ環境をつくるということで,赤ちゃんの時からことばのシャワーを浴びせる。読み聞かせやエプロンシアターといった取組をしています。こういう活動はボランティアの助けをいただかなければできない。市内7つの図書館で毎週水曜日お話会を行っています。年齢を区切って職員とボランティアで活動しています。また地域文庫の会へ図書館から資料を貸出したり,研修会に職員を派遣してスキルアップをはかっていただく取組を進めています。先日新聞に載ったが,教育系の大学の学生に図書館で読み聞かせの実体験をしてもらったりと,連携をしています。
○ 鵜飼委員
ボランティア活動をしている人の悩みは,「どういう年齢の子どもにどういう本を読んであげたらよいのかよくわからない。」というものです。また,同じ本を何度でも読んであげてもいいのに親にその認識がない。子どもの読書環境としてはとても悪い。いろいろなところで読書活動に関するアクションプランをつくるときに,実態を加味した取組を考えてもらいたい。
○ 志村委員
仙台市では,地域における読書活動推進ということで,市民センター・保育所・児童館で読み聞かせを聞く機会を増やしています。その中で保護者や地域の方にも関わってもらっています。学校でも今PTA活動の中でそういう取り組みができないかということで,地域と連携を進めていて,PTAの研修会の中でブックトークなどをしています。
○ 鵜飼委員
福井県ではこども読書に関するQ&Aを作成してそれを公開しています。PTAの中でもそういうもの,基本的なポイントをPRしていただく取組もいいのではないかと思います。
○ 志村委員
仙台市のブックトークの会は,人材育成の面でも力があります。
○ 議長
質問がないようですので,「利用者サービスの向上に向けた取組について」事務局から説明願います。
○ 各担当班長
資料3の資料に基づき説明
○ 議長
ただいまの説明について何かご質問・ご意見等ありましたら,お伺いします。
○ 早坂委員
2ページ 児童・視聴覚関係で図書資料に学年別シールを貼付するとあるが,6学年別なのですか。
○ 渡邊新班長
低・中・高学年と2年ごとの分類にしています。
○ 早坂委員
学齢と読書歴年齢には個人差があります。そこが学校図書館と公共図書館の一番の違いです。公共図書館ではあまり学年別という意識を働かせなかった。外国では,子どもの本と大人の本を混配している図書館もあります。その子が関心があるものであれば,多少学齢が高いものでも借りるし,大人でも絵本が好きで借りる人もいます。がちがちに学校教育と結び合わせなくても読書歴にあったものでいいのではないでしょうか。
○ 柴崎委員
図書館では,よく「うちの子 何歳なんですけど,どんな本をよんだらいいですか。」と聞かれることが多いので,おすすめの本を準備しておかないと(それがいいかどうかは別にして),おかあさんたちが満足しません。名取市では検診の時保健センターに出向き,アドバイスをしたり,お話会の招待状を渡したりしています。保育所や幼稚園にも積極的に出向きPRしています。子ども読書に関しては,図書館が積極的に取り組んでいく必要があると感じています。
○ 志村委員
先生方が資料の利活用について,どれぐらいわかっているのですか。博物館・美術館と連携してもらうと使いやすい。
○ 沼倉副館長
わかっていないと思う。児童資料研究相談室の存在を知らないと思うので知っていただくことから始めます。貴重資料に関しても検索機能については,今年から本格的に行い,PRしていきます。利活用していただきながら改善をはかっていきたい。
○ 志村委員
「これからの学校図書館のあり方」には,教員をサポートする機能とあるが,全くないのが現状です。教材研究するのに公共図書館のサポートがあると助かります。教員が資料を検索し,活用できるようにしてほしい。
○ 沼倉副館長
十分認識した上で,検討していきたい。
○ 早坂委員
学校では,専任の司書教諭や学校司書をおいて,きちんと役割を果たしているところは,すぐれた活動をしています。そこに手をつけずに,教員と図書館の連携と言われても難しいのではないでしょうか。職務として役職があるので,その人たちも一緒にやっていかないと難しい。
○ 議長
何が先かではなくて,県図書館の主体的な事業ではないかもしれないが,何かのきっかけ・触媒になるという役割もある。志村委員の意見も共通の認識として何かを考えるきっかけになればいいのではと期待したい。
○ 志村委員
平成24年度から文部科学省では学校図書館の整備として「蔵書・新聞・学校司書」と言っているが,地域間格差が大きい。共通認識を持ってみんなでいろいろな場で働きかければ,変わっていくと思う。学校の力は大きい。公共図書館と一緒にやれるところをやっていくと変わると思う。
○ 鵜飼委員
先程の名取市図書館の話がすばらしかった。図書館と保健センター,図書館と学校の連携が広がるといい。
児童資料研究相談室に目録はあるのですか。
○ 渡邊新班長
目録はありません。今年度作成する予定です。
○ 議長
質問がないようですので,「市町村支援に向けた取組について」事務局から説明願います。
○ 各担当班長
資料4の資料に基づき説明
○ 議長
ただいまの説明について何かご質問・ご意見等ありましたら,お伺いします。
○ 長根委員
2ページ 図書館の新設等図書館に対する間接的な支援の実施とは,アドバイザーとして職員を派遣するということですか。
○ 沼倉副館長
そうです。
○ 議長
資料5「被災地域記録デジタル化推進事業の取組について」事務局から説明願います。
○ 三浦次長
資料5の資料に基づき説明
○ 議長
ただいまの説明について何かご質問・ご意見等ありましたら,お伺いします。
○ 早坂委員
収集346,000点は現物を県で収集するということか。又は県・市町村・学校等がそれぞれ収集し,標準的なフォーマットに入力するのですか。
○ 沼倉副館長
厳密にだれが集めるのかというものではありません。各市町村にある震災資料に関して,市町村と県職員が共同して収集して,1つのDAに組み込んで公開していきます。6億円のうち5億円が委託費です。市町村が持っている資料の権利処理も含めて協力して収集します。リーダーシップを発揮するのが県職員です。
○ 早坂委員
どこに集めるのですか。
○ 沼倉副館長
一義的には,県に集めます。DA公開後,資料は市町村で管理したいと言われれば戻します。そのまま県に寄贈されることもあります。
○ 早坂委員
進捗率も心配ではあるが,市町村にとってみれば,復興の仕事をしながらその他の仕事として手がけるのは大変なことであり,マンパワーが必要です。大変な作業量です。場所と時間を特定したマッピングの作業も必要だと思うが,全体の構成など仕様書は県図書館が決めているのですか。
○ 沼倉副館長
現在業者と調整中です。
○ 議長
国会図書館のひなぎくとの連携もあると聞いています。緯度・経度の入力が難しい。写真のメタデータは付与しづらい。日付と座標値しかない。
早坂委員が言っているのはそういうことではないでしょうか。
○ 沼倉副館長
一つ一つ業者と詰めて,仕様書に落としているが,そういうことも考慮して進めます。
○ 議長
その他事務局から何かありますか。
○ 事務局
ありません。
○ 議長
それでは,以上を持ちまして,議事を終了いたします。円滑な議事進行にご協力をいただきましてありがとうございました。
16 閉会
樋口次長が閉会を宣言し,一切を終了した。